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退院当日

術後九日目、かなり自由に動けるようになった。

朝食後、荷造りをパッと済ませる。ベッドの布団をたたみ、寝巻きを脱いで洗濯物入れへ。

別の病室の患者仲間を探して、退院の挨拶。

9時過ぎに、家族と共に、遠藤先生による術後説明。(南淵先生はこの時間、手術中であった。)
術前後の心エコーの画像を画面に出してもらい、デジカメに記録する。確かに、術後は逆流がほとんどなくなっているのが分かる。僧帽弁の動き、特に、後尖の動きが術前と全然違う。弁形成術でうまくいかなかった場合は、直ぐに再手術となるらしいが、「この時点で大丈夫だから成功ですよ」と言われて、ホッとする。

これからの生活で注意すべきことは、熱が数日出た時は、病院に行って抗生物質をもらって下さいとのこと。市販の風邪薬ではだめらしい。弁形成の際に使っている弁輪という人工物の部分に、風邪などで体内に入った細菌が取り付きやすいのだそうだ。それを抗生物質で殺さないと恐ろしい病気へと発展してしまうらしい。

生活上の制限らしい制限は何もないので、胸骨さえしっかりついてしまえば、健康体そのものになれそうだ。

看護師さん達に挨拶を済ませて、会計を済ませ、当面飲む薬を薬剤師さんから受け取り、ようやく退院。久しぶりの外の空気は新鮮。家族の車で自宅に向かった。やっぱり、自宅は良いものだ。

次回の外来は、1ヵ月半後になる。

大和成和病院
大和成和病院 (TC-1 + Tri-X 400)

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術後八日目

退院前日。

入院中最後のリハビリ室での運動。終わった後、看護師Eさんとリハビリ担当のTさんの記念撮影。

ちょっと、話が脱線するが、写真を撮ることを趣味としている私は、大和成和病院でお世話になった皆さんの写真を沢山撮っておいたのだ。

記録用にデジタルカメラも使うが、大事な写真は未だにフィルムにこだわっている。デジタルは便利だが、将来のメディアの互換性や保存性に不安があるのと、主観だが、映りに気持ちが入りにくい。一方、フィルムならば、細かい保存性の話は別として一応100年ほどの歴史が既にある訳だし、その場の雰囲気や空気感が映しこめると感じている。今回、病院での撮影は、手術後に重いカメラは扱えそうになかったので、TC-1という高性能コンパクトカメラを使った。そして、カラーではなくて白黒フィルムを選択した。その方が、病院のイメージに合いそうだったので。現像後、簡単なフォトブックにでもして病院に送ろうと思っている。

病室からの空病室から見た空 (TC-1 + Tri-X 400)

夕方、退院後の行動生活について、注意点などの説明をリハビリの先生から受ける。胸骨が完全に治るまでには2~3か月かかるので、それまでは、10kg以上の重たいものを持ったり、四つん這いになったり、観音開きのような動作はしてはいけないとのこと。車の運転も2、3か月は禁止。適度な運動は徐々に始めてよいそうだ。

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術後七日目

術前と術後の体調の比較(手術後、2、3日目から感じ始めたことと、術後1ヵ月目あたりまでに感じたことをまとめています。)

・動悸が無くなった。これが一番ありがたい。例えば、映画館で大音響がすると、心臓に軽いショックや動悸を感じていたが、術後はホラーでもサスペンスでも、ロックコンサートでもなんでもござれ状態になった。身の安全の為にジェットコースターにも乗らないようにしていたが、多分これももう大丈夫だろう。
・他人が近くで咳をすると心臓に矢がグサッと刺さるような感じがあったが、それがなくなり、心臓がバリアで囲われているような感じがする。
・ここ数年、仰向けになって眠ることができなかったが、問題なく仰向けで眠れるようになった。(当初、睡眠時無呼吸障害かと思ったが、そうではなく、起座呼吸の初期症状であった模様。)
・首筋に筋肉痛のような痛みを頻繁に感じていたが、それが無くなった。
・睡眠時間が5、6時間でも大丈夫になった。昼寝をする癖がなくなった。
・疲れにくくなった。家族の買い物に付き合うとすぐに家に戻りたくなっていたが、今は大丈夫。心臓の無駄な動きが無くなって効率が上がったような感じがする。(でも、女性の買い物付き合いには未だゴメンである。)
・夜中に小便に起きることがなくなった。
・慢性的に下痢気味であったのが、一日一回、規則正しい普通の便になった。
・活動意欲が湧くようになった。あれこれ、新しいことをやってみたい衝動に駆られる。

という訳で、心臓の弁をちょっと手直ししただけなのに、術後の体調がそれまでと明らかに変わってきたことを実感することができる。術後数日でこれだけの変化を感じた訳だから、恐らく、これから仕事にも復帰する頃には、もっと違った体の変化を感じていることかもしれない。今は、本当に手術受けて良かった!と思っている

今日は、シャワーリハビリ。これがリハビリの最終試験らしい。シャワー前後に血圧と心電図を取る。問題なければ、次回から自由にシャワーを浴びて良く、退院も近づいてくる。一人で服を脱ぎ、シャワーで頭や体を洗う。創の部分は怖くてそっと撫でる程度にしか洗えなかった。久しぶりのシャワーだったのでとても気持ち良い。

ベッドの名札ベッド脇にある名札 (TC-1 + Tri-X 400)

夕方、看護師さんから、「週末に退院可能です!」との連絡を受ける。家族に迎えに来てもらう都合があるので、退院日は患者が決めることができるらしい。ここまで順調に回復できたことをありがたく思い、術後九日目の12月20日に退院でお願いする。クリスマスまでには家に帰りたいと思っていたが、早めに退院できることになりとても嬉しい!

入院生活に慣れてくると、特に体調の良い時は、このまましばらくのんびりした入院生活を楽しむのも悪くないなとふと思ったりする。なにせ三食付いて、看護師さんは面倒見てくれるし、仕事もしなくて良いし、テレビみたり、おしゃべりしたり、本を読んだりと、ある程度好きなことができる。また、入院期間が長い方が生命保険会社に掛けてある入院保険金を沢山もらえる訳で・・・(病院からの入院費の請求も増えるが・・・でもそれも高額医療補助対象ならば同月内なら自己負担への影響はないかも・・・)。

でも、大切な事は、退院できる状態になったのならば、入院待ちの別の患者さんの為に、早くベッドを空けて治療させてあげることではないかとも思う。

午後、栄養指導。栄養課の美人講師Tさんから、退院後の食生活について集団指導を受ける。塩分と脂分を控え目にする食事がポイント。自炊する人なら自分のことは自分でとなるのだが、もっぱら三食家族に作ってもらっている身分では、あまり大きなリクエストはつけられない。でも、体の為を考えて考慮してもらわねばなぁ。あと、外食は最大の敵のようだ。(たまには良いと思いますが。)主食、主菜、副菜、乳製品・果物をバランスよく取ることが大切。ワーファリンを飲んでいる間は、納豆は食べられない。でも、その他の食事制限は一切なし。思ったより自由だ。

ある日の病院食をご紹介。

ある日の朝食

ある日の夕食

朝: パン、マーマレード、マッシュポテト、オレンジゼリー、バナナ一本、ヨーグルト
昼: ご飯、つけ焼き(鶏モモ)、卵豆腐、しらす和え、リンゴ
夜: ご飯、ごまだれ蒸し、切干大根、磯辺和え(白菜)、味噌汁(なめこ)

  1794Kcal、塩分相当量 5.9g

朝: ご飯、味噌汁(里芋)、炒め煮、ごま味味噌和え(キャベツ)、ヨーグルト
昼: ご飯、ソースかけ(鶏モモ)、コールスローサラダ、わさび和え、パイナップル
夜: ご飯、香味焼き(シイラ)、中華風煮、おかか和え(ジャガイモ)、ぶどう

  1722Kcal、塩分相当量 5.6g

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術後六日目

朝の採血は早い。まだうたた寝中の5時半頃、ベッド上で腕に針を刺される。もう、針を体にさされるのは慣れっこ状態。痛くも痒くもない。だけど、術後暫くはワーファリンを飲んでいるので、針を打った部分の内出血が酷い。

リハビリ運動後、24時間心電図(ホルター検査)を取り付ける。夕方、シャンプーしてもらう。

入院初日以来、毎日、看護師さんが、翌日の行動予定を紙に書いて教えてくれる。これをテーブルに張っておくのだ。なので、明日はどんな検査があるのか心構えができて安心できる。

検査予定

看護師さんから、「血液の炎症反応が基準値内になっているので、退院も近いですよ」と伝えられる。通常、ICU退室から10~14日目くらいに退院というパターンが一般的らしいのだが、それより早まりそう。

夕食後、ICUでお世話になったICU看護師のIさんをナースステーションで見つける。ICUの看護師さんって、ICU退室しちゃうと会ったり話したりする機会がほとんど無いので、会えてお礼を言えて嬉しかった。記念にナースステーション前で一緒に写真を撮ってもらう。

病院のやり方なのかどうかは分からないが、執刀医、麻酔医、オペ室看護師、ICU看護師、一般病棟看護師など、みんな其々の受け持ちの領域があって、その領域を終えた患者の様子をチョコチョコと診に来たりはしない。みんな自分の仕事の結果に自信を持っていて、それぞれのスタッフを信頼しているからだろう。

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術後五日目

ハートハガーという術後の胸の痛みを和らげるアイテムがある。大和成和病院の売店で購入できる。15750円(税込)と少々高い。(確定申告の医療費控除の対象にできるので、領収書を保管しておきましょう。)

このハートハガーを使うと、胸骨正中切開によって人工的に骨折させられた状態の胸骨が、体を動かしたり、咳をしたりする時に微妙に動いて痛むのを和らげる効果がある。そのタイミングの時に、片手でハンドルを引き寄せて、胸を締めるのだ。ICUで取りつけて、退院後1、2週間目まで使用する。但し、普段から胸を締め付けると肺が圧迫されてよくないので、普段は軽く付けているだけ。あくまでも、大きく動いたり咳やたんを出す時にだけ締めるとのこと。

入院中の術前患者と術後患者の見分け方は簡単である。このハートハガー付けているか否か。ハートハガーを付けはじめて、ようやくワンステップ進んで、自分も術後患者の仲間入りをしたんだなと、何故か誇らしげになる。

その後入院された患者さんから聞いた話では、最近は大和成和病院でハートハガーはあまり使われていないそうだ。無くてもなんとかなるものだし、別の商品でも代用はできると思う。でも、個人的には、このハートハガーにはかなり助けられたと思う。

ハートハガー

ICU退室後、体には、無線式の心電図が取り付けてあった。ナースステーションに電波で情報を送信して、もし何か異常があればすぐに看護師さんが容態をキャッチできる仕組みだ。この心電図もこの日とれた。もう、私の体には緊急事態は起こらないと判断されたのだろう。

この日、それまで使っていた電動ベッド(ボタンひとつで背中側が昇降する便利なやつ)も取り上げられてしまった。普通のベッドへ舞い戻り。術後の胸の創があるので、ベッドに横になったり起き上がったりする動作は結構大変なのだ。まあ、これもリハビリの為の措置なのだろう。横向きになって、肘をうまく使って、なんとか頑張る。

心エコーと胸部レントゲンの検査あり。心エコー検査でも、検査室で心臓側を下にしてベッドに横たわらなくてはならない。検査自体は楽なのだが、術後の体でベッドに横たわる動作が辛~い。

午後、胸の創部分に張ってあった透明のテープを剥がして、消毒。そして、冷たいスプレーでコーティング。溶けて無くなる糸を使っているようなので、抜糸の必要はない。自分の創をこの時初めてマジマジと眺めたが、カサブタ状態のギザギザ、思ったより創の長さが長いと思った。(後日測ったら21cmだった。)タコスさんの心臓手術体験のブログ(閉鎖済)では僅か9cmと書かれていたので、少々ショック。タコスさんの場合は先生の女性に対する創の配慮が大きくあったのかもしれませんね。それと、胸骨の大きさにも影響するんですかね。まあ、創も病気治療の勲章という訳で・・・。

今日のリハビリは、三階のスポーツジム風リハビリ室で、脚の運動と自転車漕ぎを10分間。運動中の心電図と脈が把握管理されている。うっすらと汗を掻くくらいの運動は気持ちが良い。実際、心臓手術から数日でこんなに運動ができるなんて少々驚き。運動できる人はちゃんとした管理下であれば、できるだけ体を動かした方が合併症を防いだり、回復を早めたりする効果があるそうだ。血圧は運動前と後では、予想に反して、運動後の方が下がる。血管が運動によって開く為らしい。手術前、私は会社へ片道約4km、50分間を徒歩通勤していた。先生からは、医者としては勧められない術前運動だと言われていたのだが・・・実際、ある日突然心不全や不整脈が起きてもおかしくなかったのかもしれない。でも、その運動のお蔭で、術後の体力回復が驚異的に早かったのではなかろうかとリハビリの先生が言っていた。

リハビリ室での運動を終えて、病室まで階段を歩いていると、南淵先生とすれ違った。「状態はどうですか?」と聞かれ、「バッチリ回復しています。本当にありがとうございます」と答える。それにしても、南淵先生、体、大きいなぁ。

ちなみに、術後、入院中に南淵先生と顔を合わせたのはこの時、一回だけ。病室では一回も会わず終いであった。

飲み薬がこの日から自己管理になる。それまでは、朝昼晩の薬を看護師さんが分けて管理してくれていたのだ。

術後、飲んでいる薬は次の通り。朝食後服薬。

・ワーファリン 当初3~4mg、後に、1.5mgに安定 血栓ができるのを防ぐ
・バイアスピリン 100mg 血流を良くし血栓ができるのを防ぐ
・テノーミン 25mg 心臓の負担を軽くし、脈を整えたり血圧を下げたりする
・タケプロンカプセル 15mg 胃酸の分泌を抑えて、食道炎等を改善する
・ラシックス 20mg 尿を出して血圧を下げたり、むくみを取る
・ロキソニン 60mg 炎症によるはれや痛みを和らげる(術後2週間くらいまで)

薬

だんだん食欲が湧いてきて、食事時間が待ち遠しい。食事前には腹がグ~と鳴っている。パン食が週2回しかないので、パンが恋しい。あと、塩分が多くてカロリーが高いのは分かっているが、ピザやカレー、トンカツに唐揚げがむしょうに食べたくなってよだれが出てきた。

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プロフィール

Author: カムバックハート

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カムバックハートこと、鍋島と申します。神奈川県川崎市在住の49歳男性。

2008年12月に心臓の僧帽弁形成手術を受けて、第二の人生をスタートさせることができました。

南淵先生と私

南淵先生と私(術後の初外来にて)


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但し、私は医者やカウンセラーではないので医学的なご質問にはお答えできません。初めて連絡下さる方は簡単なプロフィールをお願い致します。

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このブログは、私が心臓弁膜症の僧帽弁閉鎖不全症という病気に診断されたところから、入院、手術、退院、その後の生活という流れで時系列に記載しています。手術を受けた時の描写は2008年12月の状況ですので、その後の医学の進歩で内容的に古くなっている部分があるかもしれません。実際の患者にしか分からない心理的な面の記述をできるだけ表現したつもりです。最初から読まれる場合は、「★はじまり ~こちらからご覧下さい~

コルコバード


南淵明宏先生の公式サイトにある「勇患列伝」 その7に出てくる「平松」とは私のことです。

yomiDr.のサイトにある世相にメス 心臓外科医・南淵明宏ブログ にこのブログのことを書いて頂きました。こちらの記事には第三回(元)心臓病仲間の集まりについて書いて頂きました。
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