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(元)心臓病仲間の外来診察 鎌田さん@会津若松

数年前からコンタクトを続け、今年9月の横浜での集まりで実際にお会いすることができた(元)心臓病仲間の鎌田さんから、南淵先生との最新の定期外来診察のご報告が届きました。鎌田さんは東北地方在住で、会津若松に定期的に出張外来されている南淵先生の診察に通われています。

鎌田さんからメールと写真の転載許可を頂きました。皆さんに外来の雰囲気を感じて頂き、会津若松で診察を受ける仲間が増えてくれたらなあと思っています。

ちなみに、私、カムバックハートは、11/12に新横浜ハートクリニックにていつもの南淵先生の定期外来を受けてきました。
そこで、しばらく会っていなかった仲間と7年ぶりくらいにバッタリ再会できて嬉しかったです。

以下、鎌田さんからのメールとお写真です。

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こんにちは。鎌田です。
横浜(での集まり)からもう2ヶ月。早いですね。
24日は、会津若松での南淵先生の診察で、CT検査も受けて、先生曰く「これ誰が手術したんだ? 完璧だね。」と笑いながら言ってました。
そして先週、AIで復活した、週刊チャンピオンのブラックジャック特集号を先生にプレゼントしました。
ブラックジャックみたいな先生に、ブラックジャック持って写真撮りましょう!って言ったら、じゃ、読んでるボーズするよ。って応えてくれました。
今回は、深津さんも久しぶりに会津に来ていただいて、うれしかったです。

横浜でのお礼と、中華街で盛り上がった話しも報告しました。 先生は、同じ境遇だからこそ通じるものがあるんだよね。って、おっしゃってました。
これから寒い季節。
体調には気をつけましょう。
近況報告でした。

(以下の写真提供は鎌田さん)(3人とも楽しそう!)



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第二十一回 (元)心臓病仲間の集まり 開催報告



前回の対面での集まりから4年ぶりとなる横浜会場での集まりを開催しました。開催を待ち望んでいた仲間が多かったのか、募集をかけるとすぐに沢山の参加表明を頂き、加えて、初参加の方からの申し込みが8名もありました。

開催当日。気温は下がってようやく過ごしやすくなりましたが、晴れ男のBNR34さんが不参加だったため天候は小雨。残念ながら直前に都合で参加できなくなったメンバーが数名いましたが、(元)患者が25名参加。青森、仙台、新潟、大阪から泊まりで参加頂いた仲間もいました。

そして、特別ゲストとして、南淵先生にお越し頂きました。

術前の方から、バイパス手術、大動脈弁の形成・弁置換、僧帽弁の形成・弁置換、三尖弁、肺動脈弁の置換、ペースメーカー、カテーテルアブレーションなど、一般的な心臓手術経験者の具体的サンプルが勢ぞろい。

内容はいつもの通り、事前作成した参加者のプロフィール一覧表を元に、各自の病歴や手術のこと、みんなに聞きたい質問、趣味などを自由に順番に1人ずつ発表していきます。質問に対する回答は、患者同士の経験を伝えることで対応したり、医学的な質問については、「これはどういうことですか?」と、南淵先生に質問すればその場で先生から即回答してもらえるというありがたい状況です。感染性心内膜炎から弁置換と弁形成に至った仲間のケースでは、実は患者が考えていた以上に生命に対して危険な手術を乗り越えてきたのだと南淵先生から手術の説明を聞いて、ご本人を含めみんなが理解するという場面もありました。



自己紹介が一巡したところで、休憩を挟み、第二部は、南淵先生からのミニ講演。「コクリコの坂から」のお話、患者としてのアサーションの心構え(合理性、勇気、節度)のお話、などなど。そして、参加仲間からの「診察室では聞けない南淵先生への質問」タイムに突入。術後の運動や創や経過観察のこと、生体弁の寿命や、カテーテル手術、心臓リハビリ、AppleWatchのことなど、沢山の質問にユーモアを交えて回答頂きました。





こちらはいつもの中華街での2次会の食事の時のシンボルマークのハートと手の集合写真です。参加者各自の経歴や必要としている情報などに応じて、より個別に対応できるのが2次会の良さだと思います。何度も参加を重ねてくれている仲間が、特に初参加の方が今回どういう情報を求めているのかを理解し、情報を提供したり、不安を解消したりして、積極的に動いてくれているのがこの集まりの素晴らしいところだと思います。



そして、今回も、老舗の横浜のバーでの3次会へ。(たけしさんが写ってなかった!)
ここまでくると、更に各自の親近感が高まります。そして、密度の濃い集まりは、あっと言う間の時の流れの中で終了しました。

今回の集まりに参加することで、参加者の皆さん一人ひとりににとって、何かしら得て頂けたものがあったのであれば嬉しい限りです。また、ある参加者が発信した言葉や情報が、他の参加者のために有効なものと感じて受け止めて頂けたなら、その情報発信者にとっても満足感の高い集まりであったのだと思います。第二十二回の集まりでまたお会いしましょう。

最後に、飲み物の搬入、会場の片付け、会費回収など、雑務にご協力頂いた仲間のみなさん、ありがとうございました。私一人では運営できないので、みなさんにご協力頂いたお蔭で予定通り開催を終えることができました。

参加しての感想や、今回は参加できなったけど次回は参加したいというコメントなど、当記事への書き込みを是非お願いします。

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かおるさん、マエノさんとのランチ

9月に入っても真夏並みの暑さの都心銀座。

関西在住の(元)心臓病仲間のマエノさんが用事で関東に見えられるとの連絡を頂きましたので、同じく仲間のかおるさんにもジョインしてもらいランチ会を行いました。

マエノさんとは、21年11月に京都でお会いしています。こちらの記事参照

直接会っての仲間との会話はほんとに久しぶりです。かつては(元)心臓病仲間と会う時の話題といえば心臓のこと一辺倒だったのが、段々と普通の生活のことにも裾を広げてきている気がしました。ご両名は9/23の集まりには残念ながら参加されないので、別途本日会う機会が持ててよかったです。



土鍋のシチュー料理が美味しいお店です。エルベ。



2次会はこちらのお店。珈琲だけの店、カフェ・ド・ランブルです。私が珈琲の焙煎やネルドリップに興味を持つきっかけになったお店です。



次回は、ゆっくりお酒を飲みながらの会合にしたいと思います。ありがとうございました。

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第二十一回 (元)心臓病仲間の集まり 開催案内

下記の集まりは開催を終了しました。

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定員以上の参加申し込み連絡を頂きましたので、今回の集まりについては
これにて受付終了とさせて頂きます。(ですが、一人くらいなら追加可能です。参加
ご希望の方は直ぐにご連絡ください)

参加申し込み頂いた方には、9/16にメールにて開催案内をお送りしました。
もし届いていない方がいらっしゃったらカムバックハートまでお知らせください。

尚、当日まで体調管理にいつも以上にご留意ください。
新型コロナなどの感染症で体調が良くないと思われる方は、当日キャンセルでも
構いませんので、他の参加者への影響に配慮下さる様お願いいたします。
マスクの着用は義務ではありませんので個人の判断にお任せします。

当日お会いしてお話するのを楽しみにしております。

2023.9.16 カムバックハート

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2019年7月以来、久しぶりの(元)心臓病仲間の集まり@横浜を開催します。

■日時: 9月23日(土) 開場12時(お弁当持参で会場内での昼食可)、
              開始13時-終了17時。その後自由参加の二次会(夕食)あり
■場所: 横浜の港が見える丘公園内の会場
■参加費: 会場代と飲み物代の実費(1,000円程度) (2次会は別途)
■人数: 最大25人
■内容: 簡単な自己紹介の後は、自由歓談

2019年7月の開催後、新型コロナウイルスの影響により会場での集まりは開催を見合わせていました。その間、オンラインでの開催は2回実施しました。今年に入り、考心会も会場開催を再開しましたので、(元)心臓病仲間の集まりも実に4年振りとなりますが、開催することにしました。

(元)心臓病仲間の集まりとは:
術前、術後、年齢、性別、病院や医師を問わず、心臓手術と術前術後の生活についての情報を共有し、仲間の輪の維持・拡大を目的とした集まりです。初参加の方に毎度加わって頂くことで、常連メンバーだけの会に常態化することなく、仲間の活性化を目指しています。心臓病というキーワードだけでつながる多様性のある仲間との出会いは、病気したことが我々に与えてくれた予想外のポジティブなプレゼントだと思います。インターネットや本では得ることができない体験者同士の希少な情報の共有と、同じ境遇を経験した(若しくは、これからするかもしれない)人同士の心地よい出会いの場です。

前回の開催報告はこちらの記事をご覧ください。(集まりの記事一覧はこちらへ。)

一次会終了後に、横浜中華街での夕食を予定しています。参加は自由ですが、折角なのと勿体ないのでこちらも合わせて参加されることを強くお勧めいたします。場所を代えての食事やお酒の入った会話は、一次会とは違った本音の会話が飛び交い、仲間の親密度が更に増します。(お酒を飲まれない方も大丈夫です。

尚、感染症にはご留意頂き、もし当日までに体調の変化等が発生した場合は、当日でも遠慮なくキャンセルして頂いて大丈夫です。キャンセル料は発生しません。

参加ご希望の方は、カムバックハートこと鍋島までメール連絡、若しくは、当ブログにコメント送付下さる様お願いいたします。いつものように参加者名簿を事前に作成し、当日会場の参加者に配布いたします。

皆様との楽しい集まりを開催できることを楽しみにしております。

カムバックハートこと鍋島

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虫垂炎(盲腸)手術体験記

手術とはなかなか縁が切れないものなのかもしれません。2023年5月30日に虫垂炎、所謂、盲腸の切除手術を受けてきました。手術経験も、2008年の心臓弁膜症手術2012年の鼠径ヘルニア手術、別途数回の大腸ポリープ切除術を経ての今回の虫垂炎(盲腸)の外科手術となりました。

記録的な意味合いと、今後同じ状況に出会うことになる方の為に、体験記を記しておきたいとおもいます。私がこれまで受けてきた手術は待機手術でしたが、今回は準緊急手術となりました。準緊急手術ということで、あらかじめ準備もできなかったので、今回の記事に写真はありません。

まず、そもそも、今回の異常はいつから発生していたのか? 思い返すに昨年冬か今年頭ごろから下痢が続くようになり、それが最初の変化点だったと思います。

昨年秋に大腸内視鏡検査を受けましたが大腸ポリープはなく異常なし。1年に一度行っている胆嚢ポリープの定期検査を4月に受けましたが、腹部全般をエコー検査してもらっても、胆嚢ポリープの拡大はみられず、その他所見なし。下痢と胆嚢ポリープには関係性はないだろうとのことでした。気休めに整腸剤を処方してもらうが効果なし。

下痢以外に症状はなかったのですが、5月26日会社での仕事中に腹にチクチクする痛みを感じ始めました。具体的な症状が初めて発症したのはこの日です。翌27日に消化器総合クリニックを受診。症状を伝えるも、その時点では病名はつかず、これまた別の整腸剤を処方してもらうが、案の定効果なし。その他気になることとしては、便に特有の臭いが継続的にあったことです。言葉では説明しにくいのですが、一種消毒液のような臭いと言えるでしょうか。術後、この臭いがなくなったので、虫垂の炎症に伴う臭いだったような気がします。

翌28日の日曜日午前は、まだ散髪に行く気力も体力もあったのですが、午後から痛みが継続的になります。それまでは仕事や別のことをするに際してもまだ無視できる程度の一時的な違和感だったのですが、ここに来て、仕事上無視できるレベルを超えていると感じるに至りました。それでも、一晩寝れば回復するだろうと期待してその日は寝ましたが、良化はせず。

入院1日目:
5月29日月曜は会社を休みました。さて、頭の中では、次の日から会社に行くためにはなんとか治さなければという気持ちが先立ちますが、でも寝ること以外に思いつかず・・・処方された整腸剤の処方薬局に電話で相談したら、「診てもらった先生に診てもらってください」と当然のお答え。良くならなければ次の日にクリニックに行こうと電話で予約を入れる(結果的にこの予約前に入院してしまうことになるのですが)。29日午後になるとさらに状況は悪化。我慢できないほどの痛みではないのですが、強烈な違和感で何をするにも集中力が持ちません。結果寝込むしかないのですが、悪化の進行度合いが徐々になので、朝と午後の点と点で比較すれば悪化していることが一目瞭然でも、思考能力が落ちた状態で徐々に変化する症状に対してそこまで悪くなっているということを認識できなくなっていました。夕方5時頃、流石にこれはダメだと悟り、地元の救急病院に電話し状況説明、「20,30分で伺います!」と伝え、家族の車で病院へ。

ここからがまた少し長くて今から思い出しても辛いのですが・・・。救急外来で、これまでの経緯を説明。電子カルテに必死に入力して下さる看護師さん。その後担当の先生にも同様に経緯説明。医師もひたすらパソコンにデータ入力。それさっき言いましたよという質問も多々。処置用ベッドに寝て、触診もあったのですが、この時点では決定的な痛みはなく、「緊急性は少ないですね」とのご診断。私、「?」。

でも、待ち時間の間にも益々辛くなってきたので、「では、血液検査と腹部CT検査を一応やっておきましょう」とのこと。誰もいない救急のロビーで、両検査を受ける為に結構待ちました。病院に到着してから、検査終了まで3時間くらい経っていたかも。ようやく検査が終わり、処置用ベッドに寝転がっていると、外科の先生が登場。CT検査と触診でようやく虫垂炎(いわゆる、盲腸)が原因であることが判明しました。「まだ歩けるので、重症でなければ抗生剤で治療できる可能性もあります。それとも手術をした方がよいかどうかは明日の朝判断しましょう。今日はこのまま入院してもらいます」との主治医のお言葉。(もし自力で歩けないレベルの痛みであれば、即、手術決定のようです)

「そうか、盲腸だったのか、それには気付かなかったなぁ」と思うと同時にやっとここ最近の不調の原因が分かり、少しスッキリしました。入院手続きの書類にサイン。入院用パジャマに着替えて、病棟看護師が車椅子で救急処置室まで迎えにきてくれました。病棟は、10階の1001号室。入院ベッドに横たわったのは、夜の10時前。とにかく早く痛み止めを打ってほしい状況でした。ようやく点滴が始まり一安心。

右下腹部を抑えると強烈な痛みを感じるのが典型的な虫垂炎の症状のようです。人によって違いはあるようですが、私は入院直前のこのタイミングになるまで下腹部を押しても痛みを感じることはなかったのです。その分、病名が確定するのが遅くなったのかもしれません。それとも、急性的に状況が悪化した(または、する直前の)そのベストタイミングを結果的に院内でうまくとらえることができて手遅れにならずに済んだのでしょうか。

入院初日の夜、ようやく痛み止め剤の恩恵を受けて、それなりに眠ることができました。すでに大きな手術を2度経験している自分としては、手術を受けることへの不安は一切ないので、根本的に治療できるなら今回も手術してもらいたいなぁと考えていました。

入院2日目(手術日):
翌朝早く、昨日虫垂炎の診断をしてくれた医師が状況を診に来てくれました。触診してやはり痛いことを再確認し、その後の外科医グループの打ち合わせで治療方針が手術に決定されたようです。執刀医してくれる担当医から手術説明を受けて、沢山の書類にサインした後は、午後一番に開始の手術を待つだけ。バイアスピリンを前日まで飲んでいたので、それがために手術が延期になってしまわないかとちょっと不安になり、またカルテに書いてあるはずの心臓手術の経緯や服薬状況を読み落とされていたら怖いので、バイアスピリンの服用が予定されている手術に影響を与えないかを一応聞いてみました。執刀医曰く、バイアスピリン程度の薬が与える血液のサラサラ度合と手術の必要性緊急性を天秤にかけたら、「結論=全く問題ない」そうです。不安なことは遠慮せずに聞いてみるものです。(本件、もしワーファリン服用者だと状況は違う可能性があります。)

バイアスピリン関連で気になったことを書いておくと、術後に気付いたのですが、点滴を打っている方の腕の肩部分に多少の痛みと内出血が発生していました。点滴とバイアスピリンの影響なのかどうかは分かりませんが、何かに肩をぶつけた訳ではないので、考えられる内出血の原因はバイアスピリン服用の影響くらいかなと。

ちなみに、今回の手術も剃毛も自分で行う必要なく、術後自分の身体を見ると、手術室で手術に邪魔な部分の剃毛がされてました。自分で剃毛しなくてよいのはある意味楽です。麻酔中なので恥ずかしくもないし。

12時45分に青の手術着に着替えて、病室担当の明るい性格の看護師さんと点滴の管をもってエレベーターで6階の手術室に歩いて向かいました。6階には9つの手術室があるそうです。4階にも手術室があるので、結構な数です。なので、手術室の受付で、患者の取り間違いがないように、入念に患者IDと口頭での本人確認をします。手術が終わって気付いたら、患者違いで違う部位の手術がされたいたということになっていたら洒落になりません。入室準備ができたら、病棟看護師さんに「行ってきます。またあとでよろしく」と伝えて、今度は手術室看護師の付き添いで、いざ手術室へ入室。手術室看護師2名と麻酔科医1名が在室。過去の心臓手術見学の経験もあり、もうそれ程には手術室自体に珍しさも感じず、さしたる緊張感はありません。言われるようにベットに寝転がり、管の確認、酸素マスク、そして、麻酔投入で、まず軽く頭がボーとなったら、入室後2,3分の間に意識は遠のいていました。その後は、剃毛、消毒、尿管挿入、機材のセッティング等されて、執刀医登場、手術が開始されたのだと想像します。手術記録のコピー画像なら手続きすれば前回の手術同様に頂けそうだけど、今回は積極的に欲しいという気持ちになっていません。

手術室のベットの上、無影灯の下で、名前を呼ばれて、目がぱっと覚めました。ほんと、一瞬でぱっと覚める感じ。麻酔科医さんお見事!外科医から「鍋島さん、手術が終わりましたよ」と声をかけられました。ドラマや映画のDVDのある時点からある時点までを飛ばして再生したような感じ。手術前と手術後の記憶はきれいにつながっています。入室、退室時に患者に意識を持たせることで、精神的混乱を起こすこと(ICUシンドロームなど)を回避させているのかなと思いました。腹腔鏡下の手術だけで開腹せずに済んだこと、虫垂だけの炎症でその周辺部は切除せずに済んだことを手術ベット上で執刀医から聞きました。あの痛かった下腹部の痛みが全く無くなっていました。麻酔しているから当然なのですが。とても体が楽になった感覚をその時には感じていました。今何時かと時刻を尋ねると、午後3時前とのこと。手術時間は約2時間だなと計算もできました。

意識ははっきり、そうすると、体が異常に寒くてぶるぶる震えていることに気づきました。手も冷たくなっています。手術室から入院病棟の病室まで搬送されているときに電気毛布(?)を掛けてくれたので、あらかじめ準備してあったようです。寒さは直ぐに治まりました。

午後3時に病棟ベッドに帰還。ここからはひたすら回復への道です。接続されているのは点滴と尿の管のみ(虫垂の周辺部に膿があるようなケースではドレーンが留置されることがあるようです)。足には血栓ができるのを避けるためのきついソックスとフットマッサージ器が24時間稼働。ベットの上から動けませんが、足や手を動かしたり、体の角度を変えることはそれなりにできました(これがでいないと段々体が辛くなります)。麻酔の影響なのか、比較的落ち着いて寝ることもできました。刻々と時間が経過。夜に、担当看護師さんに、「のどが渇いたので、氷を1個ください」とお願いしたのですが、消化器系手術後は水を飲むことは厳禁らしく、氷はもらえませんでした。心臓手術後の経験からは、氷なら当然もらえると思っていたので、ちょっとショック。ですが、気管内挿管はしていないので、我慢できないほどののどの渇きではなかったので我慢できました。点滴で栄養と水分が確保されているので飲まなくても大丈夫なようです。

入院3日目(手術翌日):
なんとか朝。同室に同じ虫垂炎の手術を受けたらしい高齢の患者さんがいる模様。残念ながら患者同士でコミュニケーションとる気力は全くありませんでした。そもそもコロナウイルスの影響もあるので、カーテンも閉めっぱなしだし、マスクもしていて、閉塞感が強いです。結果的に、同部屋の患者の中で、私が一番後にやってきて、一番最初に退院になったようです。他の患者さんは、他の持病との関連でもう少し入院期間が延びていたようです。あと、看護師さんが言っていたのですが、最近虫垂炎(盲腸)で手術にやってくる患者さんが多くなったそうです。ネットをみると盲腸はもともと10代や20代の若い人に多い疾患とか書かれていますが、今回見たのは皆さん私より高齢の方ばかり。虫垂炎患者が増えているのは、もしかして、ワクチン接種の後遺症だったりして?(私の勝手な推測です。)

朝7時。夜勤の男性看護師さんのサポートで、ベットから立ち上がる。ベットから起き上がるときの創の痛みが最初の難関ですが、心臓手術の胸骨正中切開に比べれば楽々です。あくまでも、比べたらですが。しかも、今回のベッドは、リクライニング付きだったのでかなり助かりました。一度立ち上がることができれば、もう全く問題ありません。一気に気分も晴れます。尿管をその場で抜いてもらいました。

手術翌日の午前中は体調は快適で、会社の上司にも「すぐに復帰できそうです」とLINEしました。実は、この時はまだ盲腸手術は案外楽勝だなと思っていました。これは、例の「術後の儀式」がやってくることを、このときはすっかり忘れていたからなのですが・・・

この一連のドタバタ続きの中で、月曜の昼に家でお粥を食べて以来、丸2日間絶飲絶食状態でした。お腹が空いてグーとなりっぱなし。お昼になり、ようやく食事再開です。こういう時の病院食は実に美味しいです。食材の味がしみじみと感じられます。意外に薄味じゃないなと思ったり。美味しいので、がつがつと完食。これが良くなかったかもしれません。その後、猛烈な満腹感。そして例の「術後の儀式」が始まりました。

「術後の儀式」と私が呼んでいるのは、手術を受けた後、あるタイミングで、発熱や倦怠感、ムカムカした気分がしばらく続くことです。医学的には麻酔の影響とか炎症反応から起こると説明されるようです。過去に受けた手術、そして仲間から聞いた体験の中でも、皆さんがこの経験をしているようなので、外科手術を受けたら、この儀式は恐らくやってくると思っておいてよいと思います。私の心臓手術の時は、術後4日目くらいだった気がします。微熱がでて頭がボーとしていましたが、それほど辛かった記憶はありません。鼠径ヘルニア手術の時は、午前中手術で、その日午後のHCU滞在中に頭がボーとして、強いムカムカ感があり結構きつかったです。そして、今回は、手術翌日の午後(術後約22時間後)にやってきました。典型的な症状である、頭がボーとする(熱っぽいけど測ると熱はありませんでした)、強いムカムカ感、それに2日振りに飲食したせいなのか満腹感が強すぎる感じが午後一杯続きました。途中執刀医がベットに顔を出してくれて、「明日退院予定ですけど、退院できそうですか?」と質問されましたが、「今のこの状態だと無理です」と伝えました。ですので、状況としては結構きつかったです。「今日はゆっくり回復に努めてください」とのお返事。毎度、結果的にはこの状態も約半日の辛抱なのですが。腹腔鏡下の手術であれば手術自体よりも、この「術後の儀式」の方が、正直辛いかもしれません。盲腸手術をなめてはいけないということです。

主治医や看護師に相談してもこの状態からの回復に有効な対策はないような気がします。基本的に自らの体力と時の経過で辛抱しきるしかないのかもしれません。ここからはこの「術後の儀式」についての個人的な精神論です。思うに、この儀式は、手術という外部からの侵襲作用によって施された治療を、元々の自分の身体が受け入れるかどうか、その裁判なのか調停なのか協議なのかは分かりませんが、それが体内で白熱して行われている状態であって、「はい、分かりました。今回の治療を受けれましょう」という風に自身の身体が治療結果を受け入れるという合意が成立してはじめて治まるのではないかと思っています。基本的に受け入れてくれることにはじめから決まってはいる(出来レース)ようですが。なので、儀式自体は、決して悪い事ではなく、ちゃんと身体が身体自身で考えて自分のために行動してくれているんだなと感謝すべきことなのかもしれません。こんな抽象的なことを空想している間に、今回は夜7時頃にはなんとか儀式が終わり、体が一気に楽になりました。そうすると他に合併症がなければ退院が見えてきます。夜は最後の抗生剤の点滴を終えたあと、点滴の針を抜いてもらい、久しぶりに自由な体系でぐっすり寝ることができました。

入院4日目(退院日):
毎朝9時頃、外科部門の医師の回診があります。患者一人ずつに言葉を交わされるのですが、私の執刀医の回診は、患者の名前を呼んで、端的に大きな声でポイントを説明してくれて好印象かつカッコよかったです。執刀医から「退院後の僕の外来予約を入れておきますから絶対来てくださいね」と2回も言われたのですが、案外行かない人が多いのか?執刀医にとって、手術した患者が元気になった顔を見せてくれることは何より嬉しいことだと想像できます。なので、私は「必ず行きます!」と即返事。

腹腔鏡下の手術は痛みの面での心配は全く必要ありません。現代の外科手術は痛みはフルコントロールされており、外科手術全般で痛みで苦しむことはあまりないと思います。心臓手術でもそうでした。さらに切開面の小さい腹腔鏡での手術は本当に患者の負担は小さいと実感しました。外科手術の痛みについての私見は、10~30代くらいの若い人にとっては、とは言っても痛いらしい。40歳過ぎれば大丈夫。なぜなら、歳をとると、痛いという感覚を体の部位が脳に信号として伝える必要性がそれまでの人生で得た経験則的に薄らぎ、どうせ受け入れるしかない結論が認知されているのだとしたら、痛いという信号を脳に伝達するような無駄な作業は最初から必要なしと身体が本能的にコントロールしているのではないかと思うからです。(あくまでも私見です!) 70代、80代の高齢者は心臓手術で胸骨正中切開しても全然痛み感じていないようですから。あと、3,30代の若い女性にも胸骨正中切開したにもかかわらず、入院中から痛みを全く感じていない方がいらっしゃいました。結局、人によるようです。(その後、仲間と会話しているときに、若い人は胸部に筋肉が多く、その筋肉が左右に引っ張られることで痛みが発生するという話を聞きました。であれば、年をとっても体を鍛えて筋肉モリモリだったら痛いのかもしれません。)

あと気付いたことは、病棟に若い看護師さんが多かったことです。これは実は自分が単に年を取っただけのことなのですね。自分の娘くらいの方々がプロフェッショナルな仕事をされていて尊敬します。あと、男性看護師も10年くらい前に比べると、この病院に限らず見かけるようになりました。

病棟は換気のために窓が開けてあるらしく、10階ですが、近くを走る鉄道の音が良く聞こえます。朝5時くらいになると始発電車が走り始めるので、大体の時刻が時計を見なくても掴めます。この時期、日が明けるのが早いので外はもう明るそうです。予定通りに退院が決定。

最後にデールームからの川崎の街並みの景色を眺めて、朝10時に退院しました。

今回この記事を書くに当たり2012年に同じ川崎幸病院で鼠径ヘルニア手術を受けた時の記事を読み返していたら、その時も同じ10階病棟でした。その時はHCU、今回は一般病棟です。最後に10階のデールームを見ているのも同じですがデールームは別の場所のでした。

3泊4日の入院、腹腔鏡下の虫垂切除術の支払額は、3割患者負担で148,390円でした。(ここから、加入している健保組合の付加給付を受けられるので、実質自己負担額は、約3万8千円になります。かけている生命保険の手術給付金が5万円降りると思うのですが、診断書作成に7,700円かかり、最終結果は、ほぼ自己負担ゼロ。)

なんとか準緊急手術を経て今こうして体験記をかけるくらい元気になりましたが、もし発症したのが旅行中や出張中であったり、若しくは痛みを我慢し続けて病院に行くのが遅れていたらもっと大変なことになっていたかもしれません。体に異常を感じたら早めに医療機関にかかることは、本当に大事です。心臓についても、心臓手術後も完璧な定期メンテナンス(検査と診察)を経て、服薬と運動でコントロールしていたからこそ、心臓に全く負荷をかけることなく今回の消化器系の治療に専念することができたのだと思います。

術後11日目に予約されている執刀医の外来に、元気に回復した状況報告をすることが楽しみです。

追記(6月10日):
術後、1週間くらいまでは、下腹部全般的に、チクチクするような痛みがまだ残っていましたが、その後、痛みは全く消えてしまいました。そして、予定通り、退院9日目に術後のフォローアップ外来に行ってきました。検査は採血だけでした。診察予約時間よりかなり早めに行ったのですが、順番を繰り上げてもらえる訳ではなく(他の患者さんが多かったので)、予約時間ごろまで待ち続けました。外来の結果は、全く問題なし。これにて今回の治療は終了とのことです。今回腹腔鏡手術を受けてしまったので、将来受けることになるかもしれない胆嚢摘出術の際に、癒着が原因で腹腔鏡で手術ができないのではないかと不安が沸いてきてので質問してみたところ、次回の手術も腹腔鏡で手術できるとのことでした。

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プロフィール

Author: カムバックハート

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カムバックハートこと、鍋島と申します。神奈川県川崎市在住の55歳男性。

2008年12月に40歳で心臓の僧帽弁形成手術を受けて、第二の人生をスタートさせることができました。

南淵先生と私

南淵先生と私(術後の初外来にて)


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但し、私は医者やカウンセラーではないので医学的なご質問にはお答えできません。初めて連絡下さる方は簡単なプロフィールをお願い致します。

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このブログは、私が心臓弁膜症の僧帽弁閉鎖不全症という病気に診断されたところから、入院、手術、退院、その後の生活という流れで時系列に記載しています。手術を受けた時の描写は2008年12月の状況ですので、その後の医学の進歩で内容的に古くなっている部分があるかもしれません。実際の患者にしか分からない心理的な面の記述をできるだけ表現したつもりです。最初から読まれる場合は、「★はじまり ~こちらからご覧下さい~

(元)心臓病仲間のアンケートを企画・回答集計しました(2018年秋)。これから心臓手術を受ける方にはとても参考になるデータだと思います。アンケート集計結果はこちらの記事へ

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南淵明宏先生の公式サイトにある「勇患列伝」 その7に出てくる「平松」とは私のことです。

yomiDr.のサイトにある世相にメス 心臓外科医・南淵明宏ブログ にこのブログのことを書いて頂きました。こちらの記事には第三回(元)心臓病仲間の集まりについて書いて頂きました。
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