考心会の紙上総会 / 徳田先生の医療講座 AVANTY TOKUチャンネル
5月に開催が予定されていた考心会(心臓病患者の生活を考える会)の総会は、新型コロナウィルスの影響で、会場での開催は中止となりました。知りませんでしたが、2009年の新型インフルエンザ流行の際にも通常開催を行わず紙上総会をされたことがあったので紙上開催は今回2回目であったとのこと。ということなので、会の事業計画と収支予算案の承認については書面で実施され、その結果と、南淵先生の長文の寄稿や会員の皆さんの近況が載った考心会の会報が郵送で届きました。考心会の楽しみの一つは、総会や講演会での南淵先生や心臓に関わる先生のお話を聴くことです。今回も紙面で南淵先生のお話を読むことができたので満足しています。テーマはやはり昨今のコロナウィルスのこと。南淵先生の豊かな知識がちりばめられていて、「先生、よくこんな詳しく色々なこと知っているなぁ」と、いつものごとく感心させられます。
秋の開催は実現できるのでしょうか。今の状況だと微妙なところだと思います。
私の方が開催している(元)心臓病仲間の集まりも、残念ながらまだ開催できるという状況ではないですね。でも、秋以降は集まりでなくても、何かしら仲間の交流を図る企画ができればなぁと考えています。
話題を替えまして、
心臓リハビリの専門家である徳田先生のYouTubeの動画による「医療講座 AVANTY TOKUチャンネル」は、患者向けの内容の回もあったりして、益々興味深いものになってきました!
先月は、南淵先生のインタビューが2回に分けてありました。脱線が多い会話ですが、そこに南淵先生の人柄が伝わってきます。
【心臓外科医 南淵先生と対談①]
【心臓手術を迷われている方、若手医療スタッフ必見!】 心臓外科医 南淵先生と対談②
そして、最新3部作は、南淵先生をボスとされている中川先生のインタビューです。大和成和病院の門をたたかれた時の経緯や、その後のウィーンの病院への留学の時の様子、そして、最近の低侵襲の心臓手術についてのお考えなど、観ている時間を忘れるくらい引き込まれる内容でした。インタビューの最後の方では、生体弁の劣化などで今後心臓の再手術を受ける可能性のある患者さんのことについても話題にされていました。我々(元)心臓病患者としても、中川先生のようなこれから第一線を突っ走って行かれるような先生を今からマークしておくのはお勧めだと思います。(先日の新横浜ハートクリニックのオンライン診察は中川先生に担当して頂きました。)
インタビューの様子はこちらです。
[対談!若手心臓外科医トップクラス 中川博文先生] TeamNABUCHIとの出会い
[対談!心臓外科医 中川博文先生] 留学のススメ!
[対談! 心臓外科医 中川博文先生] 低侵襲心臓手術と今後の展望について

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秋の開催は実現できるのでしょうか。今の状況だと微妙なところだと思います。
私の方が開催している(元)心臓病仲間の集まりも、残念ながらまだ開催できるという状況ではないですね。でも、秋以降は集まりでなくても、何かしら仲間の交流を図る企画ができればなぁと考えています。
話題を替えまして、
心臓リハビリの専門家である徳田先生のYouTubeの動画による「医療講座 AVANTY TOKUチャンネル」は、患者向けの内容の回もあったりして、益々興味深いものになってきました!
先月は、南淵先生のインタビューが2回に分けてありました。脱線が多い会話ですが、そこに南淵先生の人柄が伝わってきます。
【心臓外科医 南淵先生と対談①]
【心臓手術を迷われている方、若手医療スタッフ必見!】 心臓外科医 南淵先生と対談②
そして、最新3部作は、南淵先生をボスとされている中川先生のインタビューです。大和成和病院の門をたたかれた時の経緯や、その後のウィーンの病院への留学の時の様子、そして、最近の低侵襲の心臓手術についてのお考えなど、観ている時間を忘れるくらい引き込まれる内容でした。インタビューの最後の方では、生体弁の劣化などで今後心臓の再手術を受ける可能性のある患者さんのことについても話題にされていました。我々(元)心臓病患者としても、中川先生のようなこれから第一線を突っ走って行かれるような先生を今からマークしておくのはお勧めだと思います。(先日の新横浜ハートクリニックのオンライン診察は中川先生に担当して頂きました。)
インタビューの様子はこちらです。
[対談!若手心臓外科医トップクラス 中川博文先生] TeamNABUCHIとの出会い
[対談!心臓外科医 中川博文先生] 留学のススメ!
[対談! 心臓外科医 中川博文先生] 低侵襲心臓手術と今後の展望について

令和元年の考心会 & ミニ集まり(第十九回(元)心臓病仲間の集まり)
5月5日(日)快晴、令和元年の考心会@相模大野に参加してきました。年2回開催される考心会ですが、ここ数回都合がつかず欠席していました。久しぶりに会場に足を踏み入れて会費を払い座席に着こうとすると、「お久しぶりです」と考心会幹事の方々から声をかけてもらいました。平成26年(2014年)5月の考心会で「心臓病仲間の集まり」という題目で10分間程檀上から会員の皆様にお話しをさせて頂いたことがあります。(その時の記事はこちらです)その為か考心会幹事の方々に私の顔を覚えられているようです。
今回の考心会の内容は下記の通りでした。
第一部 総会
第二部 ①浦部昌博先生(大和成和病院循環器内科)
「大動脈弁狭窄症に対するカテーテル治療について」
②南淵明宏先生の近況報告
大和成和病院の浦部先生のお話は、最近国内でも扱われるようになってきた、カテーテルで人工弁を植え付けるTAVIという治療法の最新事情について。国内には推定100万人くらいの大動脈弁疾患の患者がいるそうです。ですが、昨年実際に心臓手術を受けたのはその内約1%程の1万3千人。そもそも大動脈弁の病気に罹患していることに気付いていないケースや、手術適応未満で経過観察中、また、年齢・体力やその他の病気などの影響であえて手術をしない選択をしている場合があると考えられるとのこと。そのようなこれまで手術することができなかった症例に対して、TAVIという新しい方法が登場したことによって弁膜症の治療法に選択肢が増えた。2013年10月に国内でも認可されてYAVIによる弁膜症手術が開始されたそうです。一般的な開胸手術をできないリスクが高めの患者さんに対して、手術しないよりした方が良いという場合に使われることが多いようです。TAVIの場合は、生体弁を埋め込むことになるのですが、当初の第一世代から、第二世代の人工弁へと耐久性その他が進化しているようです。参考までに大和成和病院における2018年3月~2019年4月までのTAVI実施件数は36件、平均年齢85歳で術後30日生存率は100%だそうです。最近発表された海外の論文によると、TAVIと外科手術を比較した場合、術後12カ月の死亡率、脳梗塞発症率、再入院率はいずれもTAVIの方が少ないという結果が全世界288の症例の統計から得られたそうです。
(カムバックハートのコメント: 開胸による一般的な弁置換手術は、全世界で長年に渡る豊富な症例数と経過実績があり、現在最も安定した治療法だと考えられています。TAVIは海外を含めてもまだ10年に満たない経過実績しかありません。症例数も爆発的に増加している訳ではないようです。なので、我々患者としては新しくて良さそうだからという印象だけでTAVI治療を絶対視するのではなく、あくまでも、再手術時における有効利用を含めて弁膜症治療の選択肢が増えたのだと理解し、今後の医療の発展展開を観察していくことが大事かと思います。)
引き続き、南淵先生の近況報告。いつもながら、先生の持たれている医療以外の多方面への興味関心、豊富な話題と知識に圧倒されます。今回は、患者がどういう視点や気持ちで医者を選ぶのか、心霊のお話、ロシアの歴史のお話などなど。また、近いうちに南淵先生の著書が2冊発行されるようです。一冊は「病院で起こった不思議な出来事(死者は語る)」。もう一冊は、「医学部に来なさい!」という本です。
今回の考心会も大変勉強になりました。普段の生活で当たり前すぎて忘れがちな心臓のことを改めて愛でさせてくれる機会でもあります。考心会会員の方には、講演の内容をテープ起こしして活字にした冊子(A4/32頁)が自宅に郵送されてきます。会場に参加できず講演を直接聞くことができなくても、後日、一字一句書き起こされた冊子を読むことができるのはありがたいです。考心会(心臓病患者の生活を考える会)は、術前術後を問わず、受診した病院や医者も問いません。講演会には患者本人とご家族も一緒に参加可能です。年会費4千円ですが、その価値のある貴重な会だと思います。興味のある方は、是非参加をご検討ください。参加方法は、下記ホームページを参照頂くか、もしホームページを見てもよく分からないという方は、カムバックハートこと鍋島までご連絡頂ければ考心会幹事の方にお取り付きさせて頂きます。
考心会ホームページ: http://www.koushinkai.net/

考心会開催案内と式次第

左上 考心会会場入り口の案内板
左下 考心会会長の山本さんのお話
右上 南淵先生の講演
右下 浦部先生の講演スライド表紙

病院では緊張したり、時間を気にして先生とゆっくりお話できないという方も多いと思います。病院だと医者対患者という1対1の立場になってしまう訳ですが、考心会に来れば、南淵先生や深津さんと患者仲間という複数の間柄で気さくにお話ができますよ。もちろん南淵先生以外の先生の患者さんでも問題ないです。この写真に写っている仲間には倉田先生や藤崎先生の患者さんが含まれています。我々のような現役世代の会員の数ももっと沢山増えるとより盛り上がって楽しいと思います。

予告していたプチ飲み会(第十九回(元)心臓病仲間の集まり)を町田で開催。
1次会は、黒鉄さん、オサミンさん、しまよんと私。
2次会と3次会は、シメノさん、オサミンさん、しまよんと私。ココさんにはLINEのビデオ通話でオンライン参加してもらいました。
昨年は例年開催していた横浜での会場を借りての(元)心臓病仲間の集まりは開催していなかったのですが、久しぶりに横浜で開催してみようかと思い立ちました。茶室風の会場での歓談、中華街での2次会、そして3次会の雰囲気あるバーという、いつもの流れが懐かしく感じられてきた次第です。6月後半か7月頃、次回の(元)心臓病仲間の集まりを開催しますので、奮って参加下さい。詳細が決まりましたら、当ブログで案内いたします。
尚、(元)心臓病仲間の集まりに参加するには、術前術後、受診した病院や医者、年齢性別は問いません。心臓病仲間を作りたい方はどなたも大歓迎です。(南淵先生の患者の会と勘違いされている方もいるかもしれませんが、そうではありません。全国の様々な医者や病院の(元)患者が集まっています。)
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今回の考心会の内容は下記の通りでした。
第一部 総会
第二部 ①浦部昌博先生(大和成和病院循環器内科)
「大動脈弁狭窄症に対するカテーテル治療について」
②南淵明宏先生の近況報告
大和成和病院の浦部先生のお話は、最近国内でも扱われるようになってきた、カテーテルで人工弁を植え付けるTAVIという治療法の最新事情について。国内には推定100万人くらいの大動脈弁疾患の患者がいるそうです。ですが、昨年実際に心臓手術を受けたのはその内約1%程の1万3千人。そもそも大動脈弁の病気に罹患していることに気付いていないケースや、手術適応未満で経過観察中、また、年齢・体力やその他の病気などの影響であえて手術をしない選択をしている場合があると考えられるとのこと。そのようなこれまで手術することができなかった症例に対して、TAVIという新しい方法が登場したことによって弁膜症の治療法に選択肢が増えた。2013年10月に国内でも認可されてYAVIによる弁膜症手術が開始されたそうです。一般的な開胸手術をできないリスクが高めの患者さんに対して、手術しないよりした方が良いという場合に使われることが多いようです。TAVIの場合は、生体弁を埋め込むことになるのですが、当初の第一世代から、第二世代の人工弁へと耐久性その他が進化しているようです。参考までに大和成和病院における2018年3月~2019年4月までのTAVI実施件数は36件、平均年齢85歳で術後30日生存率は100%だそうです。最近発表された海外の論文によると、TAVIと外科手術を比較した場合、術後12カ月の死亡率、脳梗塞発症率、再入院率はいずれもTAVIの方が少ないという結果が全世界288の症例の統計から得られたそうです。
(カムバックハートのコメント: 開胸による一般的な弁置換手術は、全世界で長年に渡る豊富な症例数と経過実績があり、現在最も安定した治療法だと考えられています。TAVIは海外を含めてもまだ10年に満たない経過実績しかありません。症例数も爆発的に増加している訳ではないようです。なので、我々患者としては新しくて良さそうだからという印象だけでTAVI治療を絶対視するのではなく、あくまでも、再手術時における有効利用を含めて弁膜症治療の選択肢が増えたのだと理解し、今後の医療の発展展開を観察していくことが大事かと思います。)
引き続き、南淵先生の近況報告。いつもながら、先生の持たれている医療以外の多方面への興味関心、豊富な話題と知識に圧倒されます。今回は、患者がどういう視点や気持ちで医者を選ぶのか、心霊のお話、ロシアの歴史のお話などなど。また、近いうちに南淵先生の著書が2冊発行されるようです。一冊は「病院で起こった不思議な出来事(死者は語る)」。もう一冊は、「医学部に来なさい!」という本です。
今回の考心会も大変勉強になりました。普段の生活で当たり前すぎて忘れがちな心臓のことを改めて愛でさせてくれる機会でもあります。考心会会員の方には、講演の内容をテープ起こしして活字にした冊子(A4/32頁)が自宅に郵送されてきます。会場に参加できず講演を直接聞くことができなくても、後日、一字一句書き起こされた冊子を読むことができるのはありがたいです。考心会(心臓病患者の生活を考える会)は、術前術後を問わず、受診した病院や医者も問いません。講演会には患者本人とご家族も一緒に参加可能です。年会費4千円ですが、その価値のある貴重な会だと思います。興味のある方は、是非参加をご検討ください。参加方法は、下記ホームページを参照頂くか、もしホームページを見てもよく分からないという方は、カムバックハートこと鍋島までご連絡頂ければ考心会幹事の方にお取り付きさせて頂きます。
考心会ホームページ: http://www.koushinkai.net/

考心会開催案内と式次第

左上 考心会会場入り口の案内板
左下 考心会会長の山本さんのお話
右上 南淵先生の講演
右下 浦部先生の講演スライド表紙

病院では緊張したり、時間を気にして先生とゆっくりお話できないという方も多いと思います。病院だと医者対患者という1対1の立場になってしまう訳ですが、考心会に来れば、南淵先生や深津さんと患者仲間という複数の間柄で気さくにお話ができますよ。もちろん南淵先生以外の先生の患者さんでも問題ないです。この写真に写っている仲間には倉田先生や藤崎先生の患者さんが含まれています。我々のような現役世代の会員の数ももっと沢山増えるとより盛り上がって楽しいと思います。

予告していたプチ飲み会(第十九回(元)心臓病仲間の集まり)を町田で開催。
1次会は、黒鉄さん、オサミンさん、しまよんと私。
2次会と3次会は、シメノさん、オサミンさん、しまよんと私。ココさんにはLINEのビデオ通話でオンライン参加してもらいました。
昨年は例年開催していた横浜での会場を借りての(元)心臓病仲間の集まりは開催していなかったのですが、久しぶりに横浜で開催してみようかと思い立ちました。茶室風の会場での歓談、中華街での2次会、そして3次会の雰囲気あるバーという、いつもの流れが懐かしく感じられてきた次第です。6月後半か7月頃、次回の(元)心臓病仲間の集まりを開催しますので、奮って参加下さい。詳細が決まりましたら、当ブログで案内いたします。
尚、(元)心臓病仲間の集まりに参加するには、術前術後、受診した病院や医者、年齢性別は問いません。心臓病仲間を作りたい方はどなたも大歓迎です。(南淵先生の患者の会と勘違いされている方もいるかもしれませんが、そうではありません。全国の様々な医者や病院の(元)患者が集まっています。)
平成29年度 考心会 総会&講演会
本日は、考心会。TTおじさん、Oさん、黒鉄さん参加。(深津さんのコメント:「今日は女性陣の出席が少ないねぇ~」)
南淵先生の講演:
■患者の不安の話。患者が必要もない薬を処方してもらって結果的に安心感を得ている状況が、無駄な医療費を増大させている。医者が患者への説明責任を避けて、薬を出しておけば黙って安心するからという医者側の心理も課題だとBSのテレビ番組で言いたかったそうだが時間切れで発言しきれなかったとか。
■7月に新横浜駅隣接の新横浜ハートクリニックがオープン予定。そこで、毎週日曜日に南淵先生が新たに外来検査・診察を始める予定とのこと。現在の昭和大学、稲波脊椎関節病院、南町田病院での外来では増え続ける術後患者のフォローがパンクしてきているそうだ。日曜に新たに外来診察の時間を作ることで引き続き術後患者のフォローもこなされていくとのこと。循環器内科の宮山友明先生が院長で、内科と外科が密接に連携したクリニックになるそうです。また、心臓リハビリの徳田先生もそこを拠点に活動されるようです。
■心臓手術はタイミングと気運が大事というお話。
■南淵先生自身の健康のお話。
■深津さんの近況報告。
大和成和病院の関宏先生の講演:
■7年間お仕事されたドイツの心臓病センターでのご経験を交えて、日本とドイツの心臓手術の違いを説明された。
■日本は約1億3千万の人口に対して年間の心臓手術件数が約55,000件、心臓手術を行える施設の数が540。ドイツは、約8千万の人口に対して年間10万件の心臓手術、施設の数は78しかない。施設当たりの手術件数を計算してみれば分かるが、ドイツは集約的に患者を扱うが故に仕事は分業的。エビデンスに基づいた判断で治療が行われる。関先生の所属されていた病院は年間3,500件の心臓手術を実施。外科要員は90人とのこと。
■ドイツ人の医者が不足。心臓外科医の世界も、世界中からやってきた外国人医師達。
■人工心肺を使わないオフポンプのバイパス手術は、日本ではバイパス手術の約6割であるのに対して、ドイツは10~15%。オフポンプの比率は日本が圧倒的に高い。バイパス手術での死亡率は日本が1%台なのに対して、ドイツは2.8~2.9%.。
■ドイツの大動脈弁置換術では、かつて機械弁と生体弁が半々くらいの比率で使われていたが、ここ数年は生体弁が植え込まれることがほとんど(9割9分以上?)とのこと。その理由には、生体弁の質が良くなり耐久性が増してきたことと、TAVIと呼ばれる経カテーテル手術の件数が増加しているため。
■胸骨の切開の仕方も、従来の正中切開以外に、MICS(低侵襲・小切開の心臓手術)や胸骨の部分切開(L字型、T字型など)など創を小さくする手術が増えてきている。しかし、肋骨に力を入れて隙間を作って手術すると、長く大きく切る正中切開よりも術後の痛みは大きいとか。
■劣化して古くなった生体弁の中に、新しい生体弁をTAVIの手法で植えつける手法の開発も医療メーカーで進められている。
■TAVIにより、これまでの心臓手術のやり方ではでリスクが高すぎる患者に対して心臓手術を実施できるようになった。しかし、長期成績は今後判断される。(どんな患者でもTAVIで心臓手術すればよいというものではない)
■僧帽弁の手術もMICS(低侵襲・小切開の心臓手術)がドイツでは多くなってきた。その理由に一つに、ドイツ人の身体は体格が良く大きいため、通常の正中切開よりも脇腹の上あたりからアクセスするMICSの方がかえって術野が良好なことがあるとのこと。
■閉鎖不全となった僧帽弁を、クリップを用いて前尖と後尖がうまくしまるようにする器具も開発されているそうだ。
■心臓移植は、現在、年間300件程(件数は減ってきている)。待機者より移植を受けることができる患者の数の方が圧倒的に少ない。しかも、移植後の成績が必ずしも良いわけではないらしい。よって、補助心臓の開発が急速に進められていて、この10年の間にも機器の携帯化による患者のQOLの向上は飛躍的に進んだようだ。
創立21年目の考心会。これまでは、「心臓手術後の生活を考える会」でしたが、今後は、「心臓病患者の生活を考える会」と会の名称を変更し、術後患者以外にも心臓病に関わる方全般に対象を拡大するとのこと。もちろん、これまで通り、参加資格に、手術を受けた病院や執刀医は関係ありません。年二回の講演会と、その内容を書き起こした冊子の配布等があって年会費4千円です。興味のある方は是非考心会にお問い合わせ頂ければと思います。このブログ仲間の参加がもっと増えれば、講演会後に軽く集まりもできるかと思います。
考心会ホームページ http://www.koushinkai.net/
考心会連絡先メールアドレス:exam@koushinkai.net
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南淵先生の講演:
■患者の不安の話。患者が必要もない薬を処方してもらって結果的に安心感を得ている状況が、無駄な医療費を増大させている。医者が患者への説明責任を避けて、薬を出しておけば黙って安心するからという医者側の心理も課題だとBSのテレビ番組で言いたかったそうだが時間切れで発言しきれなかったとか。
■7月に新横浜駅隣接の新横浜ハートクリニックがオープン予定。そこで、毎週日曜日に南淵先生が新たに外来検査・診察を始める予定とのこと。現在の昭和大学、稲波脊椎関節病院、南町田病院での外来では増え続ける術後患者のフォローがパンクしてきているそうだ。日曜に新たに外来診察の時間を作ることで引き続き術後患者のフォローもこなされていくとのこと。循環器内科の宮山友明先生が院長で、内科と外科が密接に連携したクリニックになるそうです。また、心臓リハビリの徳田先生もそこを拠点に活動されるようです。
■心臓手術はタイミングと気運が大事というお話。
■南淵先生自身の健康のお話。
■深津さんの近況報告。
大和成和病院の関宏先生の講演:
■7年間お仕事されたドイツの心臓病センターでのご経験を交えて、日本とドイツの心臓手術の違いを説明された。
■日本は約1億3千万の人口に対して年間の心臓手術件数が約55,000件、心臓手術を行える施設の数が540。ドイツは、約8千万の人口に対して年間10万件の心臓手術、施設の数は78しかない。施設当たりの手術件数を計算してみれば分かるが、ドイツは集約的に患者を扱うが故に仕事は分業的。エビデンスに基づいた判断で治療が行われる。関先生の所属されていた病院は年間3,500件の心臓手術を実施。外科要員は90人とのこと。
■ドイツ人の医者が不足。心臓外科医の世界も、世界中からやってきた外国人医師達。
■人工心肺を使わないオフポンプのバイパス手術は、日本ではバイパス手術の約6割であるのに対して、ドイツは10~15%。オフポンプの比率は日本が圧倒的に高い。バイパス手術での死亡率は日本が1%台なのに対して、ドイツは2.8~2.9%.。
■ドイツの大動脈弁置換術では、かつて機械弁と生体弁が半々くらいの比率で使われていたが、ここ数年は生体弁が植え込まれることがほとんど(9割9分以上?)とのこと。その理由には、生体弁の質が良くなり耐久性が増してきたことと、TAVIと呼ばれる経カテーテル手術の件数が増加しているため。
■胸骨の切開の仕方も、従来の正中切開以外に、MICS(低侵襲・小切開の心臓手術)や胸骨の部分切開(L字型、T字型など)など創を小さくする手術が増えてきている。しかし、肋骨に力を入れて隙間を作って手術すると、長く大きく切る正中切開よりも術後の痛みは大きいとか。
■劣化して古くなった生体弁の中に、新しい生体弁をTAVIの手法で植えつける手法の開発も医療メーカーで進められている。
■TAVIにより、これまでの心臓手術のやり方ではでリスクが高すぎる患者に対して心臓手術を実施できるようになった。しかし、長期成績は今後判断される。(どんな患者でもTAVIで心臓手術すればよいというものではない)
■僧帽弁の手術もMICS(低侵襲・小切開の心臓手術)がドイツでは多くなってきた。その理由に一つに、ドイツ人の身体は体格が良く大きいため、通常の正中切開よりも脇腹の上あたりからアクセスするMICSの方がかえって術野が良好なことがあるとのこと。
■閉鎖不全となった僧帽弁を、クリップを用いて前尖と後尖がうまくしまるようにする器具も開発されているそうだ。
■心臓移植は、現在、年間300件程(件数は減ってきている)。待機者より移植を受けることができる患者の数の方が圧倒的に少ない。しかも、移植後の成績が必ずしも良いわけではないらしい。よって、補助心臓の開発が急速に進められていて、この10年の間にも機器の携帯化による患者のQOLの向上は飛躍的に進んだようだ。
創立21年目の考心会。これまでは、「心臓手術後の生活を考える会」でしたが、今後は、「心臓病患者の生活を考える会」と会の名称を変更し、術後患者以外にも心臓病に関わる方全般に対象を拡大するとのこと。もちろん、これまで通り、参加資格に、手術を受けた病院や執刀医は関係ありません。年二回の講演会と、その内容を書き起こした冊子の配布等があって年会費4千円です。興味のある方は是非考心会にお問い合わせ頂ければと思います。このブログ仲間の参加がもっと増えれば、講演会後に軽く集まりもできるかと思います。
考心会ホームページ http://www.koushinkai.net/
考心会連絡先メールアドレス:exam@koushinkai.net
考心会 創立20周年記念講演会・演奏会
考心会は創立20周年になるとのこと。私が手術を受けたのは約8年前だが、実は考心会に参加しはじめたのはそれから2年ほど経ってから。(今となっては術後直ぐに参加すればよかったと思っている。) その後約6年間、ほぼ毎回参加を続けている。

考心会設立20周年を記念して発行された「心臓病との闘い3 よりよく生きるための患者力」が出版された。
第一章 私の患者力(患者9名)
第二章 私の養生訓(患者5名)
第三章 心臓病は私の人生を変えた(患者12名)
第四章 特別寄稿(南淵先生、山中先生、藤崎先生、畝先生、米田先生、徳田先生、深津さん)
私も第三章に「心臓手術が私に与えてくれた人生の変化の数々」と題して、8頁程の拙文を書かせて頂いた。このブログや集まりのことなど、いつもの内容だが、こうして印刷物になってできあがってくるとちょっと嬉しいものです。表紙の裏に、記念に南淵先生のサインを診断書以外では初めて書いて頂いた。
書籍を購入ご希望の方は考心会までお問い合わせ下さい。
考心会ホームページ http://www.koushinkai.net/
考心会連絡先メールアドレス:exam@koushinkai.net
盛り沢山な内容のため講演開始がいつもより30分早い。まずは、山本会長のお話からスタート。
そして、いつもなら南淵先生だが順番を入れ替えて大和成和病院長の倉田先生のお話。倉田先生は、33歳の時から現在53歳までの20年間、大和成和病院で心臓外科医を続けておられる。最近の大和成和病院の活動の状況や、今後の体制拡充に向けての準備状況などを語られていた。現在、大和成和病院にはカテーテル室は2室、手術室は3室あり、24時間救急対応できるように設備を整備されている。それに対応する医者や看護師の教育や体制作りも着々と勧められているとのこと。より患者に寄り添っていくという方針の元、例えば、患者の希望することに自分の病院で対応できなくても、どこに行けば必要とする情報を得られるか、情報提供することだけでも重要だと考えていますとのこと。また、患者の声を聴くことは病院の改善に重要なので、意見箱などを利用して是非声を聴かせて下さいとのこと。

大和成和病院の倉田先生
次に、昭和大学横浜北部病院教授の南淵先生のお話。「考心会で患者の皆さんの顔を見て僕が元気をもらいます」といつものセリフで開始。今朝まで札幌、その前は、会津若松、そしてその前は沖縄。全国を飛び回ってのお仕事。今日の医療制度の変化に触れて、倉田先生同様に、手術をやったら終わりではなくて、手術の後にその患者がどうなるのかを診続けるのを重視しているとのこと。その為にも外来診察をとても大事にされている。(なので、私も術後何年も南淵先生の外来に通い続けています。)また、南淵先生が大和成和病院にいらっしゃった時期、外来時間が増えてきた倉田先生と話したとき、倉田先生は、「僕から外来を取ったら何も残りませんよ」と仰ったとのこと。倉田先生の手術を受けた仲間も外来で定期的に倉田先生に会わることを楽しみにされている。

南淵先生
南淵先生ご出演のTV番組のご案内。来月放映です。研修医3名と南淵先生のやりとり?ゲスト(武田鉄矢さん,秋野暢子さん)も楽しみです。この番組、なんと6月から撮影準備を着々と進めていたとのことです。中川先生も出られるようです。皆さん、お見逃しなく。
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11月16日(水) NHK総合 午後10時25分~午後11時15分 「ドクターG」
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ドクターG
その後、深津さんが檀上に上がり、民間病院から大学病院に移られても変わらず患者目線の医療の取り組みを続けていますとのお話。
休憩を挟んで、今年1月まで東京大学医学部附属病院救急部・集中治療部に勤務されていた東大名誉教授の矢作(やはぎ)直樹先生のお話。「我が国のかたち」と題して、これまで36年間医療を続けてこられたが、良い結果でも残念ながら悪い結果になったとしても、ここで診てもらえて本当によかったと患者や家族から思ってもらえるかどうかが大事である。医療は進歩しているのに、患者や家族の満足度は下がってきているのではないかとのご感想。寿命を受け入れることができない患者や家族もいて、そういう方は取り乱すことが多い。そこから、お話はこの日本の成り立ちや神を信じる手段(宗教)をあえて必要としない日本の特異性や、天皇のお話などへ展開。東日本大震災直後、3月16日の天皇陛下のお言葉と米軍の援助活動、震災の現場近くのタクシー運転手が乗せた客がいわゆる幽霊であった実話、霊性や能の夢幻能のこと、矢作先生が学生時代に山の岩壁や、冬季北アルプス単独縦断を1か月かけて行われたときのこと、そしてその時の落下事故。人は亡くなっても意識は残る。講演内容は心臓病とは関係ない内容だったので少し意外だったが、普段聴くことができない方面の教養に満ちたお話だったので私としてはなかなか興味深く聴かせて頂いた。矢作先生の最初の著書「人は死なない」を合わせて読めば、今日の講演の理解度が上がるように思う。

矢作(やはぎ)先生
最後は、音楽演奏会。創立15周年の時は、パラグアイの楽器アルパの演奏会があったのを思い出す。今回は、女性だけのフルート四重奏団(フルート、チェロ、バイオリン、ピアノ)の約1時間のプロの奏者の演奏会であった。普段生の音楽を聴く機会が少ないので、とてもリラックスした気持ちになる音楽は心地よかった。

演奏会
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考心会設立20周年を記念して発行された「心臓病との闘い3 よりよく生きるための患者力」が出版された。
第一章 私の患者力(患者9名)
第二章 私の養生訓(患者5名)
第三章 心臓病は私の人生を変えた(患者12名)
第四章 特別寄稿(南淵先生、山中先生、藤崎先生、畝先生、米田先生、徳田先生、深津さん)
私も第三章に「心臓手術が私に与えてくれた人生の変化の数々」と題して、8頁程の拙文を書かせて頂いた。このブログや集まりのことなど、いつもの内容だが、こうして印刷物になってできあがってくるとちょっと嬉しいものです。表紙の裏に、記念に南淵先生のサインを診断書以外では初めて書いて頂いた。
書籍を購入ご希望の方は考心会までお問い合わせ下さい。
考心会ホームページ http://www.koushinkai.net/
考心会連絡先メールアドレス:exam@koushinkai.net
盛り沢山な内容のため講演開始がいつもより30分早い。まずは、山本会長のお話からスタート。
そして、いつもなら南淵先生だが順番を入れ替えて大和成和病院長の倉田先生のお話。倉田先生は、33歳の時から現在53歳までの20年間、大和成和病院で心臓外科医を続けておられる。最近の大和成和病院の活動の状況や、今後の体制拡充に向けての準備状況などを語られていた。現在、大和成和病院にはカテーテル室は2室、手術室は3室あり、24時間救急対応できるように設備を整備されている。それに対応する医者や看護師の教育や体制作りも着々と勧められているとのこと。より患者に寄り添っていくという方針の元、例えば、患者の希望することに自分の病院で対応できなくても、どこに行けば必要とする情報を得られるか、情報提供することだけでも重要だと考えていますとのこと。また、患者の声を聴くことは病院の改善に重要なので、意見箱などを利用して是非声を聴かせて下さいとのこと。

大和成和病院の倉田先生
次に、昭和大学横浜北部病院教授の南淵先生のお話。「考心会で患者の皆さんの顔を見て僕が元気をもらいます」といつものセリフで開始。今朝まで札幌、その前は、会津若松、そしてその前は沖縄。全国を飛び回ってのお仕事。今日の医療制度の変化に触れて、倉田先生同様に、手術をやったら終わりではなくて、手術の後にその患者がどうなるのかを診続けるのを重視しているとのこと。その為にも外来診察をとても大事にされている。(なので、私も術後何年も南淵先生の外来に通い続けています。)また、南淵先生が大和成和病院にいらっしゃった時期、外来時間が増えてきた倉田先生と話したとき、倉田先生は、「僕から外来を取ったら何も残りませんよ」と仰ったとのこと。倉田先生の手術を受けた仲間も外来で定期的に倉田先生に会わることを楽しみにされている。

南淵先生
南淵先生ご出演のTV番組のご案内。来月放映です。研修医3名と南淵先生のやりとり?ゲスト(武田鉄矢さん,秋野暢子さん)も楽しみです。この番組、なんと6月から撮影準備を着々と進めていたとのことです。中川先生も出られるようです。皆さん、お見逃しなく。
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11月16日(水) NHK総合 午後10時25分~午後11時15分 「ドクターG」
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ドクターG
その後、深津さんが檀上に上がり、民間病院から大学病院に移られても変わらず患者目線の医療の取り組みを続けていますとのお話。
休憩を挟んで、今年1月まで東京大学医学部附属病院救急部・集中治療部に勤務されていた東大名誉教授の矢作(やはぎ)直樹先生のお話。「我が国のかたち」と題して、これまで36年間医療を続けてこられたが、良い結果でも残念ながら悪い結果になったとしても、ここで診てもらえて本当によかったと患者や家族から思ってもらえるかどうかが大事である。医療は進歩しているのに、患者や家族の満足度は下がってきているのではないかとのご感想。寿命を受け入れることができない患者や家族もいて、そういう方は取り乱すことが多い。そこから、お話はこの日本の成り立ちや神を信じる手段(宗教)をあえて必要としない日本の特異性や、天皇のお話などへ展開。東日本大震災直後、3月16日の天皇陛下のお言葉と米軍の援助活動、震災の現場近くのタクシー運転手が乗せた客がいわゆる幽霊であった実話、霊性や能の夢幻能のこと、矢作先生が学生時代に山の岩壁や、冬季北アルプス単独縦断を1か月かけて行われたときのこと、そしてその時の落下事故。人は亡くなっても意識は残る。講演内容は心臓病とは関係ない内容だったので少し意外だったが、普段聴くことができない方面の教養に満ちたお話だったので私としてはなかなか興味深く聴かせて頂いた。矢作先生の最初の著書「人は死なない」を合わせて読めば、今日の講演の理解度が上がるように思う。

矢作(やはぎ)先生
最後は、音楽演奏会。創立15周年の時は、パラグアイの楽器アルパの演奏会があったのを思い出す。今回は、女性だけのフルート四重奏団(フルート、チェロ、バイオリン、ピアノ)の約1時間のプロの奏者の演奏会であった。普段生の音楽を聴く機会が少ないので、とてもリラックスした気持ちになる音楽は心地よかった。

演奏会
考心会 平成28年度総会&講演会
今日のお昼頃、相模大野駅で電車降りて改札を出ると、三原じゅん子さんにバッタリ。選挙活動中でした。昔、テレビで見ていました。恥ずかしくて写真は撮れずに、何故か一目散に考心会会場へ。
考心会は、会長の山本さんのお話からスタート。考心会の会報には、会員の皆さんの近況が載せられるのだが、その中から幾つかのエピソードをご紹介。そして、今年考心会創設20周年を迎えるにあたっての記念事業や患者力についてのお話。次に、やや堅苦しい総会では第一号議案から第五号議案までが承認されて、休憩タイム。
周りにはTTおじさんやバードさん、昨年から集まりやイベントでお会いしているFさん、Oさん、黒鉄さん。知っている仲間はそれくらい。会場は満席で160名くらいの参加者のようだった。
講演会第一部は、南淵先生の「近況報告その他」。 「覚悟の瞬間に、南淵先生が登場していますよ」と司会の方から紹介。家に帰ってからこの動画を観ましたが、考心会の講演と違って真面目に良い事言ってますね!先生!また、昨年の講演会でとても分かり易く面白く大腸内視鏡のお話をしてくれたNTT関東病院の大園先生が今晩のTBS「情熱大陸」に出演されるとのこと。
という訳で、昭和大学に移られて半年。南淵先生は体重がプラス10kgになられたとか。一方、あとで出てきますが、深津さんはこの半年で5kg痩せられたとか。
既にご存じの方も多い、心臓手術相談ラボ。世の中で患者が心臓手術について情報が欲しいと思っても、近年、医者、看護師、事務員に対する病院の管理が厳しくなり、ある意味口が堅くなっている、そんな中で患者が電話でアクセスして質問をするという環境がない。それを解決するための活動の一つがNPO法人化された心臓手術相談ラボだとのこと。心臓手術についての相談をしたい方が該当のフリーダイヤルに電話すると、深津さんが応対される。たまに南淵先生がでることもあるとか。フリーダイヤルなどの経費を賄うためにNPOに対する寄付のお願いもあった。
南淵先生の外来は、毎水曜日の午前が品川の稲波・脊椎関節病院、午後が南町田病院。月曜は沖縄で手術、火曜、木曜、金曜は昭和大学、土曜は札幌で手術というような毎日だそうだ。
南淵先生は、術後の患者でも外来にやってくれば診続けてくれる。だが、一般的にはそれは違っていて、よその病院から自分の病院に紹介してもらう紹介率、そして、手術後、紹介元に戻す逆紹介率、その両方を高めて患者をどんどん動かすようにするというのが病院経営の方向性だそうだ。心臓手術を受けなくては助からないという状況下で患者が心の光を見出した医者を、命の番人として術後も会いたい、外来で先生の顔を見ただけで安心できる、そういう患者さんは術後もどんどん僕に会いに来てくださいとのこと。患者が元気になるために医者を使う。そういう役割を南淵先生は喜んで引き受けて下さるとのこと。また、先生も患者から元気を得られてる。
ここで、話は深津さんのことへ。噂で聞いていたが、深津さんが胆嚢の手術を受けられたとのことで、深津さんが檀上へ。
3月下旬、食後に胃に強烈な痛み、息が浅くなり冷や汗が出たとのこと。2日後、同じ症状が発生し、診察を受けると胆嚢に石があり、手術が必要との判断。翌月、南町田病院で入院、手術。遅ればせながら、患者としての気持ちを、術後の創の痛みを含めて感じることができたとのこと。そして、病気になってある意味では良かった。食生活など、体に気をつけるようになった、自分の体の声を聴くようになったとのことで、我々心臓手術患者が思っていることそのものが深津さんの口から語られた。深津さんのすごいのは、自分の胆嚢の手術の翌日に、例の心臓手術相談ラボにかかってきた相談の電話に、入院中のデールームから声も出にくい状況でスマホで電話で応対されたこと。自分の持っている情報は全て話していると仰っている。
再び休憩を挟んで、第二部の講演は、大和成和病院心臓血管外科主任部長の畝大(うねだい)先生の「心臓手術後の飲み薬にういて」。大和成和病院は2010年には全国で第三位の心臓手術件数を記録したが、心臓手術の件数が多い病院は死亡率が少ない。15件/年以下の場合は3%の院内死亡率だが、51件/年以上だと1.54%に。それは医者の技量に加えて、スタッフの経験が豊かであることが大きいとのこと。講演の前半は、カナダに留学されていた4年間の様子が多くの写真で紹介された。モットーとされているのは、言葉が完璧でなくても患者の顔をしっかり見て診ること。Face to Face。また、「術者の5分間は患者の20年を変える」というDr.Marc RUELの言葉を紹介。丁寧な手術を行うことが術後の患者に与える影響の大きさを語ったもの。また、最新の海外の心臓手術の動向なども紹介。そして、本題の心臓手術後の薬の話へ。術後の薬には、抗血小板薬、抗血液凝固薬、抗コレステロール、胃薬、など8種類ほどの薬がある。私も飲んでいるバイアスピリンは、今日の参加者のほぼ全員が飲んでいると言って手を挙げていたくらい処方されている薬のようだ。バイパスや、形成術後の弁、生体弁に血栓がつきにくくさせる。但し、この薬は胃酸が起こりやすいので、同時にタケプロンなどの胃薬が処方されることになる。タケプロンより弱めでよければガスター。抗凝固薬としては、機械弁の人は一生、そうでなくても術後3か月ほどは通常飲むことになるワーファリン。重要な薬であるが定期的に血液の凝固具合を検査してコントロールする必要がある。納豆や青汁はNGといった食事制限もある。それに対して、ここ最近でてきた新しい抗凝固薬が、プラサキサ、エリキュース、イクザレルトといった薬。これらは値段が高いが、コントロールも不要(?)で食事制限もないとのこと。不整脈の患者であれば切り替えても良いかもしれないが、機械弁の患者がワーファリンの代わりにするのはリスクがあるらしい。薬を変えた後、血栓が機械弁に取りついてしまった症例写真が映し出された。抗コレステロール薬は生体弁を長持ちさせる効果がある(?)という報告もあるらしい。術後の薬についてはまだまだ発展途中であり、分からないことも多いのが実態だそうだ。全ての高血圧を抑える薬にはふらつきや立ちくらみの合併症が起こりうる。脳内出血などのリスクと予後のリスクを見極めてバランスをとることが大事だとのこと。
患者としても医者に言われて処方された薬を常にうのみにするのはなく、自分の体の反応に敏感になっておく必要があると思った。薬と自分の体の相性は自分が一番良く分かるのだから。

考心会会長の山本さんと参加者
次回、秋の考心会は、創設20周年記念イベントとして、かなり豪華な講演会と音楽演奏会や出版物まで予定されているそうです。考心会に参加を希望される方はこちらへ。(どこの病院、どこの先生の手術を受けた方でも考心会に参加可能です。)
考心会ホームページ http://www.koushinkai.net/
考心会連絡先メールアドレス:exam@koushinkai.net
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考心会は、会長の山本さんのお話からスタート。考心会の会報には、会員の皆さんの近況が載せられるのだが、その中から幾つかのエピソードをご紹介。そして、今年考心会創設20周年を迎えるにあたっての記念事業や患者力についてのお話。次に、やや堅苦しい総会では第一号議案から第五号議案までが承認されて、休憩タイム。
周りにはTTおじさんやバードさん、昨年から集まりやイベントでお会いしているFさん、Oさん、黒鉄さん。知っている仲間はそれくらい。会場は満席で160名くらいの参加者のようだった。
講演会第一部は、南淵先生の「近況報告その他」。 「覚悟の瞬間に、南淵先生が登場していますよ」と司会の方から紹介。家に帰ってからこの動画を観ましたが、考心会の講演と違って真面目に良い事言ってますね!先生!また、昨年の講演会でとても分かり易く面白く大腸内視鏡のお話をしてくれたNTT関東病院の大園先生が今晩のTBS「情熱大陸」に出演されるとのこと。
という訳で、昭和大学に移られて半年。南淵先生は体重がプラス10kgになられたとか。一方、あとで出てきますが、深津さんはこの半年で5kg痩せられたとか。
既にご存じの方も多い、心臓手術相談ラボ。世の中で患者が心臓手術について情報が欲しいと思っても、近年、医者、看護師、事務員に対する病院の管理が厳しくなり、ある意味口が堅くなっている、そんな中で患者が電話でアクセスして質問をするという環境がない。それを解決するための活動の一つがNPO法人化された心臓手術相談ラボだとのこと。心臓手術についての相談をしたい方が該当のフリーダイヤルに電話すると、深津さんが応対される。たまに南淵先生がでることもあるとか。フリーダイヤルなどの経費を賄うためにNPOに対する寄付のお願いもあった。
南淵先生の外来は、毎水曜日の午前が品川の稲波・脊椎関節病院、午後が南町田病院。月曜は沖縄で手術、火曜、木曜、金曜は昭和大学、土曜は札幌で手術というような毎日だそうだ。
南淵先生は、術後の患者でも外来にやってくれば診続けてくれる。だが、一般的にはそれは違っていて、よその病院から自分の病院に紹介してもらう紹介率、そして、手術後、紹介元に戻す逆紹介率、その両方を高めて患者をどんどん動かすようにするというのが病院経営の方向性だそうだ。心臓手術を受けなくては助からないという状況下で患者が心の光を見出した医者を、命の番人として術後も会いたい、外来で先生の顔を見ただけで安心できる、そういう患者さんは術後もどんどん僕に会いに来てくださいとのこと。患者が元気になるために医者を使う。そういう役割を南淵先生は喜んで引き受けて下さるとのこと。また、先生も患者から元気を得られてる。
ここで、話は深津さんのことへ。噂で聞いていたが、深津さんが胆嚢の手術を受けられたとのことで、深津さんが檀上へ。
3月下旬、食後に胃に強烈な痛み、息が浅くなり冷や汗が出たとのこと。2日後、同じ症状が発生し、診察を受けると胆嚢に石があり、手術が必要との判断。翌月、南町田病院で入院、手術。遅ればせながら、患者としての気持ちを、術後の創の痛みを含めて感じることができたとのこと。そして、病気になってある意味では良かった。食生活など、体に気をつけるようになった、自分の体の声を聴くようになったとのことで、我々心臓手術患者が思っていることそのものが深津さんの口から語られた。深津さんのすごいのは、自分の胆嚢の手術の翌日に、例の心臓手術相談ラボにかかってきた相談の電話に、入院中のデールームから声も出にくい状況でスマホで電話で応対されたこと。自分の持っている情報は全て話していると仰っている。
再び休憩を挟んで、第二部の講演は、大和成和病院心臓血管外科主任部長の畝大(うねだい)先生の「心臓手術後の飲み薬にういて」。大和成和病院は2010年には全国で第三位の心臓手術件数を記録したが、心臓手術の件数が多い病院は死亡率が少ない。15件/年以下の場合は3%の院内死亡率だが、51件/年以上だと1.54%に。それは医者の技量に加えて、スタッフの経験が豊かであることが大きいとのこと。講演の前半は、カナダに留学されていた4年間の様子が多くの写真で紹介された。モットーとされているのは、言葉が完璧でなくても患者の顔をしっかり見て診ること。Face to Face。また、「術者の5分間は患者の20年を変える」というDr.Marc RUELの言葉を紹介。丁寧な手術を行うことが術後の患者に与える影響の大きさを語ったもの。また、最新の海外の心臓手術の動向なども紹介。そして、本題の心臓手術後の薬の話へ。術後の薬には、抗血小板薬、抗血液凝固薬、抗コレステロール、胃薬、など8種類ほどの薬がある。私も飲んでいるバイアスピリンは、今日の参加者のほぼ全員が飲んでいると言って手を挙げていたくらい処方されている薬のようだ。バイパスや、形成術後の弁、生体弁に血栓がつきにくくさせる。但し、この薬は胃酸が起こりやすいので、同時にタケプロンなどの胃薬が処方されることになる。タケプロンより弱めでよければガスター。抗凝固薬としては、機械弁の人は一生、そうでなくても術後3か月ほどは通常飲むことになるワーファリン。重要な薬であるが定期的に血液の凝固具合を検査してコントロールする必要がある。納豆や青汁はNGといった食事制限もある。それに対して、ここ最近でてきた新しい抗凝固薬が、プラサキサ、エリキュース、イクザレルトといった薬。これらは値段が高いが、コントロールも不要(?)で食事制限もないとのこと。不整脈の患者であれば切り替えても良いかもしれないが、機械弁の患者がワーファリンの代わりにするのはリスクがあるらしい。薬を変えた後、血栓が機械弁に取りついてしまった症例写真が映し出された。抗コレステロール薬は生体弁を長持ちさせる効果がある(?)という報告もあるらしい。術後の薬についてはまだまだ発展途中であり、分からないことも多いのが実態だそうだ。全ての高血圧を抑える薬にはふらつきや立ちくらみの合併症が起こりうる。脳内出血などのリスクと予後のリスクを見極めてバランスをとることが大事だとのこと。
患者としても医者に言われて処方された薬を常にうのみにするのはなく、自分の体の反応に敏感になっておく必要があると思った。薬と自分の体の相性は自分が一番良く分かるのだから。

考心会会長の山本さんと参加者
次回、秋の考心会は、創設20周年記念イベントとして、かなり豪華な講演会と音楽演奏会や出版物まで予定されているそうです。考心会に参加を希望される方はこちらへ。(どこの病院、どこの先生の手術を受けた方でも考心会に参加可能です。)
考心会ホームページ http://www.koushinkai.net/
考心会連絡先メールアドレス:exam@koushinkai.net