【集計結果】 (元)心臓病仲間のアンケート(第二弾) 後編
(元)心臓病仲間のアンケート(第二弾) の集計結果後編の発表を続けます。
【集計結果】 (元)心臓病仲間のアンケート(第二弾) 後編 (2019.3.10 1名分回答を追加)
⑨術後外来の頻度は?

心臓手術後は、回答者の34%の方が3か月毎に外来に通われています。22%の方が1カ月毎でそれに続きます。術後の薬を処方されている方は、医師が法的に薬を処方可能な最大日数が90日分であることから3カ月毎の外来になるケースが多いようです。また、機械弁に弁置換されたり、不整脈があって血栓防止の為にワーファリンを服用されている方も、定期的な血液検査で凝固状態を調べて薬の量をコントロールする必要があります。その場合は、1~2カ月毎に通われている方が多いようです。
薬を処方されていない方は、半年毎、1年毎に心臓の定期検査を行っている方が多いです。薬を飲む必要がなく、体調が良かったとしても、心臓手術を受けた方はやはり最低1年に一度は心臓を専門に診る病院や医者に術後フォローをお願いするべきだと思われます。
⑩創(傷)の長さは(cm)?

4cmから25cmまでの幅の中で、15cmと20cmが一番多い回答でした。正直手術が終わってしまえば、何センチであろうと創の長さ自体が気になることは少ないようです。長さよりも創の目立ち具合やかゆみ、痛みの方が気になるようです。女性の場合は、夏場に胸元が開いた服を着るときに創が見えないように、できるだけ胸の下の方からメスを入れて欲しいとリクエストされる方が多いようです。
⑪術前に感じていた体の不調は?

4割弱の方が術前に息切れがあったと回答されています。体が疲れやすい、不整脈、動悸、めまい、咳といった症状が多くの方が感じられる術前の体の不調のようです。その一方、特に不調はなかったという方が27%いらっしゃいます。第一弾のアンケート集計結果にも書いたように、術前に自覚症状が全くない方が多いのも心臓弁膜症の特徴に一つのようです。
⑫術後に起こり始めた症状は?

(元)心臓病仲間の間で閃輝暗点がある人が多いことを以前から感じていました。思った通り今回のアンケート回答では33%の方が術後に閃輝暗点が発生すると指摘されています。一時的なものと慢性的に発生している場合と両方の方がいそうです。世の中の心臓病に関係ない方の閃輝暗点の発生率は知りませんが、これほど高くはないのではないでしょうか。だとすると、心臓病や心臓手術と何かしら因果関係があるのかもしれません。不整脈がそれに続きます。ちなみに、私の場合は逆で、術前にはそれなりの回数の不整脈がありましたが、術後は不整脈の手術をした訳ではないのにそれがぱったりと止まりました。個人的想像ですが、心臓にメスを入れた為に視覚系の神経や脈のリズムを司る神経に(良くも悪くも)影響が出たのかもしれません。人工心肺を使ったことによる身体影響もあるのかもしれません。最も、それらの症状と手術を受けずに心臓が壊れて死に至ることを比較すれば、心臓にメスを入れることを否定したり糾弾したりすることは意味のないことだと理解できます。あとは、心臓と直接関係ない症状を、心臓を治療したことが原因だと固く信じ切ってしまう方が案外多いように思われます。人の体は皆それぞれDNAが異なる訳ですから、他人の例はあまり参考になりません。別の人がそうだったから自分もそうだとは思い込まないで参考程度にとどめておいた方が良いと思います。創についての痛み、かゆみ、ケロイドなどの症状も多いようです。手術後数年で切ったことが分からないくらい綺麗な創になる人もいるので、一概にどういう条件や環境が創に不具合を生むかは、これまたケースバイケースのようです。術後特に気になる症状がないという方も、2割弱いらっしゃいます。術前も術後も症状なしだと、果たして自分は本当に手術を受ける必要があったのだろうかという疑問を抱くかもしれません。心臓手術を適切な時期に適切に受けたが故に、症状なく今に至っているというのがそういう場合の実態だと思われます。
⑬習慣的にやっている運動、スポーツは?(術前、術後を問わず)

ウォーキングや散歩が一番多い回答でした。心臓手術後の方がやってはいけないスポーツはほとんどないと思われます(やらない方が良いと言われているものはあるかもしれません。例として、重量挙げのような競技)。術後にフルマラソンを完走した方や、空手で活躍されている方もいます。プロスポーツ界にも弁置換した選手は珍しくなかったと思います。適度な運動は人間にとって有効なものです。各自の体力に応じて無理にならない範囲で楽しみながら習慣的に体を動かすことを続けるのが心臓を長持ちさせる条件の一つのようです。
⑭手術前に精神的支えになった思考や名言、不安を解消するために行った行動は?

不安を解消するために病気や手術についての情報集めをしたという方が38%でした。インターネット上に沢山ある心臓手術体験者のブログや書籍を読んだり、心臓手術を体験された方の話を聞くなどの方法で情報を得ることは、心臓手術という目的地への地図やガイドブックを得るようなものだと思います。また、自分は絶対大丈夫、なるようになる、強い患者になるなど、自己暗示を高めるように取り組まれた方も2割くらいいらっしゃいます。家族のためにも手術を頑張るぞと意気込まれた方や、もし手術が失敗しても既に亡くなっている親族との再会の楽しみがあるなあとポジティブな思考を維持された方もいました。また、そもそも手術を受ける不安自体が無かったので特別なことは何もしていないという方も15%です。カテゴリー外(?)としては、好きな神社や仏閣にお参りしたり、好きなテレビ番組を見てたくさん笑うこと、体重を落とすためのウォーキングがありました。
⑮術後あなた自身でポジティブに変化したことは何?(身体面、精神面を問わず)
皆さんの個性が現れる回答が集まりました。じっくり読んで頂きたいので皆さんの言葉をそのまま掲載します。
・健康への気配り
・人生は縦道。でも手術という横道が加わって人生に「幅」が広がった事!!
・体が軽くなった感じがして体調が良くなった。
・また人生を楽しめると思った。
・本来引っ込み思案で全く知らない人の輪に参加するのが苦手だったが、心臓手術をきっかけに(元)心臓病仲間の集まりに参加してからは、こういった繋がりを大事にして広めて行きたいと思うようになり積極的に参加するようになりました。
・フィットネスが劇的に向上したので、試合がより楽しくなりました。
・心臓手術をしたという言い訳で、面倒な仕事をサボりやすくなりました。
・ワーク・ライフ・バランスを見直す良い機会になり、QOLが大きく向上しました。
・手術前は健康に自信があったが過信せず健康に留意して死ぬまでポジティブに生きていきたいと思っています。
・元々アクティブだったのが、年々面倒くさがりになってきたが、術後すぐにアクティブに戻り、毎日が楽しい。身体面では体の不調が全てなくなった。
・体力がすごく落ちたので、術後は体力回復に頑張ろうと思っていたが、自分には甘い性格で、普段からポジティブなので、(⌒-⌒)ニコニコ...
・やりたいことはやりたいときにやり、会いたい人には会えるときに会う
・開き直り。
・人に会ったり話をしたりすることにより積極的になった。(できることは後回しにせずやる。会いたい人には会うなど)
・医学に携わる方々への尊敬の念✨他人の辛さや痛みがスルー出来なくなった。風邪をひきにくくなった!
・普通であることに感謝。かなり大袈裟ですが、全ての人に感謝したいと思いました。
・仲間との交流を積極的に行うようになった。多趣味化。怖いものが無くなった。
・失敗を恐れなくなった。全てにおいて急がなくなった。
・不整脈はなくなった〜手術直後には「生きてるだけで丸儲け」と本気で思ったが、最近忘れかけてるのでもう一度そういう気持ちで頑張りたい。
・身体面では手術前より3kgぐらい体重が減りましたが、概ねその状況をキープしています。
・生きる事
・家族の愛。
・術後トラブルがあり、入院期間が予定通りの2.5倍になりまして、特に忍耐力が付いた様に思えます。
・一度目は体調も良くなったのでポジティブに何でもやろう、と思ったが二度目の手術以降あれこれと他の病気や怪我で思っていた以上にワーファリンの壁を強く感じています。
・大手術をしたから何でも乗り越えられると思うようになったかも・・・。
・なるようになる!と考えている。元気なうちにと、地域貢献のボランティアをするようになった。
・今回手術を受けたことで手術の大変さがよく分かったが、再手術への度胸もついたと思う。生活していく上での度胸もついて怖いものがなくなったようだ。やりたいことを先延ばしにせず今やるという気持ちが強くなった。
・自分を肯定できるようになった。
・心臓という生死に関わる臓器の手術を経験した事で術前と比べると凄く身体が楽になり早めに手術をしてよかった。経験を生かし行動についてはどうしようかなとか迷う事が術前はありましたが、今は結果が良い方向の事を考え行動が早くなった事かな。
・鍋島さんなど心臓の仲間に繋がった(ありがとうございます) TFHや整体BBAsなどせらぴー手法を増やした安心安全のリソースを増やした
・人にとても気を使ってしまいストレスを抱えることが多かったのですが、あまり気にしないように心掛けるようになり少し楽になりました。一日一日を大切に感じるようになりやりたいこと、行きたいところが増えました。病気をしたことによって、自分の周りの人達の優しさ暖かさをとても強く感じることができました。これからは少しでも恩返しができるようにと思い努力しています。
・元々自覚症状は無かったので、術後のキズの痛みが無くなった今となっては身体的な辛さは皆無で心臓を患った事など無かったかのように過ごせています。病気知らずだった自分にも病は突然やって来る事を実感したので、家族を当てにせずいつ入院になっても大丈夫な準備をし、何事も先延ばしにしない、身体に異変を感じたらすぐに病院に行くようにしています。病院リサーチが得意になったかも…家族からはこちらの会に参加するようになってから今まで絶対やらなかった事にも、チャレンジする様になったと言われています。ただ飲んでいるだけなのにね!たまたま誘われていった山登りなどもこちらの会での事と勘違いしているのかな?人生も後半に差し掛かっているので、とにかくやりたい事は我慢せず過ごそうと思っています。
・術前よりも良い意味で諦められるようになりました。与えられた状況を受け入れて、その上で、何を大切にして、何をしたいのかを考えることが、術前よりも少し上手にできるようになったと思います。
・元々、ポジティブなので術前、術後で変化はないです。
・特に変化なし(6票)
後編の集計結果は以上です。
ご意見、ご感想がありましたらコメントにてお知らせ頂けると幸いです。(企画のやりがいになります。)
第三弾のアンケートの実施は未定です。
2018.11.10
(元)心臓病仲間のアンケート(第二弾)
企画・集計・考察 カムバックハートこと鍋島
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【集計結果】 (元)心臓病仲間のアンケート(第二弾) 後編 (2019.3.10 1名分回答を追加)
⑨術後外来の頻度は?

心臓手術後は、回答者の34%の方が3か月毎に外来に通われています。22%の方が1カ月毎でそれに続きます。術後の薬を処方されている方は、医師が法的に薬を処方可能な最大日数が90日分であることから3カ月毎の外来になるケースが多いようです。また、機械弁に弁置換されたり、不整脈があって血栓防止の為にワーファリンを服用されている方も、定期的な血液検査で凝固状態を調べて薬の量をコントロールする必要があります。その場合は、1~2カ月毎に通われている方が多いようです。
薬を処方されていない方は、半年毎、1年毎に心臓の定期検査を行っている方が多いです。薬を飲む必要がなく、体調が良かったとしても、心臓手術を受けた方はやはり最低1年に一度は心臓を専門に診る病院や医者に術後フォローをお願いするべきだと思われます。
⑩創(傷)の長さは(cm)?

4cmから25cmまでの幅の中で、15cmと20cmが一番多い回答でした。正直手術が終わってしまえば、何センチであろうと創の長さ自体が気になることは少ないようです。長さよりも創の目立ち具合やかゆみ、痛みの方が気になるようです。女性の場合は、夏場に胸元が開いた服を着るときに創が見えないように、できるだけ胸の下の方からメスを入れて欲しいとリクエストされる方が多いようです。
⑪術前に感じていた体の不調は?

4割弱の方が術前に息切れがあったと回答されています。体が疲れやすい、不整脈、動悸、めまい、咳といった症状が多くの方が感じられる術前の体の不調のようです。その一方、特に不調はなかったという方が27%いらっしゃいます。第一弾のアンケート集計結果にも書いたように、術前に自覚症状が全くない方が多いのも心臓弁膜症の特徴に一つのようです。
⑫術後に起こり始めた症状は?

(元)心臓病仲間の間で閃輝暗点がある人が多いことを以前から感じていました。思った通り今回のアンケート回答では33%の方が術後に閃輝暗点が発生すると指摘されています。一時的なものと慢性的に発生している場合と両方の方がいそうです。世の中の心臓病に関係ない方の閃輝暗点の発生率は知りませんが、これほど高くはないのではないでしょうか。だとすると、心臓病や心臓手術と何かしら因果関係があるのかもしれません。不整脈がそれに続きます。ちなみに、私の場合は逆で、術前にはそれなりの回数の不整脈がありましたが、術後は不整脈の手術をした訳ではないのにそれがぱったりと止まりました。個人的想像ですが、心臓にメスを入れた為に視覚系の神経や脈のリズムを司る神経に(良くも悪くも)影響が出たのかもしれません。人工心肺を使ったことによる身体影響もあるのかもしれません。最も、それらの症状と手術を受けずに心臓が壊れて死に至ることを比較すれば、心臓にメスを入れることを否定したり糾弾したりすることは意味のないことだと理解できます。あとは、心臓と直接関係ない症状を、心臓を治療したことが原因だと固く信じ切ってしまう方が案外多いように思われます。人の体は皆それぞれDNAが異なる訳ですから、他人の例はあまり参考になりません。別の人がそうだったから自分もそうだとは思い込まないで参考程度にとどめておいた方が良いと思います。創についての痛み、かゆみ、ケロイドなどの症状も多いようです。手術後数年で切ったことが分からないくらい綺麗な創になる人もいるので、一概にどういう条件や環境が創に不具合を生むかは、これまたケースバイケースのようです。術後特に気になる症状がないという方も、2割弱いらっしゃいます。術前も術後も症状なしだと、果たして自分は本当に手術を受ける必要があったのだろうかという疑問を抱くかもしれません。心臓手術を適切な時期に適切に受けたが故に、症状なく今に至っているというのがそういう場合の実態だと思われます。
⑬習慣的にやっている運動、スポーツは?(術前、術後を問わず)

ウォーキングや散歩が一番多い回答でした。心臓手術後の方がやってはいけないスポーツはほとんどないと思われます(やらない方が良いと言われているものはあるかもしれません。例として、重量挙げのような競技)。術後にフルマラソンを完走した方や、空手で活躍されている方もいます。プロスポーツ界にも弁置換した選手は珍しくなかったと思います。適度な運動は人間にとって有効なものです。各自の体力に応じて無理にならない範囲で楽しみながら習慣的に体を動かすことを続けるのが心臓を長持ちさせる条件の一つのようです。
⑭手術前に精神的支えになった思考や名言、不安を解消するために行った行動は?

不安を解消するために病気や手術についての情報集めをしたという方が38%でした。インターネット上に沢山ある心臓手術体験者のブログや書籍を読んだり、心臓手術を体験された方の話を聞くなどの方法で情報を得ることは、心臓手術という目的地への地図やガイドブックを得るようなものだと思います。また、自分は絶対大丈夫、なるようになる、強い患者になるなど、自己暗示を高めるように取り組まれた方も2割くらいいらっしゃいます。家族のためにも手術を頑張るぞと意気込まれた方や、もし手術が失敗しても既に亡くなっている親族との再会の楽しみがあるなあとポジティブな思考を維持された方もいました。また、そもそも手術を受ける不安自体が無かったので特別なことは何もしていないという方も15%です。カテゴリー外(?)としては、好きな神社や仏閣にお参りしたり、好きなテレビ番組を見てたくさん笑うこと、体重を落とすためのウォーキングがありました。
⑮術後あなた自身でポジティブに変化したことは何?(身体面、精神面を問わず)
皆さんの個性が現れる回答が集まりました。じっくり読んで頂きたいので皆さんの言葉をそのまま掲載します。
・健康への気配り
・人生は縦道。でも手術という横道が加わって人生に「幅」が広がった事!!
・体が軽くなった感じがして体調が良くなった。
・また人生を楽しめると思った。
・本来引っ込み思案で全く知らない人の輪に参加するのが苦手だったが、心臓手術をきっかけに(元)心臓病仲間の集まりに参加してからは、こういった繋がりを大事にして広めて行きたいと思うようになり積極的に参加するようになりました。
・フィットネスが劇的に向上したので、試合がより楽しくなりました。
・心臓手術をしたという言い訳で、面倒な仕事をサボりやすくなりました。
・ワーク・ライフ・バランスを見直す良い機会になり、QOLが大きく向上しました。
・手術前は健康に自信があったが過信せず健康に留意して死ぬまでポジティブに生きていきたいと思っています。
・元々アクティブだったのが、年々面倒くさがりになってきたが、術後すぐにアクティブに戻り、毎日が楽しい。身体面では体の不調が全てなくなった。
・体力がすごく落ちたので、術後は体力回復に頑張ろうと思っていたが、自分には甘い性格で、普段からポジティブなので、(⌒-⌒)ニコニコ...
・やりたいことはやりたいときにやり、会いたい人には会えるときに会う
・開き直り。
・人に会ったり話をしたりすることにより積極的になった。(できることは後回しにせずやる。会いたい人には会うなど)
・医学に携わる方々への尊敬の念✨他人の辛さや痛みがスルー出来なくなった。風邪をひきにくくなった!
・普通であることに感謝。かなり大袈裟ですが、全ての人に感謝したいと思いました。
・仲間との交流を積極的に行うようになった。多趣味化。怖いものが無くなった。
・失敗を恐れなくなった。全てにおいて急がなくなった。
・不整脈はなくなった〜手術直後には「生きてるだけで丸儲け」と本気で思ったが、最近忘れかけてるのでもう一度そういう気持ちで頑張りたい。
・身体面では手術前より3kgぐらい体重が減りましたが、概ねその状況をキープしています。
・生きる事
・家族の愛。
・術後トラブルがあり、入院期間が予定通りの2.5倍になりまして、特に忍耐力が付いた様に思えます。
・一度目は体調も良くなったのでポジティブに何でもやろう、と思ったが二度目の手術以降あれこれと他の病気や怪我で思っていた以上にワーファリンの壁を強く感じています。
・大手術をしたから何でも乗り越えられると思うようになったかも・・・。
・なるようになる!と考えている。元気なうちにと、地域貢献のボランティアをするようになった。
・今回手術を受けたことで手術の大変さがよく分かったが、再手術への度胸もついたと思う。生活していく上での度胸もついて怖いものがなくなったようだ。やりたいことを先延ばしにせず今やるという気持ちが強くなった。
・自分を肯定できるようになった。
・心臓という生死に関わる臓器の手術を経験した事で術前と比べると凄く身体が楽になり早めに手術をしてよかった。経験を生かし行動についてはどうしようかなとか迷う事が術前はありましたが、今は結果が良い方向の事を考え行動が早くなった事かな。
・鍋島さんなど心臓の仲間に繋がった(ありがとうございます) TFHや整体BBAsなどせらぴー手法を増やした安心安全のリソースを増やした
・人にとても気を使ってしまいストレスを抱えることが多かったのですが、あまり気にしないように心掛けるようになり少し楽になりました。一日一日を大切に感じるようになりやりたいこと、行きたいところが増えました。病気をしたことによって、自分の周りの人達の優しさ暖かさをとても強く感じることができました。これからは少しでも恩返しができるようにと思い努力しています。
・元々自覚症状は無かったので、術後のキズの痛みが無くなった今となっては身体的な辛さは皆無で心臓を患った事など無かったかのように過ごせています。病気知らずだった自分にも病は突然やって来る事を実感したので、家族を当てにせずいつ入院になっても大丈夫な準備をし、何事も先延ばしにしない、身体に異変を感じたらすぐに病院に行くようにしています。病院リサーチが得意になったかも…家族からはこちらの会に参加するようになってから今まで絶対やらなかった事にも、チャレンジする様になったと言われています。ただ飲んでいるだけなのにね!たまたま誘われていった山登りなどもこちらの会での事と勘違いしているのかな?人生も後半に差し掛かっているので、とにかくやりたい事は我慢せず過ごそうと思っています。
・術前よりも良い意味で諦められるようになりました。与えられた状況を受け入れて、その上で、何を大切にして、何をしたいのかを考えることが、術前よりも少し上手にできるようになったと思います。
・元々、ポジティブなので術前、術後で変化はないです。
・特に変化なし(6票)
後編の集計結果は以上です。
ご意見、ご感想がありましたらコメントにてお知らせ頂けると幸いです。(企画のやりがいになります。)
第三弾のアンケートの実施は未定です。
2018.11.10
(元)心臓病仲間のアンケート(第二弾)
企画・集計・考察 カムバックハートこと鍋島
【集計結果】 (元)心臓病仲間のアンケート(第二弾) 前編
(元)心臓病仲間のアンケート(第二弾)の集計結果(前編)の発表です。沢山の心臓手術体験者の方に回答頂きありがとうございます。前回同様、私なりの考察を加えてグラフ化した集計結果を見ていきたいと思います。内容豊富なので、前編と後編に記事を分けて掲載いたします。(アンケートの回答は引き続き募集しております。未回答の方はご協力よろしくお願いいたします。集計結果は随時更新します。アンケート第一弾はこちら。第二弾はこちら。)
又、前回実施したアンケート(第一弾)の集計結果はこちらの記事をご覧ください。
【集計結果】 (元)心臓病仲間のアンケート(第二弾) 前編 (2019.3.10 1名分の回答を追加)
①手術の時、麻酔で記憶が無くなった場所は?

予定されている手術の時間が近づいてくると、ストレッチャーか車椅子、若しくは徒歩で病室から手術室に向かいます。自分が手術を受ける実際の手術室をちゃんと目で見てから全身麻酔による眠りにつく方が9割になります。折角意を決して受ける手術なので、手術室の雰囲気は味わっておきたいものです。消毒薬の匂い、聞こえるBGM、眼前の無影灯、検査機器やモニター画面、手術室スタッフの様子など。。。私の勝手な想像ですが、患者にあえて手術室の中を見せておいて、自分はこれから手術を受けるのだという意識を与えておくことで、麻酔から覚めた際の理性としての術前術後における時空間の接続に役立たせているのではないかと思ったりします。私は病室で手術開始前に麻酔導入の効果を高める薬なのか精神をリラックスさせる薬なのか分かりませんが、筋肉注射をうたれました。これによる体調の変化は感じなかったのですが、中にはこの段階で記憶がなくなる方もいるようです。
②入院するならば・・・

もし入院するならば、大部屋でも構わないという人が7割。いや、絶対個室がいい!という人が3割でした。大部屋でも構わない派の方は、同室の患者同士の交流を楽しまれた経験があるのでしょう。一方、個室派の方は、自分が辛い体の状態の時に周りの患者の言動が煩わしかったなどの苦い経験があったのかもしれません。もしかしたら、男女差もあるのでしょうか。女性は比較的周りの方とおしゃべりしたいとか。
③虫歯について

95%の方が歯の治療経験があるという結果です。虫歯と心臓手術の因果関係が見えるかと思いましたが、良く考えたら世の中に虫歯の無い方はほとんどいないようなので意味のないアンケート結果となりました。心臓に菌が入り込む原因の一つに歯の治療、特に抜歯などがあると聞いたことがあります。でも、ほとんどの人に歯の治療経験がある以上、歯の治療をしたからといって必ずしも心臓を患うという訳ではありません。
④爪をかむ癖が・・・

同様に爪を噛む癖があると、爪先についていたばい菌が体内に取り込まれて心臓に到達することもあると聞いたことがあります。私自身、学生時代にイライラすると爪を噛むという癖がありました。アンケート回答では8割の方が爪を噛む癖はなかったとのことで、これも心臓病との因果関係を語ることはできないようです。弁膜症で弁が侵される原因の菌はカビのようなものらしいです。後天性であれば何かしらの原因で菌が体内に入り込み、心臓の中の弁という、極めて激しく血液が流れている部分であるにも拘わらず、あえてそこに菌が取りついて弁膜症を発するようです。風邪の予防もそうですが、手洗い、うがいなどで清潔な状態を保つことが心臓病の案外有効な予防策にもなるのかもしれません。
⑤手術が終わって目覚めた時に最初に想ったことは?
この質問に対するアンケート回答は、皆さんの言葉をそのまま掲載した方が術後すぐの気持ちがリアルに伝わると思います。
・俺は生きているのか?死んでいるのか?
・えっもう終わったの?(麻酔をしてから3秒後くらいの感覚でした)
・1回目:こんな楽でいいの? 2回目:拘束と口にも管だらけで2日間、意思疎通できなくいらいら。
・目覚めた時の景色が一般病棟と似ていたので、時間が経ちすぎて一般病棟へ移るまで寝ていたのかと思った。
・水分補給。目覚めた時の時間
・ここは何処と思ったがすぐに手術から生還したんだと自覚し心底ホッ!とした。
・ドレンが背中に当たっていたようで、大変痛かった
・ただ虚心に、「終わった。」と感じたような気がします。
・(手術が)終わった!とホッとした気持ちで家族と面会したことを思い出しました。
・息が吸えない、ねむい
・手術が成功したと思った
・ICUの中で、「あ~終わったんだ! 早く回復するように、眠ろう」と思いました。
・気管挿管が苦しい
・一番辛いらしい抜管が終わった、と思った。
・何だか息苦しい。手術終わったんだ…。と思いました。
・あれ、ココどこ?そいえば、手術したんだ。。。ってこと思った記憶があります。
・あれ?ここはなんだ?どうなってるんだ??ん?手術終わったのか???という感じ。通常の眠りから覚めるのと違って、急に場面が切り替わったように感じた。そのあとは、人工呼吸器が苦しかったから早くもう一度寝ようと思った。
・喉が乾いた
・喉が渇いた
・く、く、苦しい〰️
・あっ生きている!
・手術が終わったんだ。。。胸が熱い。
・形成術で終わったかどうかが心配でした。喉の入っている管が苦しかった!
・(目覚めたとき家族に成功と知らされたので)しめた!とりあえず手術成功だ〜次はICUを切り抜けよう!(結構冷静でした)
・とりあえず、手術が終わり生きているんだなあと思いました。
・生きてると思いました。
・終わった。喉の渇き
・人口呼吸器が1番苦しかったです。それと、心臓手術を舐めていた私は、目が覚めた時、苦しさのあまり、騙されたーっと、思いました。誰も、騙してはいないのですが。
・家族はどこに?
・生きてる、、
・生きてる!!
・今が、朝か夜かわからない。
・ここはどこだろう?何しているんだろう。
・手足が縛られていて人工呼吸器が喉に入った状態で、自分で呼吸しようとすると人工呼吸器と喧嘩してしまい呼吸が止まってしまうので怖かった。その時は生き返ったという感動は感じなかった。
・もう少し寝かせて。麻酔が覚めにくく、周りの人がたくさん声掛けして下さったらしいです。のどの渇き、痛みが分かるようになりありがとうと思いました。
・手術が終わってICU に移動してから手術を勧めてくれた内科の医師が手術が無事に終わったよって眼を覚まさせてくれて、一番最初に思った事と行動した事は内科の医師と握手を交わし、ありがとうと感謝の想いを伝えた事かな。
・目が開かない、声出せない
・喉が乾いた 息がしずらい
・(ICUで)あ、看護師さんがいる...
・真っ暗だったので「これから手術なのかなあ?」と思い、手術後と気が付いた時点で「形成術でできたのかなあ?」と・・・同時に「お水が飲みたい」と思いました。
・息が出来ず、このまま窒息死すると思った。
・気管挿管が終わっていたらいいな。
⑥心臓の薬を・・・

心臓の手術をした人は、例外なくほとんどの方がその後も心臓の薬を飲み続けているものだと思っていましたが、結果は違いました。術後3カ月くらいまではほぼ全員が心臓の回復のために何かしらの薬を処方されると思います。しかし、その後は、心臓の薬を処方されている方は6割強しかいません。4割弱の方は、術後は薬も不要な健康体に戻られている訳です。毎日の服用薬が無ければ、副作用の心配もなく、後編のアンケート回答で出てきますが、通院の頻度も間隔を長くすることができます。心臓病、特に弁膜症は、大きい意味では一過性のケガみたいなもので、治療が済めば薬も不要で、病気になる前の状態に完治できることが多いと言えそうです。
⑦飲んでいる薬の名前は?(心臓の薬を服薬されている方のみ)

心臓関連の薬って、こんなに沢山種類があるのですね!名前を聞いたことも無い薬が沢山ありました。まず、心臓の薬を飲んでいると回答された方の半数が飲まれているのが、バイアスピリンです。これは血液をサラサラにする薬です。でも、ワーファリン程の抗凝固作用はありません。打ち身などで内出血になることもありますが、大して酷くはなりません。南淵先生曰く、これは術後の方の予防の為にとりあえず処方している「どうでもいいっちゃどうでもいい(鼻くそみたいな)薬だ」と仰っています。ちなみに、薬価は安く1錠5円程だと思います。但し、胃酸を抑制する胃薬(タケプロンなど)を同時に服薬することが勧められているようです。薬を飲むための薬が必要という訳です。次によく飲まれているのがメインテートです。主に不整脈を防止する薬のようです。ワーファリン服用者が案外少なく感じました。機械弁を植え込んだ方は、生涯に渡ってワーファリンに代表される抗凝固剤を飲まなくてはなりません。一生持つ機械弁の宿命のようなものです。ワーファリンは何十年も世界中で使われている定番の薬ですが、血液凝固検査を定期的に行い服薬量を体の状態に応じて調整していく必要がありますし、内出血などのトラブルになる可能性も高いです。納豆のビタミンKがワーファリンの効果を弱めるので食べることができないのも好きな方には辛いですね。最近は、ワーファリンの欠点を補う新薬(エリキュースなど)が登場しているようで、それらを医者から勧められることもあるようです。薬は元々自然界に存在しない人工物なので本来は飲まないに越したことはないと思います。飲まないで抱えるリスクと飲むことで救えるリスクのバランス判断が大切なのでしょうか。全てを医者任せにするのではなくて、自分の体が本当にこの薬を必要としているのか、感覚的にでもその答えを捉えるようとする気持ちは必要かもしれません。
⑧入院中に一番つらかったことは?

開胸に伴う胸骨や創の痛み、体を自由に動かせないことによる背中の痛みが辛かったという方が全体の3割強です。私もICUから一般病棟に戻った初日はこの痛みでかなり辛かった記憶があります。小切開の手術ですとこれに対しては有利と考えられそうですが、逆に、小さい切開場所から胸骨に負荷をかけ開きあけて手術を行うので、術後の痛みは通常の正中切開より大きいと聞いたこともあります。一方、入院中に特に辛いことは無かったという方がその次に続きます。手術したのだから多少痛いのは当たり前と思えば、それ以外はなんとかなるのでしょう。でも、個人個人によって、術後の状態が悪くて極めて辛い思いをされたり、自分より後に手術した人が先に退院されるのに焦りを感じたり、中には病院スタッフの無神経な発言に傷ついたりされた方がいらっしゃいます。
前編の集計結果は以上です。後編の記事も公開済みです。合わせてご覧ください。
ご意見、ご感想がありましたらコメントにてお知らせ頂けると幸いです。(企画のやりがいになります。)
2018.11.10
(元)心臓病仲間のアンケート(第二弾)
企画・集計・考察 カムバックハートこと鍋島
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又、前回実施したアンケート(第一弾)の集計結果はこちらの記事をご覧ください。
【集計結果】 (元)心臓病仲間のアンケート(第二弾) 前編 (2019.3.10 1名分の回答を追加)
①手術の時、麻酔で記憶が無くなった場所は?

予定されている手術の時間が近づいてくると、ストレッチャーか車椅子、若しくは徒歩で病室から手術室に向かいます。自分が手術を受ける実際の手術室をちゃんと目で見てから全身麻酔による眠りにつく方が9割になります。折角意を決して受ける手術なので、手術室の雰囲気は味わっておきたいものです。消毒薬の匂い、聞こえるBGM、眼前の無影灯、検査機器やモニター画面、手術室スタッフの様子など。。。私の勝手な想像ですが、患者にあえて手術室の中を見せておいて、自分はこれから手術を受けるのだという意識を与えておくことで、麻酔から覚めた際の理性としての術前術後における時空間の接続に役立たせているのではないかと思ったりします。私は病室で手術開始前に麻酔導入の効果を高める薬なのか精神をリラックスさせる薬なのか分かりませんが、筋肉注射をうたれました。これによる体調の変化は感じなかったのですが、中にはこの段階で記憶がなくなる方もいるようです。
②入院するならば・・・

もし入院するならば、大部屋でも構わないという人が7割。いや、絶対個室がいい!という人が3割でした。大部屋でも構わない派の方は、同室の患者同士の交流を楽しまれた経験があるのでしょう。一方、個室派の方は、自分が辛い体の状態の時に周りの患者の言動が煩わしかったなどの苦い経験があったのかもしれません。もしかしたら、男女差もあるのでしょうか。女性は比較的周りの方とおしゃべりしたいとか。
③虫歯について

95%の方が歯の治療経験があるという結果です。虫歯と心臓手術の因果関係が見えるかと思いましたが、良く考えたら世の中に虫歯の無い方はほとんどいないようなので意味のないアンケート結果となりました。心臓に菌が入り込む原因の一つに歯の治療、特に抜歯などがあると聞いたことがあります。でも、ほとんどの人に歯の治療経験がある以上、歯の治療をしたからといって必ずしも心臓を患うという訳ではありません。
④爪をかむ癖が・・・

同様に爪を噛む癖があると、爪先についていたばい菌が体内に取り込まれて心臓に到達することもあると聞いたことがあります。私自身、学生時代にイライラすると爪を噛むという癖がありました。アンケート回答では8割の方が爪を噛む癖はなかったとのことで、これも心臓病との因果関係を語ることはできないようです。弁膜症で弁が侵される原因の菌はカビのようなものらしいです。後天性であれば何かしらの原因で菌が体内に入り込み、心臓の中の弁という、極めて激しく血液が流れている部分であるにも拘わらず、あえてそこに菌が取りついて弁膜症を発するようです。風邪の予防もそうですが、手洗い、うがいなどで清潔な状態を保つことが心臓病の案外有効な予防策にもなるのかもしれません。
⑤手術が終わって目覚めた時に最初に想ったことは?
この質問に対するアンケート回答は、皆さんの言葉をそのまま掲載した方が術後すぐの気持ちがリアルに伝わると思います。
・俺は生きているのか?死んでいるのか?
・えっもう終わったの?(麻酔をしてから3秒後くらいの感覚でした)
・1回目:こんな楽でいいの? 2回目:拘束と口にも管だらけで2日間、意思疎通できなくいらいら。
・目覚めた時の景色が一般病棟と似ていたので、時間が経ちすぎて一般病棟へ移るまで寝ていたのかと思った。
・水分補給。目覚めた時の時間
・ここは何処と思ったがすぐに手術から生還したんだと自覚し心底ホッ!とした。
・ドレンが背中に当たっていたようで、大変痛かった
・ただ虚心に、「終わった。」と感じたような気がします。
・(手術が)終わった!とホッとした気持ちで家族と面会したことを思い出しました。
・息が吸えない、ねむい
・手術が成功したと思った
・ICUの中で、「あ~終わったんだ! 早く回復するように、眠ろう」と思いました。
・気管挿管が苦しい
・一番辛いらしい抜管が終わった、と思った。
・何だか息苦しい。手術終わったんだ…。と思いました。
・あれ、ココどこ?そいえば、手術したんだ。。。ってこと思った記憶があります。
・あれ?ここはなんだ?どうなってるんだ??ん?手術終わったのか???という感じ。通常の眠りから覚めるのと違って、急に場面が切り替わったように感じた。そのあとは、人工呼吸器が苦しかったから早くもう一度寝ようと思った。
・喉が乾いた
・喉が渇いた
・く、く、苦しい〰️
・あっ生きている!
・手術が終わったんだ。。。胸が熱い。
・形成術で終わったかどうかが心配でした。喉の入っている管が苦しかった!
・(目覚めたとき家族に成功と知らされたので)しめた!とりあえず手術成功だ〜次はICUを切り抜けよう!(結構冷静でした)
・とりあえず、手術が終わり生きているんだなあと思いました。
・生きてると思いました。
・終わった。喉の渇き
・人口呼吸器が1番苦しかったです。それと、心臓手術を舐めていた私は、目が覚めた時、苦しさのあまり、騙されたーっと、思いました。誰も、騙してはいないのですが。
・家族はどこに?
・生きてる、、
・生きてる!!
・今が、朝か夜かわからない。
・ここはどこだろう?何しているんだろう。
・手足が縛られていて人工呼吸器が喉に入った状態で、自分で呼吸しようとすると人工呼吸器と喧嘩してしまい呼吸が止まってしまうので怖かった。その時は生き返ったという感動は感じなかった。
・もう少し寝かせて。麻酔が覚めにくく、周りの人がたくさん声掛けして下さったらしいです。のどの渇き、痛みが分かるようになりありがとうと思いました。
・手術が終わってICU に移動してから手術を勧めてくれた内科の医師が手術が無事に終わったよって眼を覚まさせてくれて、一番最初に思った事と行動した事は内科の医師と握手を交わし、ありがとうと感謝の想いを伝えた事かな。
・目が開かない、声出せない
・喉が乾いた 息がしずらい
・(ICUで)あ、看護師さんがいる...
・真っ暗だったので「これから手術なのかなあ?」と思い、手術後と気が付いた時点で「形成術でできたのかなあ?」と・・・同時に「お水が飲みたい」と思いました。
・息が出来ず、このまま窒息死すると思った。
・気管挿管が終わっていたらいいな。
⑥心臓の薬を・・・

心臓の手術をした人は、例外なくほとんどの方がその後も心臓の薬を飲み続けているものだと思っていましたが、結果は違いました。術後3カ月くらいまではほぼ全員が心臓の回復のために何かしらの薬を処方されると思います。しかし、その後は、心臓の薬を処方されている方は6割強しかいません。4割弱の方は、術後は薬も不要な健康体に戻られている訳です。毎日の服用薬が無ければ、副作用の心配もなく、後編のアンケート回答で出てきますが、通院の頻度も間隔を長くすることができます。心臓病、特に弁膜症は、大きい意味では一過性のケガみたいなもので、治療が済めば薬も不要で、病気になる前の状態に完治できることが多いと言えそうです。
⑦飲んでいる薬の名前は?(心臓の薬を服薬されている方のみ)

心臓関連の薬って、こんなに沢山種類があるのですね!名前を聞いたことも無い薬が沢山ありました。まず、心臓の薬を飲んでいると回答された方の半数が飲まれているのが、バイアスピリンです。これは血液をサラサラにする薬です。でも、ワーファリン程の抗凝固作用はありません。打ち身などで内出血になることもありますが、大して酷くはなりません。南淵先生曰く、これは術後の方の予防の為にとりあえず処方している「どうでもいいっちゃどうでもいい(鼻くそみたいな)薬だ」と仰っています。ちなみに、薬価は安く1錠5円程だと思います。但し、胃酸を抑制する胃薬(タケプロンなど)を同時に服薬することが勧められているようです。薬を飲むための薬が必要という訳です。次によく飲まれているのがメインテートです。主に不整脈を防止する薬のようです。ワーファリン服用者が案外少なく感じました。機械弁を植え込んだ方は、生涯に渡ってワーファリンに代表される抗凝固剤を飲まなくてはなりません。一生持つ機械弁の宿命のようなものです。ワーファリンは何十年も世界中で使われている定番の薬ですが、血液凝固検査を定期的に行い服薬量を体の状態に応じて調整していく必要がありますし、内出血などのトラブルになる可能性も高いです。納豆のビタミンKがワーファリンの効果を弱めるので食べることができないのも好きな方には辛いですね。最近は、ワーファリンの欠点を補う新薬(エリキュースなど)が登場しているようで、それらを医者から勧められることもあるようです。薬は元々自然界に存在しない人工物なので本来は飲まないに越したことはないと思います。飲まないで抱えるリスクと飲むことで救えるリスクのバランス判断が大切なのでしょうか。全てを医者任せにするのではなくて、自分の体が本当にこの薬を必要としているのか、感覚的にでもその答えを捉えるようとする気持ちは必要かもしれません。
⑧入院中に一番つらかったことは?

開胸に伴う胸骨や創の痛み、体を自由に動かせないことによる背中の痛みが辛かったという方が全体の3割強です。私もICUから一般病棟に戻った初日はこの痛みでかなり辛かった記憶があります。小切開の手術ですとこれに対しては有利と考えられそうですが、逆に、小さい切開場所から胸骨に負荷をかけ開きあけて手術を行うので、術後の痛みは通常の正中切開より大きいと聞いたこともあります。一方、入院中に特に辛いことは無かったという方がその次に続きます。手術したのだから多少痛いのは当たり前と思えば、それ以外はなんとかなるのでしょう。でも、個人個人によって、術後の状態が悪くて極めて辛い思いをされたり、自分より後に手術した人が先に退院されるのに焦りを感じたり、中には病院スタッフの無神経な発言に傷ついたりされた方がいらっしゃいます。
前編の集計結果は以上です。後編の記事も公開済みです。合わせてご覧ください。
ご意見、ご感想がありましたらコメントにてお知らせ頂けると幸いです。(企画のやりがいになります。)
2018.11.10
(元)心臓病仲間のアンケート(第二弾)
企画・集計・考察 カムバックハートこと鍋島
(元)心臓病仲間のアンケート(第二弾)
(元)心臓病仲間のアンケート(第二弾)の集計結果は発表済です。引き続き、アンケート回答は募集しておりますので、未回答の方はご協力お願いいたします。随時集計結果を更新します。
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(元)心臓病仲間のアンケート(第二弾)を実施いたします。
アンケート第一弾に回答されていない方でも第二弾に回答して頂いてもちろん結構です。
また(元)心臓病仲間のアンケート(第一弾)も引き続き回答を募集中です。
アンケート実施の主旨については、前回(第一弾)のアンケート募集記事をご覧ください。今回も有意義なアンケート結果を発信できればと思っております。(元)心臓病仲間のみなさまのご協力を宜しくお願いいたします。
・対象は心臓手術のみです。その他の部位の手術はアンケート対象外です。
・心理的な面についての質問もありますので、必ず心臓手術経験者が記入してください。
・個人の特定はいたしません。ハンドルネームは公開しません。
・集計結果を後日当ブログ上で公開しますので、公開可能な情報のみ記入してください。
・複数回の心臓手術を経験されている方は、基本的に最新の心臓手術について記入してください。
・回答記入後、「確認」ボタンを押下し、その後、「送信」ボタンを押下してください。(「確認」ボタンだけでは送信されません)
・おひとり様、一回限りの送信でお願いします。
アンケート企画・回答集計: カムバックハートこと鍋島
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(元)心臓病仲間のアンケート(第二弾)を実施いたします。
アンケート第一弾に回答されていない方でも第二弾に回答して頂いてもちろん結構です。
また(元)心臓病仲間のアンケート(第一弾)も引き続き回答を募集中です。
アンケート実施の主旨については、前回(第一弾)のアンケート募集記事をご覧ください。今回も有意義なアンケート結果を発信できればと思っております。(元)心臓病仲間のみなさまのご協力を宜しくお願いいたします。
・対象は心臓手術のみです。その他の部位の手術はアンケート対象外です。
・心理的な面についての質問もありますので、必ず心臓手術経験者が記入してください。
・個人の特定はいたしません。ハンドルネームは公開しません。
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アンケート企画・回答集計: カムバックハートこと鍋島
【集計結果】 (元)心臓病仲間のアンケート(第一弾)
「(元)心臓病仲間のアンケート(第一弾)」の集計結果を発表いたします。(2018.10.30 1名分の回答追加、2018.10.28 8名分の回答を追加 2018.9.22 2名分の回答を追加)
この集計結果は、(元)心臓病患者の100%実体験に基づくデータです。実は今回集計作業を進める過程で、ある種の興奮が突然湧き上がってきました。それは、心臓病の本、雑誌や一般メディアを介してでさえも、この集計結果ほど価値のある情報を見つけだすことは容易ではないと思ったからです。定量的な集計結果に加えて、私自身の手術体験と当ブログを10年近く運営してきた中で仲間から聞いてきた話を元に、私なりの定性的な考察も文章で埋めてみました。これから心臓手術を受ける方、受けるかもしれない方々には、大いに参考にしてもらえる内容だと思います。但し、僧帽弁弁形成術を40歳の時に受けた管理人の当ブログの読者からの回答のみで構成された結果です。世の中一般のインターネットやアンケートの類に関心を持たれていない方々も含めた心臓手術体験者の全体的傾向とは幾分異なる面がありそうです。その点にはご留意の上、読み進めて頂ければと思います。
個人個人の心臓手術の体験を、ある同一のヒアリング条件下で規模集約してみると、全体としての共通性や傾向性、意外な特徴が現れるようになります。回答して頂いた方は、自分が各回答の正規分布上の果たしてどの辺に位置しているのか興味を持たれていることと思います。その結果は想像通りだったり、予想外だったり。術後の仲間の皆さんはそういう見方で集計結果を楽しんでもらうのも一つの方法かなと思っています。
今回のアンケートは、心臓病仲間に回答を促したり、回答集めの案内メールを送ったりは一切しておりません。純粋に、当ブログに訪問頂き、アンケートの回答に時間を割いて頂いた方々ばかりです。ハンドルネームを見ると、集まりでおなじみの仲間もいれば、初めてコンタクトして頂いたと思われる方が実は半数以上いらっしゃいました。関東近郊の集まりで直にコミュニケーション築けているのはごく限られた人数の仲間に過ぎないのだと改めて感じました。回答募集期間中に気付かれなかった方も多いと思います。回答は引き続き集めていますので、今からでも(元)心臓病仲間のアンケート(第一弾)に協力頂ければ幸いです。サンプル数が増えましたら集計結果を更新したいと思います。
実は、2010年に考心会が心臓病アンケート調査Ⅱを実施しています。私自身も回答したアンケートの回答者数は533名と当ブログの今回のアンケートよりはるかに規模の大きなものでした。質問内容も多岐に渡っており、実に貴重な価値を持ったデータ集であります。南淵先生の考察も載せられています。真似にならないようにと、考心会のアンケートを見返さずに今回の(元)心臓病仲間のアンケートを企画してみました。
貴重な体験データをご提供頂いたアンケート回答者の皆様、どうもありがとうございました。この企画は続ける価値があると考えますので、近いうちに発表するアンケート第二弾にも引き続きご協力をよろしくお願いいたします。次回は術後の仲間にとっても参考となるアンケート内容をより多く盛り込んでいきたいと考えています。
なお、私は統計学の専門家ではないので、もしかしたら集計方法等に誤りがあるかもしれません。お気づきの点がございましたら遠慮なくお知らせ頂ければ幸いです。
【集計結果】 (元)心臓病仲間のアンケート(第一弾)
①アンケート回答者の性別と年齢層:


アンケート回答者は大凡男性が6割、女性が4割でした。私がブログで知り合った方々のイメージは男女半々くらいなので、今回の結果はやや男性に傾いたのかもしれません。年齢層的には、40代、50代、60代の方が中心でした。これも実際のブログ読者の年齢層は30代以前の若い方や70歳以上の方がもっといらっしゃるはずです。今回は術後の方へのアンケートであることと、インターネットを介してアンケートに答える作業に慣れているかどうかなどの状況も反映されたものと思っています。
②受けた心臓手術の術式:

僧帽弁弁形成術が最も多く、次いで大動脈弁置換(生体弁)が続いています。当ブログ管理人が受けたのが僧帽弁弁形成術であったことから当ブログに到達された方の影響が大きいと思われます。しかし、僧帽弁なら弁形成、大動脈弁なら弁置換というのが最も件数の多いポピュラーな手技ではあるようです。弁置換は性別や年齢を問わず生体弁を選択される方がだんだん増えてきているように思えます。メイズ手術や三尖弁形成手術は、それ自体が単独で行われることは少なく、僧帽弁や大動脈弁の手術と同時に行われることが多いようです。その他の手術が4件ありました。アンケートでは内訳を聞かなかったのですが、ペースメーカー埋め込みや自己弁温存大動脈基部置換術(デイビッド手術)があると聞いています。
③これまでに心臓手術を受けた回数:

ほとんどの方が1回。つまり1回の手術できちんと心臓病を治癒させることができるのが現在の心臓手術の実力のようです。先天性心疾患で幼少期に一度受けて、大人になってから2回目を受けたという方もいらっしゃいます。3回手術の方は、バイパス手術の方でした。集まりで会う方の中には心臓手術を2回受けた方は珍しくはないので、将来的には生体弁の劣化に伴い再手術を受けるなどの再手術経験者が増えてくるものと思われます。再手術であってもリスクは以前に比べて減ってきているようです。
④心臓手術を受けた病院をどのようにして見つけたか?(複数回答可):

インターネットや本などを使い自分で調べて手術する病院を見つけた方が一番多くて61%を占めています。その次が内科医の紹介先の病院で受けたという方で34%。数十年前は、患者がお医者様を選ぶなんてことは許されるような時代ではなかったそうです。しかし現在は、心臓のように命を落とす危険もあるリスクの高い手術を受けるに際しては、患者の側がそれなりの調査を行って信頼できる病院や医師を見つけ出すというプロセスを実行される方が多いようです。内科医からの紹介でも、その紹介先に信頼を感じたのであれば全く問題はありません。家族・知人からの紹介=10%が意外に少ないと感じました。心臓病となると家族や他人任せではなくて、治療を受ける病院を自分自身で決断するという意識が強くなるのかもしれません。また、緊急につき救急車で運ばれるままであったという話もこのアンケートの回答以外にも何人かの仲間から聞いてきました。心筋梗塞や感染性心内膜炎、大動脈解離でありえるケースです。緊急手術であれば病院や医者を選んでいる余裕はないことがほとんどだと思います。しかしそうではない待機手術の場合であまり良くないと思うのは、敷かれたレールの上を自分が行きたい方向ではないのに風で背中を押されてなんとなく進んでいくような感じで手術の実行まで到達してしまうことかもしれません。結果が良ければそれも善ですが、もし何らかの理由で納得のいかない手術結果となった場合、手術に至るプロセスに自らが満足していない訳なので、後に残るのは心臓か合併症による他臓器の肉体的な不具合と精神面での納得感の無さではないかと思います。患者の側の自己責任という言葉が適切かどうか分かりませんが、緊急性のない待機手術であれば、患者自身が納得をして手術を受けることができる病院を選ぶことは重要だと思います。だからと言って、いつ辿り着くか分からない楽園を求めて途方もなく複数の病院を渡り歩くのは得策ではありません。理想は、最初に受診した心臓血管外科で気運を感じ、ここで手術を受けても良いと思える確信に繋がるフィーリングを得ることです。患者側にとって一番大事な仕事は、この病院・医者探しだと思います。信頼できるところを見つけて納得のいく決断をしてしまえば、患者としてやるべきことはほぼ終わったようなものです。後は少しでも良い体調を維持しつつ、医療関係者を信頼し手術の成功をお願いするだけです。
⑤心臓病が発覚したきっかけ:

予想通り、健康診断での指摘が一番多くて61%を占めています。健康診断はあまり意味がないという声を聞くこともありますが、病気発見の役割を全く担っていない訳ではないようですね。会社員であれば健康診断は法定検査なのでいやでも毎年受けることになります。しかしながら、毎年ちゃんと健康診断を受けていたにも拘わらず手術を受ける直前まで弁膜症の指摘を全く受けなかったケースが珍しくないのも事実です。自営業の方などは10年振りに健康診断を受けたという方もいたりして、そうした場合、大病を見逃しかねません。体調が悪い、疲れやすい、咳が出るなどなんらかの自覚症状を感じて受診したら、心臓病が発見された方は22%です。別の病気でたまたま受診した際に、心雑音を指摘されて精密検査を受けたら弁膜症、それも手術適応と診断されるケース=17%もよくあるケースのようです。心臓病(特に弁膜症)は、自覚症状を認識しにくい病気だということがこれらの数字によく現れていると思います。それに、自覚症状を感じたといっても、心臓病かもしれないと思いながら医者に行った方は少ないと思われます。自覚症状については、自分が病気だとは思いたくない心理状況や年相応だからと勝手な理由付けをして、本来の自覚症状を自覚症状として認識できない状況が長く続くということが多々あるのではないかと思います。術後元気になってから初めて、術前に抱えていた様々な自覚症状を過去のこととして明瞭に認識できることがあります。
⑥心臓病と分かってから手術までの期間は?:

これは人によってばらつきがあるようです。いつ心臓病が発覚したのかにもよります。心臓手術を受ける適応時期は医学的にガイドラインがあるはずなので、心臓病と分かったからと言ってあまりに早期に手術を受けても望ましい結果になるとは限りません。つまりこの質問の意味は、手術適応状態になるどれくらい前に心臓病を指摘されたのかということになります。中には指摘時既に適応充分だったというケースもあるかと思われます。
大きく分けると健康診断などで心臓病が発覚してから数カ月から1年くらいであれよあれよという間に受ける方と、心臓病と分かった時は軽度の診断でそれから何年も経過観察を続けて手術に至る方になるようです。個人個人の状態やタイミングに大きく影響されるようです。中には四半世紀以上も経過観察を続けなければならなかった方がいらっしゃいます。私も10年以上経過観察しました。白黒つかない状態が長く続くのは、普段の生活では心臓病のことを忘れているとしても、頭の片隅には不安や理不尽なものが常に潜んでおり心地の良いものではありませんでした。上述した健康診断で突然に手術適応を言い渡されるケースが少なくないのは、医者として決してそれまでの検診で見逃ししていたのではなく、今どうすることもできない余計な不安を目の前の患者に与えるよりも、せめて手術適応になるまでは心臓病であることを気付かないようにそっとしておいてあげようという医者というか一人の人間としての良心的配慮だったりするのかなと勝手な想像をしたこともありますが、まあこれはありえない作り話でしょうね(笑)。そんなことしている間に急速に症状が悪化進行するとも限りません。周りの仲間の話をこれまで聞いてきた内容によると、同じ弁膜症でも軽度から重度へ数カ月レベルで急激に悪化するケースと、何年、何十年もかけて徐々に悪くなるケースや、その両者の組み合わせのような場合があるようです。だとすれば、このアンケート回答にも納得がいきます。
⑦心臓手術を受けた時の年齢:

50~59歳が最も多くて39%、次いで、40~49歳が27%です。後天性の心疾患で最初の心臓手術を受ける方はこのあたりの年齢が多いようです。でも、実際に入院病棟で見かける患者さんの年齢層はもっと高いので、やはりこれも当ブログの読者に限ればという結果なのかもしれません。10代で手術を受けられた方から回答を頂きましたが、発熱が1カ月続き感染性心内膜炎と診断されて直ぐに手術に至ったとのことです。
⑧術前に受けた検査:

心エコー(超音波)検査、胸部レントゲン撮影、心電図検査の3つは定番で体への侵襲が無いか極めて少なく、ほぼ全員が受ける検査です。術前だけではなく、術後の定期検査でもほぼ毎回受ける検査だと思います。一方、ある程度の体への侵襲と引き換えに、もしかしたらそれ以上の価値(検査結果)が得られるかもしれない検査が、カテーテル検査、MRI、造影剤CTや経食道心エコー検査です。MRIは磁気による検査なので被爆はありません。心臓ではなく脳の血管の狭窄や瘤などの異常がないか検査するそうです。人工心肺の使用で血栓や血管のゴミが脳の血管に飛ぶことがあるからです。患者の術前の体の状態、医者や病院のポリシー的なものでどの検査を受けるのか受けないのかが判断されるようです。
⑨手術時間:

今回の回答では6時間という方が一番多くて27%でした。次いで、4時間が20%、3時間が17%です。術者の技量や手術の難易度にもよると思いますが、現在の確立された弁手術の標準的な手技であれば3~4時間というところのようです。以前、私が心臓手術を見学させてもらった僧帽弁弁形成術と大動脈弁置換手術はどちらも約3時間半の手術時間でした(詳細はこちらの記事)。2回目以降の再手術になれば、前回の手術によって起こる臓器の癒着をはがす手間が加わりますので、手術時間は相対的に長くなるようです。(マダムアリスさんの3回目の心臓手術では、癒着はがしだけでも初めての手術と同じくらいの時間がかかっていました。こちらの記事参照。)
⑩入院日数:

10-14日が28%、20-24日が26%、15-19日が21%でした。合併症もなく順調な回復であれば概ね2~3週間の入院期間のようです。中には予期せぬ術後のトラブル(感染症など)で入院が長期化する方もいらっしゃいます。
⑪輸血の有無:

73%が無輸血(自己血の使用を含む)、残りの27%が輸血を受けたという結果でした。4人に1人は輸血を受けていることになり、私の思っていた結果よりも輸血されている方が多いと感じました。無輸血の場合に自己血を使ったかどうかはアンケートしなかったのですが、自己血を術前に用意するかどうかは、病院や患者によってまちまちのようです。自己血をあらかじめ採取しておくことで他人の血液の輸血を避けることができる場合はあります。一方、採血によって体は幾分の貧血状態になる訳でそのダメージが手術までに回復できるかどうかという課題があります。自己血採取しないことで体にダメージを極力与えないで手術に向かうのと、果たしてどちらがベターかという判断だという話を聞いたことがありますが、医療関係者ではないので詳細は分かりません。
⑫退院したのは術後何日目?:

手術が終わって、10-14日目に退院したという方が一番多くて41%を占めています。15-19日目が17%、6-9日目という短期間で退院された方も17%いらっしゃいます。胸骨の切開も小切開で回復の早い方法を取るなど医療技術の進歩も寄与しているのかもしれません。術後19日目までに退院される方が全体の8割になります。大きな合併症が起こらず、危険な不整脈や発熱がないことが確認されて、退院許可が出されるようです。
⑬入院・手術の自己負担額(各種補助適応後・生命保険は除く):

インターネットで検索頻度の高いキーワードになっているのが「心臓手術の費用」の話だそうです。経済面に直結しますので、当事者、若しくはご家族としては関心が高いテーマだと思います。幸い、日本は医療機関によって値段が異なるということはなく全国同一価格で医療を受けることができます。どうせ同じ値段なら質の高い手術を受けたいというのが、上述した心臓手術を受ける病院をどのようにして見つけたかにもつながる話かと思います。
20-29万円の方が31%で一番多く、次いで40万円以上が21%でした。10-19万円が15%、30-39万円の方が13%でした。高額療養費補助制度のお蔭で、定価300万円の弁膜症手術や、500万かかる複雑な心臓手術でも、患者の実際の自己負担額は10分の1以下のこのような金額で収まってしまいます。高額療養費補助は月単位の清算なので入院期間が月をまたいだ場合は負担額も大凡倍になってしまいます。差額ベッド代を含んで回答して頂いた方も多いので、差額ベッド代がかからない大部屋などに滞在すれば負担額はもっと減ると思います。5万円未満の方が17%いるのは、高額療養費補助に加えて、会社員ならば勤務先で加入している健保組合によっては追加で付加金がでるので(その分健康保険料も高いですが)、自己負担額は月額2万~2万5千円という場合があるからです。1回目の手術で弁置換を行い障害者1級になっていたので2度目の手術は自己負担なしという方もいます。アンケートの回答には含めていませんが、生命保険に加入されている方は入院特約や手術特約でお見舞い金がでることもあるかと思います。よって、自己負担額は実質マイナスになる場合が多いのが心臓手術自己負担額の驚き(?)の実態のようです。(なので、手術を予定通り乗り越えた自分へのご褒美を買っちゃった方が案外多いかも?)更に、弁置換手術の場合は障害者1級の適応になりますので、弁置換以降の医療費は公費負担になるかと思いますが詳細を理解していないので記述は控えます。(同じ開心術でも弁形成術だと障害者1級にはなりません。)中には先天性の手術を受けられて自己負担400万円という方がいました。詳細はアンケートの回答からだけでは分からないのですが、もしかしたら保険適応とならない特殊な心臓手術を受けれたのかもしれません。
⑭仕事や学校への復帰/家事を一人でこなせるようになったのは術後どれくらいで?:

術後1カ月から1カ月半で、仕事や学校への復帰なり家事を普通にこなすなどの通常生活に戻られる方が大多数のようです。入院期間が長かったかどうか、又、回復度合の個人差による部分が大きいようです。他人の例と比較しすぎたり、医者の言葉を鵜呑みにしないで、あくまでも自分の身体の状態を自分自身でよく観察して、今の状態ならば何をどこまでやっても大丈夫かを意識しておくのが良いと思います。私も術後1カ月半経った頃には充分に復職可能な状態でした。ですが、術前に南淵先生からもらった診断書に「心臓の治療の為に3か月の休職を要す」と書いてありそれを会社に提出していたので、職場に遠慮することなく充分すぎるほどのリハビリ期間を取らせてもらうことができました。風邪などの一般の病気で休む訳ではないので、もし諸条件が許すのであれば、遠慮せずに沢山休暇を取得されると良いと思います。その点、家庭の主婦は一旦退院してしまえば、家事という仕事が目の前にやってきますので休んでいる訳にはいかないようです。そういう場合は、むしろ入院期間を長めにとったほうが得策かもしれません。
⑮心臓手術を受けてよかったと思っているか、後悔しているか?:

「よかったと思っている」方が回答者の中では100%でした(一人未回答あり、記入漏れなのか、どちらにも該当せず回答しなかったのかは不明)。「心臓手術を受けてよかったと思っている」という回答には、それに紐づくエピソードやドラマを各自お持ちのことでしょう。
⑯次回のアンケートに盛り込んでほしい質問は?:
沢山アイデアを頂きました。全ては実現できないかもしれませんが、次回以降の参考にさせて頂きます。
・受けた手術の内、「その他の心臓手術」の内容を具体的に本人に記入してもらう
・術後のツライ・困ったこと(傷の痛み・のどの渇き・微熱など項目選択式で)
・術後の薬の有無。スポーツなどしているか。
・手術しなければいけないって分かった時にどれくらい不安だったか。
・術後の傷の痛みや傷跡がケロイドになった場合の痛みやかゆみをどのようにしているか。
・心臓病と確定するまでに、実際に起こった身体の変調
・術後の経過
・手術前に精神的支えになった、思考や名言
・薬の服用状況 (処方の有無等)/通院頻度、診察内容/診察時間、病院滞在時間
・手術に関する情報開示を求めたか。DVD,カルテ等その料金。
・AEDを受けた体験談。
・入院中の推薦読書。
・術後の通院状況。執刀してもらった病院か地元の病院か。定期的な検査と薬の処方について。
・手術前後の体調の変化/手術前後の人生観の変化/手術の方法で自分の意見を反映させたか?または医者任せだったか?
・執刀医のお名前は?
・術前、術後で血圧にどのような変化がありましたでしょうか。
・術後、日常生活で気を付けていることは何でしょうか。
・ワーファリン服用による悩みとその対処方法は?
・執刀医(手術をした病院)にて、術後もみてもらっているのでしょうか。
以上、
2018.9.4
(元)心臓病仲間のアンケート(第一弾)
企画・集計・考察 カムバックハートこと鍋島
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この集計結果は、(元)心臓病患者の100%実体験に基づくデータです。実は今回集計作業を進める過程で、ある種の興奮が突然湧き上がってきました。それは、心臓病の本、雑誌や一般メディアを介してでさえも、この集計結果ほど価値のある情報を見つけだすことは容易ではないと思ったからです。定量的な集計結果に加えて、私自身の手術体験と当ブログを10年近く運営してきた中で仲間から聞いてきた話を元に、私なりの定性的な考察も文章で埋めてみました。これから心臓手術を受ける方、受けるかもしれない方々には、大いに参考にしてもらえる内容だと思います。但し、僧帽弁弁形成術を40歳の時に受けた管理人の当ブログの読者からの回答のみで構成された結果です。世の中一般のインターネットやアンケートの類に関心を持たれていない方々も含めた心臓手術体験者の全体的傾向とは幾分異なる面がありそうです。その点にはご留意の上、読み進めて頂ければと思います。
個人個人の心臓手術の体験を、ある同一のヒアリング条件下で規模集約してみると、全体としての共通性や傾向性、意外な特徴が現れるようになります。回答して頂いた方は、自分が各回答の正規分布上の果たしてどの辺に位置しているのか興味を持たれていることと思います。その結果は想像通りだったり、予想外だったり。術後の仲間の皆さんはそういう見方で集計結果を楽しんでもらうのも一つの方法かなと思っています。
今回のアンケートは、心臓病仲間に回答を促したり、回答集めの案内メールを送ったりは一切しておりません。純粋に、当ブログに訪問頂き、アンケートの回答に時間を割いて頂いた方々ばかりです。ハンドルネームを見ると、集まりでおなじみの仲間もいれば、初めてコンタクトして頂いたと思われる方が実は半数以上いらっしゃいました。関東近郊の集まりで直にコミュニケーション築けているのはごく限られた人数の仲間に過ぎないのだと改めて感じました。回答募集期間中に気付かれなかった方も多いと思います。回答は引き続き集めていますので、今からでも(元)心臓病仲間のアンケート(第一弾)に協力頂ければ幸いです。サンプル数が増えましたら集計結果を更新したいと思います。
実は、2010年に考心会が心臓病アンケート調査Ⅱを実施しています。私自身も回答したアンケートの回答者数は533名と当ブログの今回のアンケートよりはるかに規模の大きなものでした。質問内容も多岐に渡っており、実に貴重な価値を持ったデータ集であります。南淵先生の考察も載せられています。真似にならないようにと、考心会のアンケートを見返さずに今回の(元)心臓病仲間のアンケートを企画してみました。
貴重な体験データをご提供頂いたアンケート回答者の皆様、どうもありがとうございました。この企画は続ける価値があると考えますので、近いうちに発表するアンケート第二弾にも引き続きご協力をよろしくお願いいたします。次回は術後の仲間にとっても参考となるアンケート内容をより多く盛り込んでいきたいと考えています。
なお、私は統計学の専門家ではないので、もしかしたら集計方法等に誤りがあるかもしれません。お気づきの点がございましたら遠慮なくお知らせ頂ければ幸いです。
【集計結果】 (元)心臓病仲間のアンケート(第一弾)
①アンケート回答者の性別と年齢層:


アンケート回答者は大凡男性が6割、女性が4割でした。私がブログで知り合った方々のイメージは男女半々くらいなので、今回の結果はやや男性に傾いたのかもしれません。年齢層的には、40代、50代、60代の方が中心でした。これも実際のブログ読者の年齢層は30代以前の若い方や70歳以上の方がもっといらっしゃるはずです。今回は術後の方へのアンケートであることと、インターネットを介してアンケートに答える作業に慣れているかどうかなどの状況も反映されたものと思っています。
②受けた心臓手術の術式:

僧帽弁弁形成術が最も多く、次いで大動脈弁置換(生体弁)が続いています。当ブログ管理人が受けたのが僧帽弁弁形成術であったことから当ブログに到達された方の影響が大きいと思われます。しかし、僧帽弁なら弁形成、大動脈弁なら弁置換というのが最も件数の多いポピュラーな手技ではあるようです。弁置換は性別や年齢を問わず生体弁を選択される方がだんだん増えてきているように思えます。メイズ手術や三尖弁形成手術は、それ自体が単独で行われることは少なく、僧帽弁や大動脈弁の手術と同時に行われることが多いようです。その他の手術が4件ありました。アンケートでは内訳を聞かなかったのですが、ペースメーカー埋め込みや自己弁温存大動脈基部置換術(デイビッド手術)があると聞いています。
③これまでに心臓手術を受けた回数:

ほとんどの方が1回。つまり1回の手術できちんと心臓病を治癒させることができるのが現在の心臓手術の実力のようです。先天性心疾患で幼少期に一度受けて、大人になってから2回目を受けたという方もいらっしゃいます。3回手術の方は、バイパス手術の方でした。集まりで会う方の中には心臓手術を2回受けた方は珍しくはないので、将来的には生体弁の劣化に伴い再手術を受けるなどの再手術経験者が増えてくるものと思われます。再手術であってもリスクは以前に比べて減ってきているようです。
④心臓手術を受けた病院をどのようにして見つけたか?(複数回答可):

インターネットや本などを使い自分で調べて手術する病院を見つけた方が一番多くて61%を占めています。その次が内科医の紹介先の病院で受けたという方で34%。数十年前は、患者がお医者様を選ぶなんてことは許されるような時代ではなかったそうです。しかし現在は、心臓のように命を落とす危険もあるリスクの高い手術を受けるに際しては、患者の側がそれなりの調査を行って信頼できる病院や医師を見つけ出すというプロセスを実行される方が多いようです。内科医からの紹介でも、その紹介先に信頼を感じたのであれば全く問題はありません。家族・知人からの紹介=10%が意外に少ないと感じました。心臓病となると家族や他人任せではなくて、治療を受ける病院を自分自身で決断するという意識が強くなるのかもしれません。また、緊急につき救急車で運ばれるままであったという話もこのアンケートの回答以外にも何人かの仲間から聞いてきました。心筋梗塞や感染性心内膜炎、大動脈解離でありえるケースです。緊急手術であれば病院や医者を選んでいる余裕はないことがほとんどだと思います。しかしそうではない待機手術の場合であまり良くないと思うのは、敷かれたレールの上を自分が行きたい方向ではないのに風で背中を押されてなんとなく進んでいくような感じで手術の実行まで到達してしまうことかもしれません。結果が良ければそれも善ですが、もし何らかの理由で納得のいかない手術結果となった場合、手術に至るプロセスに自らが満足していない訳なので、後に残るのは心臓か合併症による他臓器の肉体的な不具合と精神面での納得感の無さではないかと思います。患者の側の自己責任という言葉が適切かどうか分かりませんが、緊急性のない待機手術であれば、患者自身が納得をして手術を受けることができる病院を選ぶことは重要だと思います。だからと言って、いつ辿り着くか分からない楽園を求めて途方もなく複数の病院を渡り歩くのは得策ではありません。理想は、最初に受診した心臓血管外科で気運を感じ、ここで手術を受けても良いと思える確信に繋がるフィーリングを得ることです。患者側にとって一番大事な仕事は、この病院・医者探しだと思います。信頼できるところを見つけて納得のいく決断をしてしまえば、患者としてやるべきことはほぼ終わったようなものです。後は少しでも良い体調を維持しつつ、医療関係者を信頼し手術の成功をお願いするだけです。
⑤心臓病が発覚したきっかけ:

予想通り、健康診断での指摘が一番多くて61%を占めています。健康診断はあまり意味がないという声を聞くこともありますが、病気発見の役割を全く担っていない訳ではないようですね。会社員であれば健康診断は法定検査なのでいやでも毎年受けることになります。しかしながら、毎年ちゃんと健康診断を受けていたにも拘わらず手術を受ける直前まで弁膜症の指摘を全く受けなかったケースが珍しくないのも事実です。自営業の方などは10年振りに健康診断を受けたという方もいたりして、そうした場合、大病を見逃しかねません。体調が悪い、疲れやすい、咳が出るなどなんらかの自覚症状を感じて受診したら、心臓病が発見された方は22%です。別の病気でたまたま受診した際に、心雑音を指摘されて精密検査を受けたら弁膜症、それも手術適応と診断されるケース=17%もよくあるケースのようです。心臓病(特に弁膜症)は、自覚症状を認識しにくい病気だということがこれらの数字によく現れていると思います。それに、自覚症状を感じたといっても、心臓病かもしれないと思いながら医者に行った方は少ないと思われます。自覚症状については、自分が病気だとは思いたくない心理状況や年相応だからと勝手な理由付けをして、本来の自覚症状を自覚症状として認識できない状況が長く続くということが多々あるのではないかと思います。術後元気になってから初めて、術前に抱えていた様々な自覚症状を過去のこととして明瞭に認識できることがあります。
⑥心臓病と分かってから手術までの期間は?:

これは人によってばらつきがあるようです。いつ心臓病が発覚したのかにもよります。心臓手術を受ける適応時期は医学的にガイドラインがあるはずなので、心臓病と分かったからと言ってあまりに早期に手術を受けても望ましい結果になるとは限りません。つまりこの質問の意味は、手術適応状態になるどれくらい前に心臓病を指摘されたのかということになります。中には指摘時既に適応充分だったというケースもあるかと思われます。
大きく分けると健康診断などで心臓病が発覚してから数カ月から1年くらいであれよあれよという間に受ける方と、心臓病と分かった時は軽度の診断でそれから何年も経過観察を続けて手術に至る方になるようです。個人個人の状態やタイミングに大きく影響されるようです。中には四半世紀以上も経過観察を続けなければならなかった方がいらっしゃいます。私も10年以上経過観察しました。白黒つかない状態が長く続くのは、普段の生活では心臓病のことを忘れているとしても、頭の片隅には不安や理不尽なものが常に潜んでおり心地の良いものではありませんでした。上述した健康診断で突然に手術適応を言い渡されるケースが少なくないのは、医者として決してそれまでの検診で見逃ししていたのではなく、今どうすることもできない余計な不安を目の前の患者に与えるよりも、せめて手術適応になるまでは心臓病であることを気付かないようにそっとしておいてあげようという医者というか一人の人間としての良心的配慮だったりするのかなと勝手な想像をしたこともありますが、まあこれはありえない作り話でしょうね(笑)。そんなことしている間に急速に症状が悪化進行するとも限りません。周りの仲間の話をこれまで聞いてきた内容によると、同じ弁膜症でも軽度から重度へ数カ月レベルで急激に悪化するケースと、何年、何十年もかけて徐々に悪くなるケースや、その両者の組み合わせのような場合があるようです。だとすれば、このアンケート回答にも納得がいきます。
⑦心臓手術を受けた時の年齢:

50~59歳が最も多くて39%、次いで、40~49歳が27%です。後天性の心疾患で最初の心臓手術を受ける方はこのあたりの年齢が多いようです。でも、実際に入院病棟で見かける患者さんの年齢層はもっと高いので、やはりこれも当ブログの読者に限ればという結果なのかもしれません。10代で手術を受けられた方から回答を頂きましたが、発熱が1カ月続き感染性心内膜炎と診断されて直ぐに手術に至ったとのことです。
⑧術前に受けた検査:

心エコー(超音波)検査、胸部レントゲン撮影、心電図検査の3つは定番で体への侵襲が無いか極めて少なく、ほぼ全員が受ける検査です。術前だけではなく、術後の定期検査でもほぼ毎回受ける検査だと思います。一方、ある程度の体への侵襲と引き換えに、もしかしたらそれ以上の価値(検査結果)が得られるかもしれない検査が、カテーテル検査、MRI、造影剤CTや経食道心エコー検査です。MRIは磁気による検査なので被爆はありません。心臓ではなく脳の血管の狭窄や瘤などの異常がないか検査するそうです。人工心肺の使用で血栓や血管のゴミが脳の血管に飛ぶことがあるからです。患者の術前の体の状態、医者や病院のポリシー的なものでどの検査を受けるのか受けないのかが判断されるようです。
⑨手術時間:

今回の回答では6時間という方が一番多くて27%でした。次いで、4時間が20%、3時間が17%です。術者の技量や手術の難易度にもよると思いますが、現在の確立された弁手術の標準的な手技であれば3~4時間というところのようです。以前、私が心臓手術を見学させてもらった僧帽弁弁形成術と大動脈弁置換手術はどちらも約3時間半の手術時間でした(詳細はこちらの記事)。2回目以降の再手術になれば、前回の手術によって起こる臓器の癒着をはがす手間が加わりますので、手術時間は相対的に長くなるようです。(マダムアリスさんの3回目の心臓手術では、癒着はがしだけでも初めての手術と同じくらいの時間がかかっていました。こちらの記事参照。)
⑩入院日数:

10-14日が28%、20-24日が26%、15-19日が21%でした。合併症もなく順調な回復であれば概ね2~3週間の入院期間のようです。中には予期せぬ術後のトラブル(感染症など)で入院が長期化する方もいらっしゃいます。
⑪輸血の有無:

73%が無輸血(自己血の使用を含む)、残りの27%が輸血を受けたという結果でした。4人に1人は輸血を受けていることになり、私の思っていた結果よりも輸血されている方が多いと感じました。無輸血の場合に自己血を使ったかどうかはアンケートしなかったのですが、自己血を術前に用意するかどうかは、病院や患者によってまちまちのようです。自己血をあらかじめ採取しておくことで他人の血液の輸血を避けることができる場合はあります。一方、採血によって体は幾分の貧血状態になる訳でそのダメージが手術までに回復できるかどうかという課題があります。自己血採取しないことで体にダメージを極力与えないで手術に向かうのと、果たしてどちらがベターかという判断だという話を聞いたことがありますが、医療関係者ではないので詳細は分かりません。
⑫退院したのは術後何日目?:

手術が終わって、10-14日目に退院したという方が一番多くて41%を占めています。15-19日目が17%、6-9日目という短期間で退院された方も17%いらっしゃいます。胸骨の切開も小切開で回復の早い方法を取るなど医療技術の進歩も寄与しているのかもしれません。術後19日目までに退院される方が全体の8割になります。大きな合併症が起こらず、危険な不整脈や発熱がないことが確認されて、退院許可が出されるようです。
⑬入院・手術の自己負担額(各種補助適応後・生命保険は除く):

インターネットで検索頻度の高いキーワードになっているのが「心臓手術の費用」の話だそうです。経済面に直結しますので、当事者、若しくはご家族としては関心が高いテーマだと思います。幸い、日本は医療機関によって値段が異なるということはなく全国同一価格で医療を受けることができます。どうせ同じ値段なら質の高い手術を受けたいというのが、上述した心臓手術を受ける病院をどのようにして見つけたかにもつながる話かと思います。
20-29万円の方が31%で一番多く、次いで40万円以上が21%でした。10-19万円が15%、30-39万円の方が13%でした。高額療養費補助制度のお蔭で、定価300万円の弁膜症手術や、500万かかる複雑な心臓手術でも、患者の実際の自己負担額は10分の1以下のこのような金額で収まってしまいます。高額療養費補助は月単位の清算なので入院期間が月をまたいだ場合は負担額も大凡倍になってしまいます。差額ベッド代を含んで回答して頂いた方も多いので、差額ベッド代がかからない大部屋などに滞在すれば負担額はもっと減ると思います。5万円未満の方が17%いるのは、高額療養費補助に加えて、会社員ならば勤務先で加入している健保組合によっては追加で付加金がでるので(その分健康保険料も高いですが)、自己負担額は月額2万~2万5千円という場合があるからです。1回目の手術で弁置換を行い障害者1級になっていたので2度目の手術は自己負担なしという方もいます。アンケートの回答には含めていませんが、生命保険に加入されている方は入院特約や手術特約でお見舞い金がでることもあるかと思います。よって、自己負担額は実質マイナスになる場合が多いのが心臓手術自己負担額の驚き(?)の実態のようです。(なので、手術を予定通り乗り越えた自分へのご褒美を買っちゃった方が案外多いかも?)更に、弁置換手術の場合は障害者1級の適応になりますので、弁置換以降の医療費は公費負担になるかと思いますが詳細を理解していないので記述は控えます。(同じ開心術でも弁形成術だと障害者1級にはなりません。)中には先天性の手術を受けられて自己負担400万円という方がいました。詳細はアンケートの回答からだけでは分からないのですが、もしかしたら保険適応とならない特殊な心臓手術を受けれたのかもしれません。
⑭仕事や学校への復帰/家事を一人でこなせるようになったのは術後どれくらいで?:

術後1カ月から1カ月半で、仕事や学校への復帰なり家事を普通にこなすなどの通常生活に戻られる方が大多数のようです。入院期間が長かったかどうか、又、回復度合の個人差による部分が大きいようです。他人の例と比較しすぎたり、医者の言葉を鵜呑みにしないで、あくまでも自分の身体の状態を自分自身でよく観察して、今の状態ならば何をどこまでやっても大丈夫かを意識しておくのが良いと思います。私も術後1カ月半経った頃には充分に復職可能な状態でした。ですが、術前に南淵先生からもらった診断書に「心臓の治療の為に3か月の休職を要す」と書いてありそれを会社に提出していたので、職場に遠慮することなく充分すぎるほどのリハビリ期間を取らせてもらうことができました。風邪などの一般の病気で休む訳ではないので、もし諸条件が許すのであれば、遠慮せずに沢山休暇を取得されると良いと思います。その点、家庭の主婦は一旦退院してしまえば、家事という仕事が目の前にやってきますので休んでいる訳にはいかないようです。そういう場合は、むしろ入院期間を長めにとったほうが得策かもしれません。
⑮心臓手術を受けてよかったと思っているか、後悔しているか?:

「よかったと思っている」方が回答者の中では100%でした(一人未回答あり、記入漏れなのか、どちらにも該当せず回答しなかったのかは不明)。「心臓手術を受けてよかったと思っている」という回答には、それに紐づくエピソードやドラマを各自お持ちのことでしょう。
⑯次回のアンケートに盛り込んでほしい質問は?:
沢山アイデアを頂きました。全ては実現できないかもしれませんが、次回以降の参考にさせて頂きます。
・受けた手術の内、「その他の心臓手術」の内容を具体的に本人に記入してもらう
・術後のツライ・困ったこと(傷の痛み・のどの渇き・微熱など項目選択式で)
・術後の薬の有無。スポーツなどしているか。
・手術しなければいけないって分かった時にどれくらい不安だったか。
・術後の傷の痛みや傷跡がケロイドになった場合の痛みやかゆみをどのようにしているか。
・心臓病と確定するまでに、実際に起こった身体の変調
・術後の経過
・手術前に精神的支えになった、思考や名言
・薬の服用状況 (処方の有無等)/通院頻度、診察内容/診察時間、病院滞在時間
・手術に関する情報開示を求めたか。DVD,カルテ等その料金。
・AEDを受けた体験談。
・入院中の推薦読書。
・術後の通院状況。執刀してもらった病院か地元の病院か。定期的な検査と薬の処方について。
・手術前後の体調の変化/手術前後の人生観の変化/手術の方法で自分の意見を反映させたか?または医者任せだったか?
・執刀医のお名前は?
・術前、術後で血圧にどのような変化がありましたでしょうか。
・術後、日常生活で気を付けていることは何でしょうか。
・ワーファリン服用による悩みとその対処方法は?
・執刀医(手術をした病院)にて、術後もみてもらっているのでしょうか。
以上、
2018.9.4
(元)心臓病仲間のアンケート(第一弾)
企画・集計・考察 カムバックハートこと鍋島
(元)心臓病仲間のアンケート(第一弾)
(元)心臓病仲間のアンケート(第一弾)の一次集計結果はこちらの記事にて発表済みです。
アンケートの回答は引き続き募集しております。未回答の方はご協力をお願いいたします。
ある程度サンプルが増えましたら、集計結果を更新したいと思います。
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(元)心臓病仲間のアンケート(第一弾)を実施いたします。
これから心臓手術を受けることになり、心臓病や心臓手術に関する情報を得ようとインターネットでキーワード検索して当ブログに訪問してくる方は多いと思います。一方、これまでに心臓手術を受けた多くの(元)心臓病仲間もこのブログを読んでくれています。心臓手術体験者の回答を集計して公開することで、両者の参考になればと思いアンケートを企画してみました。
ある程度の回答が集まりましたら、集計結果と私なりの考察を記事として当ブログで発表したいと思います。できるだけ多くの心臓手術経験者のご協力をお願いいたします。
・対象は心臓手術のみです。その他の部位の手術はアンケート対象外です。
・心理的な面についての質問もありますので、必ず心臓手術経験者が記入してください。
・個人の特定はいたしません。ハンドルネームは公開しません。
・集計結果を後日当ブログ上で公開しますので、公開可能な情報のみ記入してください。
・複数回の心臓手術を経験されている方は、基本的に最新の心臓手術について記入してください。
・回答記入後、「確認」ボタンを押下し、その後、「送信」ボタンを押下してください。(「確認」ボタンだけでは送信されません)
・おひとり様、一回限りの送信でお願いします。
アンケート企画・回答集計: カムバックハートこと鍋島
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アンケートの回答は引き続き募集しております。未回答の方はご協力をお願いいたします。
ある程度サンプルが増えましたら、集計結果を更新したいと思います。
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これから心臓手術を受けることになり、心臓病や心臓手術に関する情報を得ようとインターネットでキーワード検索して当ブログに訪問してくる方は多いと思います。一方、これまでに心臓手術を受けた多くの(元)心臓病仲間もこのブログを読んでくれています。心臓手術体験者の回答を集計して公開することで、両者の参考になればと思いアンケートを企画してみました。
ある程度の回答が集まりましたら、集計結果と私なりの考察を記事として当ブログで発表したいと思います。できるだけ多くの心臓手術経験者のご協力をお願いいたします。
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アンケート企画・回答集計: カムバックハートこと鍋島