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入院五日目

心臓の手術。弁膜症の手術は、全身麻酔をかけられて、胸骨という胸の骨を縦にノコギリで切断され、心臓を停止させて、その間は人工心肺という機械によって全身に血液が送り込まれる状態で心臓の部屋の中にある弁の修理が行われる。その後、心臓を再鼓動させて、胸骨をワイヤーで固定して創を塞ぐ。非常に恐ろしい治療行為だ。南淵先生は、「およそ人が人に対して行うこの世で最大規模の侵襲行為」だとおっしゃっている。

心臓病の本を読んだり、ネットで調べれば詳しい情報が得られるが、手術には「リスク」が存在する。最悪は命を落とす可能性もある。

心臓の状態、他の病気を合併しているかどうか、年齢や体力的な面などによって、確率的な条件は異なるのであろうが、手術を受ける本人にとっては、0%か100%のどちらかしかない。

心臓の手術は、医者に受けなさいと指示されて受けるものではなく、患者が自らの意思で手術を受けることを決断するべきである。南淵先生の本にも繰り返しそう書かれている。

自分で決断するということは、「リスク」について自らが認識することも含まれるし、治療によって健康な体に戻れる期待を抱くことも含まれる。

私は、「自分が死ぬ」ということを、これまでの人生において真剣に考えたことはなかったような気がする。学生時代のバイクの交通事故で、脳震盪を起こして事故後の記憶が数時間なくなった時は、少しは命の大切さ、生還したという雰囲気は感じたかもしれないが、そのこともすっかり忘れていた。

今回、心臓の手術を受ける決断をするにあたり、やはり、死については真剣にはイメージできなかったと思う。自分が死んだら残った家族がどうなるということは全く想像できなかった。その一方、親孝行し損ねて既に亡くなっている父と天国で会って話ししたり、一緒にあの世で酒でも飲めるから、万が一、死んでも怖くないと思っていた。

病気になったのも運命、手術することになったのも運命・・・

「死生観」、そんなこと、普段は考えないよなぁ・・・

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プロフィール

Author: カムバックハート

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カムバックハートこと、鍋島と申します。神奈川県川崎市在住の51歳男性。

2008年12月に40歳で心臓の僧帽弁形成手術を受けて、第二の人生をスタートさせることができました。

南淵先生と私

南淵先生と私(術後の初外来にて)


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このブログは、私が心臓弁膜症の僧帽弁閉鎖不全症という病気に診断されたところから、入院、手術、退院、その後の生活という流れで時系列に記載しています。手術を受けた時の描写は2008年12月の状況ですので、その後の医学の進歩で内容的に古くなっている部分があるかもしれません。実際の患者にしか分からない心理的な面の記述をできるだけ表現したつもりです。最初から読まれる場合は、「★はじまり ~こちらからご覧下さい~

(元)心臓病仲間のアンケートを企画・回答集計しました(2018年秋)。これから心臓手術を受ける方にはとても参考になるデータだと思います。アンケート集計結果はこちらの記事へ

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yomiDr.のサイトにある世相にメス 心臓外科医・南淵明宏ブログ にこのブログのことを書いて頂きました。こちらの記事には第三回(元)心臓病仲間の集まりについて書いて頂きました。
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