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あまり知られていない謝礼の話

答えにくい質問だと思ったので、先日来企画していた(元)心臓病仲間のアンケートではあえて盛り込まなかった質問があります。手術を受けた病院や医者に対して謝礼を渡したかどうかという質問です。ブログを読んだ方から時々メールで頂く質問でもあります。

謝礼を渡すべきか渡さなくても構わないのか?渡すタイミングは、入院前、術前それとも術後?お金で?幾らくらいが相場なの?などなど。

以前は、ご高名な大学教授に執刀してもらうならば○○○万円、助教授クラスなら○○万円、(研修医の練習台でもいいですよ!ならば○万円?(ほんまかいな!))なんていう話が実際にあったようです。謝礼とは違う話ですが、某製薬会社の営業の方から直接聞いた話では、自社の薬を病院で沢山使ってもらうための医者への接待は、時に一晩で30万円も使ったことがあるそうな。

まあ、これらはバブル期以前の昔のことだそうです。現在の世の中にもしそのような医者がいたとしたら、患者からの信頼は得られず、見放されて医療として成り立たないようです。これも某製薬会社の方が言っていました。

そもそも謝礼を渡す意味はなんぞや?一般的な解釈としては、心臓手術を執刀してもらい予定通りに元気に回復した。命を救ってもらったという情念からの感謝の意味合いで金銭的にお礼がしたいという医者や病院スタッフに対する患者の気持ちを表したものというところでしょうか。もし自分が医者の立場であったなら、自分が執刀した患者から何をしてもらったら一番うれしいかと考えてみると良いかもしれません。必ずしも、金銭的なやり取りでなくても、例は上げませんが別の形でのお礼の伝え方は沢山あります。今日、謝礼目当てで手術を行う外科医は皆無だと思います。公立病院などであれば、病院の廊下に謝礼禁止の貼り紙が貼ってあることがあります。それでも渡す人はこっそり渡すようですが。

もう何十年も前のことですが、私の父が病気で地元の病院に入院していたある日、父が看護師さん達へのお礼に、お昼にお寿司を出前でとって振る舞っていたことがありました。父は、美味しく食べてもらえたと母や私に伝えてくれました。当時若かった私は親のその行動を見て、本当にお世話になっている人に感謝することは素晴らしいことなんだと嬉しく思った記憶が鮮明に残っています。

拡張性心筋症などを患っている幼児が海外に渡航して心臓移植を受ける為に、募金を募る活動がよく報道されています。自分の心臓が元気になったお礼に心臓病で苦しむ仲間の為に募金をするという方法もあります。謝礼とは違う形ですが、考えてみても良い、心臓に関わる感謝の気持ちを表現する行動なのではないかと思います。

結論として、謝礼はあくまでも個人の判断だと思います。渡したければ渡せばよいし、渡さなくても充分な医療費は支払われています。他人がどうしたかを参考にする必要性も、金額相場といったものもなにもありません。

ここまで私の意見を書いたところでお終いにしようと思いましたが、「これじゃ何も参考にならんぞ」とブログ読者に思われてしまいますね。ここまで読み続けてくれた方への情報を一つご紹介します。以前お薦めしたことがあるのですが、「図解これで安心!心臓手術」という本があります。心臓外科医の小坂眞一先生が書かれた本です。心臓病患者向けに心臓の病気、薬や検査の種類、手術の方法、術後のことなどをとても分かり易く説明されています。その本の中に「主治医や執刀医に対する謝礼は必要ですか?」という質問とその答えが書かれています。「原則として心づけは不要。もし医者やスタッフが要求してくるような病院であれば別の病院に移るべき。手術後であれば無視すること。それでも、私はどうしても渡さないと気が静まらないという人は・・・手術当日は執刀医や別の外科医が必ず病院に泊まって患者の術後管理をしています。時には徹夜での対応になることも。当直のアルバイト料と言われている相場金額相当を主治医に、執刀医で主治医(泊まってくれる医者)であればその倍くらいが謝礼として妥当でしょう。(自分の勤務先の病院で当直してもこのアルバイト料よりかなり少ない金額の手当しか出ないそうです)」とのことです。当直アルバイト料の相場が幾らくらいなのかはご自身で調べてみてください。

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謝礼のことはネット上でも、いろいろな見解があるようですね。
実は入院中、ある方から謝礼について相談を受けました。

ちょうど退院が見えてきた頃のことです。デイルームで声をかけられ、年齢も近かったのでいろいろ話をしていたのですが、その方は入院直後でした。何回目かに出会ったときに謝礼の話になりました。私は自分の考えを伝えましたが、それから2~3日で退院したのでその方がどうされたかについてはわかりません。

私の入院先では、謝礼お断りみたいな紙は無かったですが、噂でも謝礼の話は聞かなかったですね。結局は患者さん、その御家族の気持ち次第で良いのかもしれません。

ちなみに執刀医からは
手術後は元気を取り戻し、病気だったことを忘れて生活してもらえることが最もうれしいことだと、お聞きしました。

その時は、こんな大病忘れるわけが無いと思いましたが、この頃はは確かにほとんど忘れています。

コメントありがとうございます。

豆パパさん、コメントありがとうございます。

そうですね、、ネットで謝礼なんて言葉を検索したことなかったのですが、
いろいろな見解が書かれているのかもしれませんね。
でも、検索してみようという気にならないのは、豆パパさんも仰る通り、結局のところは、
患者本人や患者の家族の気持ち次第ということに私は結論づいているからのような
気がします。

手術したことを忘れてしまうくらい順調な回復は、治療した側の最も嬉しいことというのは
想像できます。実際そういう(元)患者は多いと思います。
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Author: カムバックハート

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カムバックハートこと、鍋島と申します。神奈川県川崎市在住の51歳男性。

2008年12月に40歳で心臓の僧帽弁形成手術を受けて、第二の人生をスタートさせることができました。

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このブログは、私が心臓弁膜症の僧帽弁閉鎖不全症という病気に診断されたところから、入院、手術、退院、その後の生活という流れで時系列に記載しています。手術を受けた時の描写は2008年12月の状況ですので、その後の医学の進歩で内容的に古くなっている部分があるかもしれません。実際の患者にしか分からない心理的な面の記述をできるだけ表現したつもりです。最初から読まれる場合は、「★はじまり ~こちらからご覧下さい~

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