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(元)心臓病仲間の手術体験 -ゆきにゃんの場合-

思い返せばゆきにゃんとの出会いも、やはり術前に頂いたメールからでした。そろそろ心臓手術を受ける時期だと自分で認識されていた折、「日程を具体的に決める前に、手術を経験された方とお話ができたらと思いメールさせていただきました」という連絡をもらいました。第八回の(元)心臓病仲間の集まりに術前参加してもらい、予定通りに手術を終えた後は、常連女性メンバーとして仲間を盛り上げてもらっています。ここ最近の(元)心臓病仲間の手術体験記の連打に刺激されてか、ゆきにゃんの心臓手術体験記が送り届けられてきました。やはり、同じ弁膜症であっても、肉体的状況や心理的思考は人それぞれですね。あと、文体というか文章の表現方法も人それぞれ特徴があって面白いと思いました。

カムバックハート

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ゆきにゃんの心臓手術体験記

弁膜症が分かったのは本当にたまたまで。
手術の数年前の30代中頃から、健康診断では心雑音を指摘されてたし心電図も陰性T波って書かれたけど、経過観察だったから「年取るとそんなもんかね~」って全然気にしてなかった。

2012年から一時的にPMS(月経前症候群)が辛くてピルをもらってて、2013年3月にその血液検査で血栓の数値が引っかかって要精密検査。っても基準値を微妙にオーバーしてるだけで、大丈夫っぽい。でもまあ循環器内科ってよく分からないけど行く機会ないし、記念に行っとくか~wってノリで循環器内科へ行き、婦人科からの紹介状で数値を見た循環器の先生にも鼻で笑われつつ「じゃあ一応、精密検査やりますか?」って感じで精密検査の予約を入れる。

2013年5月に検査して、当然のように「血栓の方は問題ありません」
「でも心エコーで僧帽弁という弁に異常が見つかりました。経過観察して、もしかしたら将来的に手術が必要になるかもしれません」というような説明を受ける。
急に心臓が悪いって言われても「誰が?は?私??」って全く、完全に実感ない。
「ふ~ん?まあ大したことなさそうだし、定期的に検査受ければいいんでしょ。手術なんてそうそうならないよね」と思ってた。
自覚症状?疲れやすいけど、運動不足の中年だから仕方ないかなって程度で、心臓のせいかどうかは分からないなぁ。 って感じ。

とりあえず、ネットで弁膜症と手術について調べる。

手術って心臓止めて切るんだ!
そんなん大丈夫なの?と思ったけど成功率すごい高い。
へ~、心臓って止めて切って縫って動かしてって出来るんだ~。そんなもんなんだね~。まあ筋肉だしな。ちょい特殊だけど。
手術結果の統計にはリスクが高いのも入ってるだろうし、条件悪くなければほぼ成功する手術なんだなと理解。
リスクが高いと思われるのは、心筋肥大などで心臓の状態が悪い、感染症がある、他にも大きな病気がある、高齢、緊急手術とかかな?
実績のある先生を選んで、事前に検査してちゃんと準備して挑めば大丈夫そう。
まあ手術だからリスク0にはならないけど、他の手術に比べてリスクが高いわけじゃない。何したって常にリスクはあるから、万全で挑むだけだ。

弁膜症が進むと心臓の状態が悪くなって手術のリスクが上がるし、回復も遅くなる可能性がありそう。といってもそこまで悪くないのに急いで手術する必要もないし、ほどよいタイミングで手術するのが良いのね。
なるほど~。手術しなくても、感染症予防に歯の治療はしておいた方がいいな。

まあ私はスグに手術が必要って訳じゃないけど、もし、もし、手術してもらうとしたら~、せっかく(?)大きな手術でチョイ珍しい病気だし(少なくとも知り合いにはいなかった)雑誌に載ってる”名医”みたいな先生にお願いするのもいいな~ (この辺からミーハーモードw) そんな時くらいワガママ言ってもいいよね!天皇陛下の執刀医・天野先生だってお願いできるんじゃない!?幸い都内も近いし♪
(この辺で鍋島さんのブログに辿り着いて、手術体験記熟読)
ふむふむ、南淵先生もいいな~。鍋島さん手術終わって元気そう。
まあ、もしも手術が必要ってことになったら、そういう実績のある先生の中から選んでお願いしよ~っと。

と思ってたら。
2014年4月、経過観察の循環器内科で「変わりはありませんか?」なんて話してるときにフッと先生の手元を見ると、前の先生(途中で先生が移動になって病院&先生変わった)からの紹介状があって「逆流:中から重程度」って書いてあるのが見えた。
ん?あれ?それって結構悪いヤツじゃ?ってか手術適応に近いんじゃない?
(先生が教えてくれなかったんで、勝手に自分は軽度だと思ってた)

ん~~~?と若干混乱しつつ、家に帰ってネットで調べる。
どうやらザックリ一般的に、内科の先生は「様子を見ましょう」と言い、外科の先生は「手術しましょう」と言う傾向があるっぽい。
内科の先生は手術って言いだしにくいとこがあるのかも?患者さん取りみだすかもしれないもんね。
外科の先生は職人ぽいとこあるし治せる自信があるんだろうから、状態が悪くなりすぎる前に手術した方が仕上がりがいいというかそんな感じ?

ってことは、外科の先生から見たら手術適応なのかも?私。
そういわれてみれば、疲れやすいし息切れするし夏バテひどいし湯あたりするし。歳のせいかと思ってたけど、心臓のせいなの??

え~、思ったより悪いんじゃん。
なにこれ、遠くない将来に本当に心臓手術ってこと?…産まれて初めての手術が心臓手術だって。すごいなf(^^;
じゃあ本気で手術してもらう先生考えておこうっと。

調べると、色んな術式があるみたいだけど、最新式のやつとかは実績が少ないよなぁ。
創が小さいとかいいなぁと思うけど、やっぱ実績のある先生にやりやすいようにやってもらうのがいい気がする。骨を切ってガバッと開いた方がやりやすいならそうしてもらていいや。
ってことで、実績のある信頼できる先生を選ぼう。

でも、ある程度以上実績のある先生なら、誰にお願いしても大丈夫な気がするなぁ。
近所でもそこそこ実績のある病院がある。旦那に来てもらうのに近所の方がいいかな?でもやっぱ有名な先生もいいよなぁ。
と、色々悩んで(ミーハー的にw)有名な先生方の著作物なんかも読んだりして、磯村先生にお願いしたいかなと(ちょっとファンになったというかw)

それで翌週、循環器内科へ血液検査の結果聞く&心エコーとか撮りに行ったんで、先生に「もしかしてゆくゆく手術の可能性があるんだったら、外科の先生にも診て欲しいかな~と思うんですけど…」と控えめに切りだすと「それでしたら、うちで紹介してるのはお宅のご近所の○○病院とか、○○病院とか、葉山ハートセンターとか…」「あ、葉山ハートセンター、磯村先生いいかなと思って…」「あ、磯村先生いいですよっ!磯村先生なら、もう本当に信頼おける先生ですから!分かりました、すぐ紹介状書きますね!!」って感じで先生のテンションが上がる。
なんかよく分からんけど、磯村先生オススメで良かった~。
(※当時、磯村先生は葉山ハートセンターにいらっしゃった)

んで、2014年5月初めに葉山ハートセンターに予約を入れて磯村先生に診てもらう。
検査の結果を直接、磯村先生から聞く。
磯村先生曰く
●弁逆流の程度は4段階中3
●心臓が若干大きくなってる
●バーローバルブという、僧坊弁逸脱症の中でもチョイ特殊な弁の状態
 ・普通の弁より厚みがあって、ゼリー状でぶよぶよしてる
 ・形成が、バーローじゃない普通の弁よりやや困難
  (磯村先生はそれなりにやったことがあるから、弁形成でいけると思うと)
手術、いつやります?(確か、翌週だかその次の週くらい空いてますよっていわれたような・・・f(^^;)
いやいや手術のつもりはあるけど、そこまですぐとは(汗)…ってことで、コーディネーターのお姉さんと相談して9月初めににすることに。
仕事を整理して、歯の治療をしなければいけないし。
結局手術直前には症状が進んでかなりヘロヘロになってたから、タイミングとしてはちょうどいい感じになった。

循環器の先生が磯村先生オススメだったのはバーローバルブだからだったのね。たぶん。
バーローバルブ、(元)心臓病仲間の中でも私とkeloさんだけじゃなかったっけ?ちょっと珍しい。
循環器の先生も”アナタは心臓手術が必要な上に特殊な弁で手術が難しいので、良い先生にやってもらったほうがいい”って、患者さんに言いにくいよね~。
私から磯村先生って言い出してくれて助かったってとこか?

まあそんなんで歯の治療して、仕事調整して休めるようにして、検査も色々やって問題なく。
旦那が手術を怖がって騒いでうるさかったけど(手術するのは私だってのww)
手術直前には症状が進んで&夏バテでバテバテだったんで、ご飯作ってもらうとか甘やかしてもらって(^^)

(元)心臓病仲間の集まりにも初めて参加させてもらって、磯村先生仲間と話をしたり。
集まりに来てるのは元気のいい人ばかりとは聞いてたけど、本当に何の集まりか分からんほどで、男性陣はスポーツやってる人も多くて元気がはじけてたw
私も元気になれるといいな~(と、その時は思ったけど、現状、はじけるほどは元気じゃないですw 中年として普通くらいww)

そういえば、弁形成できなかった場合に生体弁にするか機械弁にするかって、手術前に決めなきゃいけないけど、あまりよく考えなかった気がする(爆)
弁形成で行けるでしょ~と思ってたのと、なんか集中力なくて細かいところまで考えを詰められなかったというか。
ってか迷うよねぇ。その辺は集まりでもよく話題になるし。

手術の前の8月には自己貯血しに行って、普通400mlx2回採血のところを貧血気味だから200mlx3回で…って言ってたら2回目の採血の帰り道で具合悪くなり、吐きながら帰ったら1週間前に家に転がり込んできた妊婦猫様が仔猫を産んでる最中というカオスw ブッ倒れて吐きつつ猫様の出産を見守りながら葉山ハートセンターに電話したら「こちらに来ていただければ点滴出来るんですけど…」って、もう1時間半かけて家に帰ってきてるがなっ!途中で電話するべきだったか。(寝たらマシになった)
それが入院1週間前だったんで、結局自己貯血400mlで手術に挑んでほぼ全部使ってギリギリだったりとか。

手術は目が覚めたら終わってて(6時間くらいかかったらしい)思ったことは「人工呼吸器何これ苦しい~もう一度寝る~」で、次に目が覚めたときに弁形成できたって聞いたんだっけ?手術で除去した弁を見せてもらった。
ビロロ~ンって感じで本当にゼリー状?
旦那が写真を撮ってくれたけど、あの伸びるさまを動画に撮っておかなかったのが悔やまれるw

入院中もいくつか想定と違うことがあったけど(あばら骨が痛くて1週間くらい熱が出た&創から漿液が出過ぎて創が閉じられず入院が伸びた&そのせいで、高額療養費の関係もあるし月内に退院しようと思ってたのに翌月になった)まあ大したことなかったし、基本は先生&看護師さんにお任せだし(時間になると美味しいご飯が出てくる幸せw)、なんか、そういうこと気にならない性格なんで、入院中困ったことといえば猫様のお世話が出来ないことと、インターネットに繋がらなくて暇だ~ってくらいで無事退院できた。

退院後は、退院したから治ったと思いたがる旦那との認識のズレがきつかった。

旦那は基本的にはご飯作ってくれたり色々やってくれて優しかったんだけど・・・。
ちょい脳ミソ筋肉なとこがあるんで、たま~にアホが発動・暴走して困った。

旦那、すごい頑丈でとにかくタフな人なんだけど(だからこそ?)病院とか大嫌いで、私が手術するのもすごく怖がって大騒ぎしてて(苦笑)
そんなんで、退院したらもう治ったことにしたい気持ちもあったんだと思う。
治ったんじゃなくて毎日処置する必要がないから退院してるだけなんだけどね。

あと健康な人って、この微妙な状態を理解できない。
回復には個人差があるし、徐々に回復してても良くなったと思ったらイマイチな日があったりするし、そういうグラデーションみたいなの理解できない。
自分がなってみないと、なかなか分からないかもね。

個人差はあるけど、私は特に骨が痛くて(他の人はそこまで痛くない。病院では若い方が痛いと言われたけど…それなりに骨密度あったのかなぁ?)退院した直後に思ったのは「世の中バリアフリーじゃない!」w
レストランのドア(重いやつ)を開けるのに悪戦苦闘したり、毎朝起き上がるとき痛くて時間がかかってたりしてた。
徐々やれることは増えてくけど、術後1ヶ月位だとまだ胸骨をかばいながら動くって感じ。
そこそこ元気は元気だけど、健康な人の思う元気とは違うつーの。
私は創のおかげで入院が長引いて助かったかもしんない。

幸い(?)旦那の同僚の家族で同じ手術をした人がいて、本調子になるまで時間がかかった話を聞いて考えを改めてくれたんだけど。
しかし、それまでにいくつかヤラカシてくれたので、後日、大説教大会になりw有効と思われる再発防止策を提示できるまで、コンコンと私に問い詰められる旦那w(最終的に結構有効な策を示した)
(その後に旦那自身もケガをしたのもあって、アホは発動しなくなった(^^;)

今は4年ちょっと経ってボチボチ元気です。

薬なしで数年過ごしてます。
今でも坂道は苦しいし、ランニングとかする気にはなれないなぁ。
元々運動苦手だし。
でもまあ、疲れやすいけど徐々に体力付いてきてるかな。
ちょこちょこ不具合あるけど、運動不足中年のせいもあるからな~w
そろそろ少しずつ体動かそうかな~って気持ちになる程度には元気になってます(^^)v

執筆: ©ゆきにゃん(2018年12月)

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Secret

No title

ゆきにゃんさん と会っている身なので、この文体人柄と一致! 

手術という深刻な状態なんですが

ついつい笑って読んでしまいましたw

同じ心臓手術とは言え 皆それぞれのバックボーンがあって
手術を受けるまでのヒストリーがある

そーゆーのも 皆が集まる時の楽しみだったりしますね!

No title

わ~い、姫野さん、ありがとうございます♪
書いてるときはそんなでもなかったけど、鍋島さんのブログに載せてもらったら文体の違和感がスゴイww

自分のブログにも書いてるけど、自分的にはあんまり深刻じゃなかったんですよね~。

みんなの手術受けるまでの経緯とか聞くと面白いですよね。それぞれドラマがあって。
他の方の手術体験記も読みたいですよね!

No title

ゆきにゃんさんの体験記、面白いですねえ!
姫野さんのおっしゃるように、読んでいるとゆきにゃんさんのお顔がはっきり浮かんできて思わず笑ってしまいます。

「骨を切ってガバッと開いた方がやりやすいならそうしてもらっ
ていいや。」・・・・この潔さには脱帽です!僕はこの部分、いつまでもウジウジと悩んでましたねえ。

バーロー症候群(バーローバルブ)

こんにちわkeloです。
「ゆきにゃんさんの心臓手術体験記」興味深く読ませてもらいました。皆さん言うようにインタビューみたいでとても読みやすかったです~!
 
ゆきにゃんさんの術前から術後にかけての経緯はリアルタイムで詳しく伺ってたつもりでしたがこうしてあらためて読ませてもらうと「磯村先生・葉山ハートセンター」という共通項だけでなく、症状的にもかなり自分と似ていたんだな~と感じました。
 特にバーロー症候群(バーローバルブ)については「元心臓病患者の集まり」でも確かにゆきにゃんさん分以外で聞いた事なく、やっぱり珍しい症状なんですね~磯村先生でも百例(だっけ)くらいしか経験ないような事仰ってたし経験のない下手な外科医だったらどうなってたかな~とあらためてお互いラッキーでしたね?
 
また元気でお会いしましょう!

No title

ともちゃん
ありがとうございます~♪

潔いっていうか、結局やるのは先生だしなぁってのもあるんでf(^^;
最終的には先生にお任せするしかないですよね。

でも後になってみると、私は骨が痛いのが長引いたんで、骨を全開にしない術式も良かったかなぁなんて思ったり(まあ、やる前には骨が痛くなるのは予見できないんですけどw)
(元)心臓病仲間の集まりに行くと、ともちゃんみたいに手術したての人もいて、今の術式のトレンド?が分かっていいです。
次回(いつだ?w)やるときには、もっと低侵襲の術式が確立してると良いな~とか、iPS細胞で弁とか、なんなら心臓作って入れ替えてくれればいいのにとか思ってますw




keloさん
こんにちは!読みやすいなんて言ってもらえて嬉しいです(^^)

バーローバルブ、他で聞かないですよね~?ネットでほとんど情報が出てこなかったです。
磯村先生にやってもらったおかげで弁形成で問題なくすごしてますが、経験が多くない先生だったら弁置換になってたかもしれないですね。
除去した弁を見てもデロンデロンで、よくコレを切って縫って塞がるようにしたなぁって思いましたし。
術前のエコーのデータをもらったんですが、弁がビロロ~ンってなっててウケますw みんなに見せたいくらいww
(専用アプリみたいなので見るようになってるから多分ネットに上げられないけど)

術前の症状とか手術までの経緯も、いろんなドラマがありますよね。
また次回、色々なお話ができるのを楽しみにしています♪
プロフィール

Author: カムバックハート

カムバックハートブログバナー

カムバックハートこと、鍋島と申します。神奈川県川崎市在住の50歳男性。

2008年12月に40歳で心臓の僧帽弁形成手術を受けて、第二の人生をスタートさせることができました。

南淵先生と私

南淵先生と私(術後の初外来にて)


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(元)心臓病仲間のアンケートを企画・回答集計しました。これから心臓手術を受ける方にはとても参考になるデータだと思います。こちらの記事へ

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南淵明宏先生の公式サイトにある「勇患列伝」 その7に出てくる「平松」とは私のことです。

yomiDr.のサイトにある世相にメス 心臓外科医・南淵明宏ブログ にこのブログのことを書いて頂きました。こちらの記事には第三回(元)心臓病仲間の集まりについて書いて頂きました。
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