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「将来の医者さがし」 Keloさん、Ayaさんとの架空対談

(元)心臓手術仲間との付き合いも長くなってくると、将来について共通の関心事が起こってくることがあります。今日は、(元)心臓病仲間であるKeloさんとAyaさんとの最近のメールの内容を題材として架空の対談形式にまとめてみました。(協力者のKeloさんとAyaさんには文面公開の許可を頂いております)

カムバックハート) Keloさんとの(元)心臓病仲間としてのお付き合いは早いもので9年になりますね。Ayaさんとも、術前に参加して頂いた集まりの時からですから既に6年ですね。

Kelo) いつの間にか、そんなに時が経っているのですね。手術後、元気に過ごすことができてありがたく感じています。

Aya) 私もあんなに貴重な体験をしたのに、もう細かく思い出せないくらい平穏無事に過ごしています。元気になれた証拠だと思っています。

カムバックハート) 我々は僧帽弁の形成術を名医に執刀してもらい、その後、健常者同様の生活や仕事をこなすことができています。Ayaさんが言うように、あれだけドラマチックな心臓手術の体験も普段は忘れてしまうくらい、術後は順調な方が多いのだと思います。

ですが、最近の集まりでは、2度目、3度目の心臓手術を経験されたという方も珍しくなくなってきました。先日は4回目の心臓手術(幼児期の先天性心疾患の手術を含む)を経験された方も現れました。弁の形成術や機械弁への弁置換であれば、多くの場合、一度の手術で一生持たせることができると思われます。生体弁については、弁の劣化という課題がどうしてもあるので、年齢によっては再手術は当然に認識すべき状況ではあるようです。(上記再手術された方も、劣化した生体弁を入れ替えるために再手術したという方が多いです)

弁の形成術を受けた人も、弁置換を受けた人も、定期的に心臓の検査・診察を受け続けて、将来なにか変化が起これば早期に状況を把握できるようにしておくことが大切だと思います。

Kelo) 定期検査を受けている中で、日ごろ診てもらっている医者が突然勤務先を異動されることがありますよね?

Aya) はい、私が診てもらっていた先生も最近、病院を異動されました。先日、転院先の病院に行ってきたのですが、総合病院ということもあって、心エコー検査が混み合い、別の日に出直しとなってしまいました。予約を取ってから行ったのに、出直すと言っても結構距離があるんだけどなという気持ちを抱かざるを得ませんでした。初診なので致し方ない部分もあったのだと思います。

また、検査項目に体重測定がなかったのですが、普通に考えれば無くても良いくらいの検査かもしれませんが、私たちのように不安要素を抱えている患者さんにとっては、病気のサインを見落とさないようにする大事な項目なんだけどなぁと、専門病院とは異なり、良くも悪くも合理化されてしまっていると感じました。

他の皆さんも、小回りのきく専門病院から総合病院や大学病院に移られると、患者さんにとっての利便性の点で違いを感じられているのでしょうか?

Kelo)  心エコー検査ができなくて別の日に出直しはちょっと酷いですね。実は、僕も、カムバックハートさんから情報を頂いていたお蔭で、最近、主治医が新たに異動された病院に行ってきました。総合病院でしたが、新しくてとてもきれいな病院で、なかなか良さそうな病院で安心しました。でも、言われてみると、専門病院のあの検査・診察の素早さに比べればレントゲンとかで1階から2階へ移動したりしたので多少面倒ではありましたが、待たされた感じはなかったです。

カムバックハート) 術後の定期フォローだけだったら、弁膜症手術後一番大事な検査である心エコー検査を行えて、素早く検査結果を診察できけるような小回りのきく民間病院や専門病院がベターだと思います。但し、何か心臓に新たな現象が発生しているときに見落とすことなく確実に診てくれる医者に診てもらうことが第一条件であっての上ですが。

Kelo)  ところで、心臓外科医って、何歳くらいまで現役でいられるんですかね?個人差もあるとは思いますが。

カムバックハート) さて、どうなんでしょう。。。手が震えてなければ大丈夫と深津さんが言っていましたが(笑) 50~60歳代は一番油のノッテいる時期だと思いますし、70歳代になっても現役の有名な外科医は多数いるので、定年を自分で決めることができる医者はサラリーマンの私からすると少し羨ましく思えたりします(笑)

Kelo)  僕を手術してくださった先生は現在60代後半になられていて、現在は現役でバリバリ手術されてます。ですが、もし数年後かもう少し先に弁の漏れがひどくなり僕が再手術する事になった時に、続けてその先生に執刀いただくのか?正直迷う時があるんですね。僕は今は手術が必要なわけではないですし、普通の生活を送れてますが10年以上の長いスパンでこの病気と付き合う中で主治医・執刀医選びという課題はどうしても考えざるを得ないと思うんです。

例えば(縁起でもない話で大変申し訳無いですが)カムバックハートさんがもしもう一度心臓手術を受けるとした場合、南淵先生以外だとどなたを執刀医に選ばれますか? 

カムバックハート) 僕の場合は、心臓については、今は南淵先生以外の先生は全く考えていないです。南淵先生に絶大な信頼をおいていますので。

ただ、将来の執刀医をあらかじめ視野にいれて普段から検討しておくことは大事だと思います。マダムアリスさんや他の患者仲間とも以前からそういう会話をしていました。

現在、第一線で活躍されている心臓外科医、所謂一軍の全国で50名程度の心臓外科医には、徒弟制度のように、必ず、その弟子さんがいるそうです。なので、自分が今信じている第一線の心臓外科医の弟子さんをマークしておくのが一つの手だと思います。海外留学して助手として連日手術を経験してきた有能な若い活のいい先生なんかが良いですね。

ただ、そういう次世代の第一線の外科医となるであろう医師と巡り合うのは容易ではないようです。そういう医師とめぐり会うには、現在の第一線の医師とコンタクトがある中で、助手として執刀してくれたり、入院時の術後管理をしてくれたり、外来で代理で診てもらった等の接点の中で、フィーリングが合致して初めて知り合うものだからです。そもそも、第一線の心臓外科医の有能な弟子さんが一体誰なのか、実はぱっとは分かりません。名前を挙げるのも難しいですね。また、若くて有望でも、突然外科医を辞めて、開業内科医になってしまう先生もいらっしゃいますし(実話)

となると、やはり、集まりの場などで、患者仲間同士の生の評判を参考にするのが有効な方法なのでしょうね。

最初の質問に戻って、僕が南淵先生以外の執刀を受けるとするとどの医者を選ぶかですが、僕が思っている将来の展開は次の通りです。
術後のこの11年間、ずっと南淵先生に診てもらっていて、先生は、「自分の執刀した患者は一生面倒を見る」と仰っています。だから、南淵先生に手術してもらえる間は別の医者の選択の必要性がないと思っています。ですが、僕の方が先生より年齢は10歳若いのですよね。もしかしたら再手術適応となる日に南淵先生が現役でいらっしゃらない可能性があるかもしれません。でも、その時は、南淵先生自身がその時点において全面的に信頼をおく医者を僕に紹介してくれて、その後のケアをその医師に任せるであろうと思われます。よって結局のところ、今は将来のことは全く考えていないです。そもそも、再手術があるかどうかも分からないし、形成で10年以上問題なくやって来れたので、このまま一生大丈夫である可能性の方が高いような気がします。

(元)心臓病仲間の輪があれば、必要な時には必要な情報が入るし、一度心臓手術を経験したことがある人なら、緊急手術でもない限り、どうするべきかという判断能力は十分に備わっていると思います。なので、やはり結局のところ、今からあまり深刻に医者探しすることもないかもしれませんね。

Kelo)  その通りですね。でもこんな話させてもらうのも手術後10年近く無事だからこその贅沢な悩みなのかもしれません。医者選びというテーマは、術前の患者さんにとっても、又、(元)患者さんにとっても普遍的なテーマだと思いますので、今後も集まりなどで話題にしていけたらなと思います。

Aya)  私は経過観察して頂くにしろ、何かあった時の対処をして頂くにしろ、将来的なことを見据えて南淵先生と手術されていた若い先生の外来を受診しています。この先、長く心臓のことを診てもらうには自分と歳が近い先生の方が良いかなと思ったのですが、南淵先生も現役でいらっしゃるので、所属される病院が異なってしまった場合にどの先生に診ていただくのがベストなのか、適切な判断がなかなかつかないままです。しばらく通ってみてやっぱり違うなと思った時には、また情報を集めて通院先を考えたいと思います。

話が横にそれて恐縮ですが、「将来を考える」繋がりで女性の患者さんに発信しておきたいことがあります!
心臓手術後に出産を望まれている方は、都内にある榊原記念病院で心臓手術をすることを選択肢の一つにしても良いと思います。おめでたいことではありませんが、私も昨年お世話になりました。榊原は循環器の専門病院というイメージで産婦人科があるのは意外でしたが、心疾患を抱えた患者さんの妊娠・出産、おなかの子に心疾患が疑われる場合に対応して頂ける診療科として平成26年に開設されたそうです。健康な女性にとっても出産は命がけのことなので、まして心疾患を抱えた人にとってはマタニティライフを心臓とセットでサポート頂けるのでしたら、大変安心できるのではないかと思いました。
もちろん、別の病院で心臓手術を行ってもきちんと連携は取って頂けますので、執刀医ありきで選ぶ方法もあると思います。
本人が心疾患を抱えている場合のみならず、ご家族が罹患されている場合の何かの参考になればと思います。
(記憶違いだったら申し訳ございませんが、榊原は確か、かかりつけ医を自宅付近の別の医療機関とする医療スタイルのため、手術と術後の経過観察のあり方までを含めて検討する必要があります。)

カムバックハート) Ayaさんの女性視点での情報はこのブログの読者の方にも参考になりますね。榊原記念病院は仲間の多くが手術を受けている心臓手術にかけては全国的に有名な病院ですが、副次的にそういう特徴を加えてアピールすることでその病院の魅力が増してくると思います。

今日は貴重な情報交換をありがとうございました。引き続き、患者仲間の輪で有効な情報を共有していきましょう。

以上。

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まとめて頂き有難うございました!

まとめて頂き有難うございました!
Ayaさんのお話・カムバックハートこと鍋島さんのお話、とても勉強になります。
そして、あらためて(元)患者同士の情報の大切さを痛感しました。だって、今回の「将来の医者探し」というテーマなんてお医者さんに直接聞けないですもんね?

※(術前のブログ読者の方へ念の為)本文中でも言ってたかもですが、鍋島さん同様僕も二度目の手術はまずないと思ってます。ただせっかく治してもらった心臓なんで万にひとつの可能性もケアもしたいな〜と鍋島さんに質問した次第で、、、「何回も手術するのが当たり前」とは思わないでくださればと。有難うございました。

基本は一回!

Keloさん、早速のフィードバックありがとうございます。
お二人からのメールの内容がうまく組み合わさるなあと思って
架空対談を思いつきました。

Keloさんがコメントされているように、弁膜症は基本的に一回の手術で
治す病気です。一回の手術で、一生持たせるのが基本だと思います。
実際に大半の手術経験者は1回だけの手術です。
当ブログで行った(元)心臓病仲間のアンケートの結果でも、9割の方が
1回だけの手術経験者でした。
アンケート結果はこちらを参照⇒
https://comebackheart.blog.fc2.com/blog-entry-299.html

例外としては、比較的若い年齢であえて生体弁を用いた弁置換を行った場合です。
この場合は、生体弁が10年から15年(場合によってはもっと早く)で劣化して
再置換手術が必要だからです。もっとも、この場合、患者本人がその点を十分理解
した上で、最初の手術の際に自ら生体弁を選択しているはずです。(これまた例外として
出産の可能性のある女性が緊急で病院に運ばれて手術しなくてはならない場合などで、
選択の時間がない場合は病院の判断で生体弁を使用するようです。機械弁だとワーファ
リン服用の副作用で出産に影響があるためです)

愛車を長く乗るには、無茶な運転をしたりせず、定期的に点検するなどケアが必要ですが、
同じように、折角治してもらった心臓ですから、長く持つように、健康に留意するような
生活を心がけ、定期的な検診を継続することは大事だと思います。
これは不自由な制約を自らに果たすことではありません。気持ち的に心臓のことを大切に
思って愛でてあげましょうという意味合いです。

今後医療の進歩で、このあたりの状況も変化してくるかもしれませんが、ご参考までです。

情報ありがとうございます!

カムバックハートさま、皆さま

こんにちは、yukoです。
(リアルでは長らくご無沙汰しており恐縮です)

私にとってはすごくタイムリーな話題でして、
じっくり&ありがたく拝読しました。

私は家庭&仕事の都合で、もしかしたら年末年始頃に、
2回目の心臓手術(僧房弁の生体弁置換の予定)をするかもしれません。

来週は、セカンドオピニオンのために、医療情報提供書類を
もらいに行ってきます。(で、榊原記念病院へ伺うつもりです)

皆さまとシェアできそうな話題があったら、またご連絡しますね!
ではでは。

こんにちは!

yukoさん、こんにちは。

生体弁の再置換予定とのこと。そろそろ時期がやってきたのでしょうか。
昨年くらいからそういう仲間が何名かみられるようになりました。
でも、再手術とは言っても、最初の手術より楽だったという方が多いのが特徴です。
医学の進歩はもしかしたら患者の想像以上のものなのかもと思っています。

榊原記念病院は、仲間の多くが心臓手術を受けている病院です。Ayaさんの
ホットインフォもありましたが、色々な取り組みしているようですね。是非レポートを
お願いします。
プロフィール

Author: カムバックハート

カムバックハートブログバナー

カムバックハートこと、鍋島と申します。神奈川県川崎市在住の51歳男性。

2008年12月に40歳で心臓の僧帽弁形成手術を受けて、第二の人生をスタートさせることができました。

南淵先生と私

南淵先生と私(術後の初外来にて)


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但し、私は医者やカウンセラーではないので医学的なご質問にはお答えできません。初めて連絡下さる方は簡単なプロフィールをお願い致します。

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お知らせ
このブログは、私が心臓弁膜症の僧帽弁閉鎖不全症という病気に診断されたところから、入院、手術、退院、その後の生活という流れで時系列に記載しています。手術を受けた時の描写は2008年12月の状況ですので、その後の医学の進歩で内容的に古くなっている部分があるかもしれません。実際の患者にしか分からない心理的な面の記述をできるだけ表現したつもりです。最初から読まれる場合は、「★はじまり ~こちらからご覧下さい~

(元)心臓病仲間のアンケートを企画・回答集計しました(2018年秋)。これから心臓手術を受ける方にはとても参考になるデータだと思います。アンケート集計結果はこちらの記事へ

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南淵明宏先生の公式サイトにある「勇患列伝」 その7に出てくる「平松」とは私のことです。

yomiDr.のサイトにある世相にメス 心臓外科医・南淵明宏ブログ にこのブログのことを書いて頂きました。こちらの記事には第三回(元)心臓病仲間の集まりについて書いて頂きました。
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