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書籍紹介: 『100年を生きる 心臓との付き合い方』 天野篤著 セブン&アイ出版 

(元)心臓病仲間のYukoさんがSNSで紹介されていた天野先生の本を読みました。久しぶりの心臓関係書籍です。以前であれば心臓に関する本は、患者向けのものでも医療関係者向けのものでも目につけば手当たり次第に読んでいましたが、最近は別分野の本を読んでいることが多い状況です。



 『100年を生きる 心臓との付き合い方』 天野篤著

一言でいうと、心臓病(虚血性心疾患、大動脈瘤や弁膜症)の方や、それらを予防したい方が、心臓病のこと、心臓手術のこと、病気の予防のことを理解するのに役立つ読みやすい本です。

私が心臓手術を受けたのは2008年ですが、当然のごとくその後の心臓手術の技術は大きな進歩を遂げています。比較的最近手術を受けた患者仲間と話をすると、「へぇ、今はこんな風にやってるんだ」と、術前術後の過ごし方やリハビリの仕方など、当時との違いを感じることがあります。人工弁や人工血管などの材料や手術器具もどんどん改良されているようです。

この本には、最近の心臓手術が以前と比べてどう変化してきたか、今後どうなっていくのかといった事情が説明されている点も勉強になりました。

(元)心臓病仲間のYukoさんは、読み進めながら付箋を付けていくと、付箋だらけになったとコメントしていましたが、私も興味ある部分やなるほどなと思った頁に付箋を付けていったら、Yukoさん同様に本が付箋だらけになりました。

例えば、私が関心を持って読んだのは、こんな小タイトルの記事の部分です。

・虫歯菌が心臓の弁を破壊する。その恐ろしいメカニズム
・大動脈弁の先天的な異常で、大動脈解離となるケースも
・「前かがみの姿勢」で、「しゃがみ込む」は、やってはいけない
・お酒と心臓病。体に引き起こす作業が心臓の負担を増大させる
・血液をサラサラにする薬の飲み過ぎは、脳出血を招く可能性も
・バイパス手術と弁の手術、不整脈の改善手術を一度に行う
・手術支援ロボット「ダビンチ」が心臓手術に導入され始めた
 → 僧帽弁閉鎖不全症の治療を想定して保険適用の対象になった
 → なぜ、僧帽弁閉鎖不全症の弁形成手術にダビンチが向いているのか?
・ロボット手術に、人工知能・・・外科医の未来はこう変わる
・医師の技術格差は大きいので、病院選びが大切

(元)心臓病仲間の集まりでも、よく話題になるテーマですね。
それらを天野先生が詳しく解説してくれているので、最近の心臓病、心臓手術についての知識を手っ取り早く得るならこの本がフィットしていると思います。

それともう一つ。

心臓手術の時、手術台で寝ている患者の右側がメインの執刀医、左側は助手の医師の定位置ですが(旅客機の操縦士(左)と副操縦士(右)とは逆ですね!)、それがなぜなのか、この本に答えが書いてありました。

知ってしまえば、単純な理由です。右利きの人にとっては患者の右側に立って手術した方が心臓の位置などから手術をしやすいためだそうです。(だったら、左利きの外科医はどうするの?という新たな疑問が・・・)

以前、心臓手術を見学した際、南淵先生がが執刀する重要パートが終わって、助手の先生が最後の仕上げをする時間帯になると、助手先生は患者の左側から右側に移動されていました。今さらながらに納得です。

書店で買うなり、Amazonで買うなり、最寄りの図書館で借りるなり、一読をお勧めします。

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⇒comment

Secret

ありがとうございます!

鍋島さま

(元)心臓病仲間のYukoです。
ブログにとりあげてくださって、ありがとうございます!

さすが!わかりやすいまとめ文章で、再読している気分になりました。
(自分は付箋だらけの写真1枚ですませてしまったw)

個人的にはこのご本は、天野先生から患者さんへ向けた、
術後の人生をよりよく生きるための応援歌だと(勝手にw)思ってます。

術前術後にかかわらず、不安を感じている方にもおすすめしたいです!
(私はすごく励まされました~)

一都三県では緊急事態宣言が発令され、
落ち着かない日々が続きますけど、どうぞご自愛くださいね~

ほんのご紹介ありがとうございます

Yukoさん、コメントありがとうございます。

この本をご紹介頂いたお蔭で、定期的な心臓についての意識のメンテナンスができました。
日常生活を続けていると当たり前に動いている心臓のことを忘れてしまいがちになります。
忘れてしまったままにならないように、予防的な意味合いも含めて、心臓について意識を
持つ機会は、心臓病を患った経験のある人には、有っても良いことかなと思います。
逆に忘れたまま元気に生き続けるのも当然有りだと思っています。

再度の緊急事態宣言、色々な面で制限が起きていて本当に大変な世の中になりましたね。
早く終息する日が来て欲しいと願っています。

No title

鍋島さん、ホントに分かりやすく本の内容をまとめてくれますよね!
私も読みました。
とても興味深い内容ですよね。
天野先生が思う「医師」と「医者」の違い等にも触れられ、患者に寄り添うプロのプライドも感じました。
私は2度の心臓手術後に読みました。
手術前に出会いたかった本です。

ところで、
新型コロナウイルス感染症のワクチン接種について、厚生労働省の優先接種の対象者に慢性の心臓病が入ったことが報じられていますね。
https://heartvalvevoice.jp/news/210111/

手洗い、うがい、3密防止をしっかりやって、元気に乗り切っていきましょう。

さすが、読まれてますね

しゃどうびいとさん
(このHNでいいのかな?)

既に読まれていたのですね。
天野先生のプロ魂が感じられるし、有益な情報が多くて
とても参考になりました。南淵先生が書かれる本とは
また異なった情報が書かれていたりして面白かったです。

我々は新型コロナのワクチンの優先接種の対象になる
とのこと。コロナにかかるのは怖いですが、ワクチンの
長期的な時間での悪影響などが起こらないか心配でなく
もありません。

できる限りの予防、周りへの配慮を続けていきましょう。
プロフィール

Author: カムバックハート

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カムバックハートこと、鍋島と申します。神奈川県川崎市在住の52歳男性。

2008年12月に40歳で心臓の僧帽弁形成手術を受けて、第二の人生をスタートさせることができました。

南淵先生と私

南淵先生と私(術後の初外来にて)


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お知らせ
このブログは、私が心臓弁膜症の僧帽弁閉鎖不全症という病気に診断されたところから、入院、手術、退院、その後の生活という流れで時系列に記載しています。手術を受けた時の描写は2008年12月の状況ですので、その後の医学の進歩で内容的に古くなっている部分があるかもしれません。実際の患者にしか分からない心理的な面の記述をできるだけ表現したつもりです。最初から読まれる場合は、「★はじまり ~こちらからご覧下さい~

(元)心臓病仲間のアンケートを企画・回答集計しました(2018年秋)。これから心臓手術を受ける方にはとても参考になるデータだと思います。アンケート集計結果はこちらの記事へ

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南淵明宏先生の公式サイトにある「勇患列伝」 その7に出てくる「平松」とは私のことです。

yomiDr.のサイトにある世相にメス 心臓外科医・南淵明宏ブログ にこのブログのことを書いて頂きました。こちらの記事には第三回(元)心臓病仲間の集まりについて書いて頂きました。
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