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2022年第一四半期の活動: Sさんの心臓手術

今年に入ってからブログの更新が滞っています。原則、心臓に関わるテーマのみを記事にする方針でこのブログを書いていますので、心臓に関する出来事がなければ記事が書けない訳です。では、ここしばらく何も無かったのかというとそういう訳ではありません。

一つ、エピソードをお伝えしましょう。

年初に頂いたSさんからの一通のメール。「僧帽弁の観察を続けて10年経過。年明けからずっと苦しくなってきた。手術を受けるべきなのは分かっているがどうしたらよいのか相談にのってほしい」というような内容でした。

私カムバックハートも僧帽弁閉鎖不全症と診断されてから10年以上の間、心臓弁の経過観察を続けました。手術直前の心臓の血液の逆流は重症のレベル4でしたが、結果的に手遅れになる前のタイミングで手術を受けることができ、その後13年半、心臓については全く心配なく現在に至っています。

もしかしたらメールを送って下さったSさんも、長い経過観察から、心臓弁手術を受けるべきタイミングに丁度来ているのかもしれないなとメールを読んで直感しました。医学的なことは素人の私にはアドバイスできませんが、とにかく、検査を受けて、信頼できる医者に現在の心臓の状態を客観的にできるだけ正確に判断してもらうことが大事だとお伝えしました。

心臓病に限らずどのような病気でもそうだと思いますが、自分自身で分かってはいても、心臓手術という大きな治療に向けて、最初の第一歩の行動をとるのはなかなかハードルが高いものです。まだ大丈夫、そのうちにと言い訳をして時を過ごしているうちに、手術適用期を逃してしまい、そのせいで結果的に最良の術後パフォーマンスを得ることを実現できない場合もありえます。

いつかやって来るかもしれない心臓手術の日の為に、10年も病院に通って検査・受診を受け続けるには強い意思が必要でとても大変なことです。多くの方が、弁膜症と診断されても、その後の受診をためらったり、一度は受けてもその後放置されたりしているのではないかと思います。

たまたまこのブログを見つけて読んで頂き、私宛にメールを送信されたその行動力を、何とかして拡大させてあげたいと思いながら、私に分かる範囲で術前の様々なことについてアドバイスさせて頂きました。その後、南淵先生の診察を受けられ、昭和大学北部病院での手術を決断されてからは、同じく南淵先生の手術を昨年受けられてこまめに私に近況報告を送って下さる仲間のKさんにもそのSさんへの情報提供やサポートをして頂きました。

先月、予定通りに僧帽弁の手術を終えて一般病棟に移られた旨の連絡を頂いた時には、過去何度も仲間の心臓手術後の連絡をもらった時と同じように、私自身が一仕事終えたという安堵感で一杯になりました。術後は不整脈の影響で退院は当初の予定よりやや延長になられたようです。ですが、全てパーフェクトに回復される方の方が少なく、誰しも多かれ少なかれ何かしらのトラブルは発生すると思います。心臓を一旦止めてのそれはそれは大きな手術を受けた訳ですから体は大きなダメージを受けていますし、治された心臓も当初はご機嫌が良くないかもしれません。この点については、医者や病院スタッフを信じて、また、自分の身体と会話をして、ゆっくり焦らずに回復に努めることが大事だと思います。

その後、ご自宅に戻られてご家族と一緒になり、家事もされているようで、また1人、(元)心臓病仲間が増えた喜びを感じているそんな今年の第一四半期でした。

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プロフィール

Author: カムバックハート

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カムバックハートこと、鍋島と申します。神奈川県川崎市在住の53歳男性。

2008年12月に40歳で心臓の僧帽弁形成手術を受けて、第二の人生をスタートさせることができました。

南淵先生と私

南淵先生と私(術後の初外来にて)


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このブログは、私が心臓弁膜症の僧帽弁閉鎖不全症という病気に診断されたところから、入院、手術、退院、その後の生活という流れで時系列に記載しています。手術を受けた時の描写は2008年12月の状況ですので、その後の医学の進歩で内容的に古くなっている部分があるかもしれません。実際の患者にしか分からない心理的な面の記述をできるだけ表現したつもりです。最初から読まれる場合は、「★はじまり ~こちらからご覧下さい~

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