『普通救命講習』に参加
皆さん、人工呼吸できますか? 胸骨圧迫による心肺蘇生できますか?AED使えますか?
今週、東京救急協会が主催する普通救命講習に参加してきた。実は、勤め先の会社でこの講習への参加者を募っており、場所も会社の体育館でやってくれるとのことなので、将来役に立つかもしれないし、ブログネタになるかなという動機で申し込みしていたのだ。

内容は、下記の4つを半日で実施。
①心筋梗塞や脳卒中などで倒れている人がいた時の心肺蘇生の方法(人工呼吸、胸骨圧迫)
②AEDによる除細動
③気道に異物が詰まった際の除去方法
④止血法
①と②については、人形を用いて、実際に実技を一人づつ交代で行う。
テレビなんかで人工呼吸やってるところや、AEDで「充電完了、ピー、体から離れて、ド~ン」なんていうシーンは良く見る訳だが、実際に自分が救援する立場をやってみるという体験は初めてであった。人工呼吸用に、傷病者の口からの感染を防ぐ蘇生用マウスピースというのがあるらしい。いつもカバンに入れて持ち歩いておくと、いざという時に役立つかもしれない。

胸骨圧迫は、乳頭と乳頭を結んだ線の真ん中あたりを、胸骨が4~5cm程へこむくらい押すのだそうだ。毎分100回のペースで。実技を2分程続けるのだが、結構体力が要る。連続してやると相当な重労働だ。そして、AED。使い方は至って簡単。機械を取り出して、電源を入れて(フタを開くと自動的に電源が入るモデルもある)、電極の付いたパットを二つ、心臓を挟むようなイメージで胸に張り付ける。そうすると、自動的に心電図をとり始める。電気ショックが必要な状態である「心室細動」と「無脈性心室頻拍」の時だけ、AEDで電気ショックを与えるのらしい。つまり、完全に心停止していて波形のない状態では、電気ショックを与えても心臓は反応しないそうだ。これは知らなかった。AEDが自動測定した心電図の結果、電気ショックが必要あれば、その旨のアナウンスをAEDがしてくれる。全ての操作はAEDが自ら判断して使用者にアナウンスで促してくれるので、操作は容易だ。
気道の異物除去については、自分の子供が幼児であった頃、大きめの食材を飲み込んで、あわやのどに詰まらせてしまいそうになったことがあったことを思い出した。あの時、もしのどに本当に詰まらせていたら、果たして私は自分の子供を助けることができただろうか。救急車を待たねばならなかったかもしれない。
ちなみに、日本で119番してから救急車が到着するまでの平均的な時間は7,8分とのこと。それまでの間に、救命措置を施せるか否かで、その傷病者の生存率、後遺症の発生度合いがかなり違うらしい。
また、成人(8歳以上)、小児(1歳以上8歳未満)、乳児(1歳未満)で、救命の手技が多少異なるということを知った。8歳以上であれば、基本的に救命の際の扱いは大人と同じで良いそうだ。
応急手当を試みたことにより、結果的に救命できなかった際、法的に責任を問われる心配を、一般的に皆感じていると思う。これも今回知ったのだが、市民が善意で実施した救命行為に関しては責任を問われた事例は過去無く、今後も無いだろうとのこと。参考までに、アメリカの各州にはそうした行為に対して責任は問われないこととする法律(よきマリア人法:Good Samaritan Law)が存在するらしい。
今年の夏の暑い日、多摩川の河原をたまたま散歩していた時、なんと川で溺れている人がいた。第一発見者の人が、川の近くを歩いていた私を見つけて、「川の中のあの人、どうもおかしいぞ!携帯持っているか?」と声をかけてきた。私は、確かに川で人が仰向けになって流れているけど、それがまさか溺れている状況とは最初思えなくて、ただ呆然と見ていた。が、だんだん状況が理解できてきて、すぐに119番通報。第一発見者の人は、川に入り込み、その溺れている人を川岸までなんとか引きずり上げてきた。幸い、息をしていて、手足も動いていたので良かったのだが、もし動きのない状況であっても、その時の私には残念ながら心肺蘇生はできていなかっただろう。救急車は119番してから7,8分では到着しなかった。しかも、多摩川の反対岸からやってきたものだから、レスキュー系の人がようやく川を渡って一人、こちら岸にたどり着いたのは、果たして119番から何分後だっただろうか・・・幸いにもその溺れていた方は無事に助かった。後に、第一発見者の方は、川から助け出した勇気ある行動を警察署から表彰されていることを新聞で知った。第一通報者の私も表彰してくれとは言わないが、「通報ありがとうございます。」と礼を言ってくれたのが唯一レスキュー隊の一人の方だけであったのが少し悲しかった。救急車を現場まで誘導させようと汗だくで相当走り回ったのだが・・・現場で立ち替わり入れ替わり複数の警察官に何度も何度も同じ状況説明をしつこくさせられたのには疲れたし、その対応は決して気分の良いものではなかった。
ちなみに、このエピソードは実話です。
という訳で、この講習、もし機会があれば是非参加されることをお勧めします。万が一の状況に遭遇した際、きっと役に立ちます。
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今週、東京救急協会が主催する普通救命講習に参加してきた。実は、勤め先の会社でこの講習への参加者を募っており、場所も会社の体育館でやってくれるとのことなので、将来役に立つかもしれないし、ブログネタになるかなという動機で申し込みしていたのだ。

内容は、下記の4つを半日で実施。
①心筋梗塞や脳卒中などで倒れている人がいた時の心肺蘇生の方法(人工呼吸、胸骨圧迫)
②AEDによる除細動
③気道に異物が詰まった際の除去方法
④止血法
①と②については、人形を用いて、実際に実技を一人づつ交代で行う。
テレビなんかで人工呼吸やってるところや、AEDで「充電完了、ピー、体から離れて、ド~ン」なんていうシーンは良く見る訳だが、実際に自分が救援する立場をやってみるという体験は初めてであった。人工呼吸用に、傷病者の口からの感染を防ぐ蘇生用マウスピースというのがあるらしい。いつもカバンに入れて持ち歩いておくと、いざという時に役立つかもしれない。

胸骨圧迫は、乳頭と乳頭を結んだ線の真ん中あたりを、胸骨が4~5cm程へこむくらい押すのだそうだ。毎分100回のペースで。実技を2分程続けるのだが、結構体力が要る。連続してやると相当な重労働だ。そして、AED。使い方は至って簡単。機械を取り出して、電源を入れて(フタを開くと自動的に電源が入るモデルもある)、電極の付いたパットを二つ、心臓を挟むようなイメージで胸に張り付ける。そうすると、自動的に心電図をとり始める。電気ショックが必要な状態である「心室細動」と「無脈性心室頻拍」の時だけ、AEDで電気ショックを与えるのらしい。つまり、完全に心停止していて波形のない状態では、電気ショックを与えても心臓は反応しないそうだ。これは知らなかった。AEDが自動測定した心電図の結果、電気ショックが必要あれば、その旨のアナウンスをAEDがしてくれる。全ての操作はAEDが自ら判断して使用者にアナウンスで促してくれるので、操作は容易だ。
気道の異物除去については、自分の子供が幼児であった頃、大きめの食材を飲み込んで、あわやのどに詰まらせてしまいそうになったことがあったことを思い出した。あの時、もしのどに本当に詰まらせていたら、果たして私は自分の子供を助けることができただろうか。救急車を待たねばならなかったかもしれない。
ちなみに、日本で119番してから救急車が到着するまでの平均的な時間は7,8分とのこと。それまでの間に、救命措置を施せるか否かで、その傷病者の生存率、後遺症の発生度合いがかなり違うらしい。
また、成人(8歳以上)、小児(1歳以上8歳未満)、乳児(1歳未満)で、救命の手技が多少異なるということを知った。8歳以上であれば、基本的に救命の際の扱いは大人と同じで良いそうだ。
応急手当を試みたことにより、結果的に救命できなかった際、法的に責任を問われる心配を、一般的に皆感じていると思う。これも今回知ったのだが、市民が善意で実施した救命行為に関しては責任を問われた事例は過去無く、今後も無いだろうとのこと。参考までに、アメリカの各州にはそうした行為に対して責任は問われないこととする法律(よきマリア人法:Good Samaritan Law)が存在するらしい。
今年の夏の暑い日、多摩川の河原をたまたま散歩していた時、なんと川で溺れている人がいた。第一発見者の人が、川の近くを歩いていた私を見つけて、「川の中のあの人、どうもおかしいぞ!携帯持っているか?」と声をかけてきた。私は、確かに川で人が仰向けになって流れているけど、それがまさか溺れている状況とは最初思えなくて、ただ呆然と見ていた。が、だんだん状況が理解できてきて、すぐに119番通報。第一発見者の人は、川に入り込み、その溺れている人を川岸までなんとか引きずり上げてきた。幸い、息をしていて、手足も動いていたので良かったのだが、もし動きのない状況であっても、その時の私には残念ながら心肺蘇生はできていなかっただろう。救急車は119番してから7,8分では到着しなかった。しかも、多摩川の反対岸からやってきたものだから、レスキュー系の人がようやく川を渡って一人、こちら岸にたどり着いたのは、果たして119番から何分後だっただろうか・・・幸いにもその溺れていた方は無事に助かった。後に、第一発見者の方は、川から助け出した勇気ある行動を警察署から表彰されていることを新聞で知った。第一通報者の私も表彰してくれとは言わないが、「通報ありがとうございます。」と礼を言ってくれたのが唯一レスキュー隊の一人の方だけであったのが少し悲しかった。救急車を現場まで誘導させようと汗だくで相当走り回ったのだが・・・現場で立ち替わり入れ替わり複数の警察官に何度も何度も同じ状況説明をしつこくさせられたのには疲れたし、その対応は決して気分の良いものではなかった。
ちなみに、このエピソードは実話です。
という訳で、この講習、もし機会があれば是非参加されることをお勧めします。万が一の状況に遭遇した際、きっと役に立ちます。